時を操る婦人像 始動編 V
『もうしんだのでR』
不承不承ながら話しかける幸運卿。
『ここはどこ・・・だ』
『夢の狭間でR』
Rのかたちに変形するジェノバ。
『変幻自在でR』
『どうなった?』
『死んだのでR』
コホンと咳払いをすると杖とシルクハットをかぶった白髪の老人の姿になった。
『こういう姿をしていたのだが、神のいかりをかってしまって困っているのでR』
『ユウキと申したかな?そなたには異常なまでの魔力に対するポテンシャルをかんじるのでR』
『なんだかよくわかんねえけど、俺しんだんだな。わかるよ。感覚で』
ゆうきは無いからだをさすりながら全身をかんじた。
『アイリという人間が時をもどすでR』
シルクハットをくるりとまわす幸運卿ジェノバ。
『そうかよかった・・・!』
『限りなくきみを幸運にみちびいてあげよう!ハッピートリガァァアアア!』
銃を7丁召喚すると777発の弾丸をゆうきの精神体にあびせた。
『いきて、物語をつむぐのでR』
『神を滅せよでR』
そういうと視界からふわふわと霧のようにきえさっていった。
『あぁひきこまれていく感覚だ』
時がさかのぼっていくのをゆうきは感じていた。
『ゆうき!わたしの言ってることしんじられないでしょうけどしんじて!おねがい!』
アイリが血相を変えてつめよってくる。
『あぁわかってるよ。俺も時をもどしたことがある』
幸運卿の魔力によって記憶を保持したままアイリのタイムリープに便乗したゆうき。
優しくほほえみかけると無事でよかったと強く抱き締めて涙を流した。
『ばか・・・!ありがとぅ・・・!』
アイリも強く口の端をつぐんでいった。