時を操る婦人像 奪取編 lll
ゆうきは藤堂の言ったように二丁目の大人のバーにきていた。
『飛熱鋼の採掘は順調のようだな』
そういったのは若くして賢者の異名を持つブルズアイという青年だ。
『産出量は先月より5%増です』
藤堂がそう答える。
『飛行機体につかう分には充分すぎる量ですね。月10体は作れそうです』
前田が生中をのみながら言う。
飛熱鋼とは魔力を注入することで質量が増す一方、重力に反して宙に浮く鉱石のことであり、それを用いた戦闘用の機体が飛行機体とよばれる戦闘機だ。
四足歩行がたで基本的には宙に浮かせてから蒸気の噴出を利用して高速で機体をうごかしている。
大人のバー邪狩でフライヒートメタルの話をしているのはこのバーでは全てが中立になるからである。一切の他言は無用であり禁止であり闘争は行ってはいけないのだ、それを可能にしているのは常駐しているバーの警備員ブルズアイとママのオカマことダニエル・マミーが圧倒的な武力とコネクションを持っているからであった。
地上ではフライアーマーか防護服がないと活動できない環境になっており、地下街では器物損壊でも大罪あつかいとなるため、みなひかくてきに大人しくしていた。
『で、藤堂さんなんなんですか?』
『あぁすまないね。フライアーマーの試乗してもらおうかとおもってね』
『まじすか!?あのロボのっていいんすか!?』
『君のように人を超越したフィジカルと治癒力がないとのれないかもしれない計算になっていてね』
『実験台ってことですかぁ!?』
『金はでるぞ。たんまりと』
『やります!』
ゆうきは趣味のフィギュアあつめとアイリをやしなうのにお金が必要だった。
生き残った知り合いの造形師がよい型の人形を作りまくるのだかわずにはいられない。
フィギュア集めなかまの富裕層の蒲田さんにはたまにレアな商品を調達してほしいと頼まれ地上にでて違う地下シェルターにいる職人の元までいって手に入れたりもしていた。
『あんたはっきりいってきもいわよ。人形集めやめなさいよ』
などと罵られたりして興奮して魔力が暴走しそうにもなったことがある。
『では後日連絡するので防護服だけ用意しておいてくれ。場所は地上だからな』
『了解しました!』
ゆうきはご機嫌になってご機嫌な夕食をローストビーフなどをつくって食した。




