時を操る婦人像 奪取編 Vl
軍人ホスト会の情報によって地域をわりだせた二人だったが、魔人のガワンバとレオンにたよるしなかったのでとりあえず肉を用意しておいた。彼らの嗅覚は犬よりもするどい。
『ここらへんのばずなんだけど』
『臭いますね』
『人間ドモメユルサレナイゾ』
レオンは百獣の王だ。狩りは♀がするものだといって渋ったが、魔力測定器と鑑定のルーペと肉をゆずるというと不承不承といった感じで了承した。
『微かにかおるぞ、ゆうきとあのトリぃうるさい鳥風情がわずかに痕跡をのこしておる』
『早クオワラセマショウ』
『そうせくな。たまには下々の営みに触れねば民の気持ちが理解できぬではないか』
『流石ハ百獣ノ王』
ここだ、と若干地面に違和感がある場所を示すとレオンは慟哭という魔法使いをつかった。
地面の砂が震え下の鉄板がみえてくる。
『ここよ!きっとそう!ゆうきの魔力をかんじるもの!でも・・・なにか違う・・・』
『どいてなさい』
近くにあった標識を斜めに切り裂くと先の方を地面の割れ目に突き刺しテコの原理で開けるための準備をした。
『ソイヤッ』
上空10mほどまでとぶと落下に身を任せ標識の丸い部分を踵で蹴りおとした。
すると鈍いおとがして僅かに地面が開いた。
『やるじゃない!ゆうきにほれるだけはあるわ!』
『それほどでもない』
一行は地下室へつづく階段にはいろうとしたが、レオンがいった。
『わしはこれ以上近付かないことにしておく』
『ワタシモ同ジク』
『どうして?まぁいいわ戦闘は頼んでないものね!』
徐々におりていくと鼻を突く血の匂いがしてきた。
だんだんとそれは濃くなっていき、二人は扉をロマンチック忍者の蛍火で爆破した。
そこに広がっていた光景は凄惨なものだった。
研究員らしき頭のもがれた白衣の死体が数体ころがっており、血潮がしぶいた跡が散見された。
『どういうことだ、新しいぞ転がってる奴ら』
『ゆ、ゆうき・・・!?』
『‥‥‥』
そこに佇んでいたのはゴリゴリマッチョになったゆうきらしき白髪の男だった。
無言でたっていた男はなにもいわずに、ロマンチック忍者めがけて超高速の見えないストレートパンチを放った。
ロマンチック忍者の頭は幻影にかわりクリスタルのホログラムがかさなっているかのようにみえる現象、空蝉の術をつかって寸前で回避した。
『ゆうきだ。我々のことを認識できていないようだが、間違いなく彼だ』
『ゆうき・・・!きいて!きこえないの!?わたしたちよ!』
『ウルザいッッ!!』
ゆうきの筋肉が不規則にむくむくとうごきつづけていた。




