時を操る婦人像 奪取編 l
地下街の生活が新たな政府、住民開拓機構の設立によって秩序がもたらされたころ、アイリとゆうきはメッセンジャーの仕事をして物資の調達と住民の救助を行っていた。
『これで一ヶ月は食いつなげるな』
そういって廃墟のコンビニからカップ麺と缶詰を調達したゆうきは足取りが軽いままベースキャンプのアイリがまつ新宿にきていた。
地下街は渋谷のしたにある。
『いつまでつづくのかしらね、この生活』
豪邸には、大抵シェルターがあったのでそこで食事をとる二人。
『さぁねえ、当分はつづきそうだけど、アイリはいやか?』
『あたりまえよ。働きたくないわ!』
『ニート志望かよ!?』
『当然!もう十分みんなのやくにたったわ』
『時間が戻せればなにか方法があるんじゃないかと思うけど、火山なんてとめようがねえしなぁ』
考えるだけ無駄よ、そういってアイリはビーフジャーキーを頬ばりながらインスタントのコーンスープをのんだ。
『あったまるわぁ』
『それにしても藤堂さんたちはどこにいったんだろうね』
地下街にはいってからは別々の生活をしており、ながいあいだあっていなかった。
元日本政府からはなんの連絡もないので解散ムードがただよっているのだ。
『さぁね、あんたもたべなさい』
『たべれるときに、たべとかないとね!って金魂にでてるホームレスがいってたね』
『それ、セクハラ』
『なんでそうなるかなぁ・・・!』
にやりとしたゆうきは分かっていっていたに違いなかった。
『レオンやナイトリーくんたちも心配だ、
今度同窓会のようにあつまらないか?』
『どうやってさがすのよ』
『そりゃ地下街のどこかにいるだろうから、しらみ潰しさ』
『はぁ、まぁつきあってあげる。あんた一人じゃ心配だもの』
そういってマグカップをおくと、ゆうきのかたを叩いた。
『ロマンチック忍者もいなくなったしなにかあったのかもな』
『あの変態、消えては現れるから嫌いよ。神出鬼没もいいとこね』
『頼りになるのかならないのか分からないやつだからなぁ』
ゆうきもビーフジャーキーをもにゅもにゅしながら話す。
『これからもこうして過ごせたらいいんだけど』
『まあね』
そういったアイリは満更でもなさそうに頬を若干染めていた。
二人を待っているおおきな出来事があるとも知らずに。




