時を操る婦人像 導入編 III
なんらかの文明が発達しているとして村を偵察した。
人間と非常に近い形状をした舌もつインコとオウムは比較的に知能がたかくしゃべることもできるので、コミュニケーションにはことかかない。
彼らは独特のコミュニティをきづいていたが洗練されたものではなかった。
王政である。
百獣の王ライオンを筆頭に群れをつくっているのだが、多種多様な魔族で構成されており、狩りの一部を王へ献上するというものだ。
『わしははらがへればくうし、ねむくなればねるし、あそべるときにあそぶ』
王であるという文字があたまのうえに浮かんでいた。
『狩ハメスガスルモノ』
オウムの頭をもつ魔人が王となのる、ライオンの顔がおっさんになっているまものに告げた。
『狩ハメスガスルモノ』
繰り返しうなずきながらいうのは丞相の地位にあるオウムのガワンバだ。
『そのとおりよの』
おっさんがおのライオンことレオンがむふーとふんぞり返る。
恰幅のいいチンパンジーの魔人チンパン人はむれのおもとなる兵隊だ。飯はたらふくくうが戦闘以外はあまりしないというのがかれらの習性でありSaGaである。
『うっきー!人間チャーハンうんめぇ!』
『ロースト人間もいいうきっー!』
『おれも、くっていいかな?』
チンパン人のむれにすっとなじむゆうき。
『うっきー!くえくえ!』
猿真似でジェスチャーをまじえた会話をする。
『ありがとうっきー!』
『ことばがふじゆううきー』
『それほどでもない』
照れてみせるゆうき。
『ほめてないうっきー!』
『デビルズクローという花をしらんかうっきー!』
ゆうきは語尾にうっきー!をつけてしゃべることで意志疎通できると確信した瞬間であった。
『うきー。それは危険なデンジャラスにきー』
『危ない場所にさいてるんだうっきー!』
『あんないしてくれないか?』
『・・・!』
周囲をみわたすチンパン人。
レオンがのそりとうごくと大気が揺れて見えた。
『わしがあんないしてやろう』
『王様ミズカラオモムカレル』
ガワンバも同伴するつもりらしい。
『ゆうき、でかした!』
『あったよ!丸太!』
チンパン人が谷をわたるための丸太をよういしてくれた。
『やさしいなーうぅっきー!』
ゆうきははしゃいでみせた。
『ぼうしょくのつみがいるぞ、きをつけろ』
全てを食い散らかす暴食の罪がいると忠告してくれたのだから善良な人がたべられてしまったんだろうと気付いた一行は重たいムードのなかデビルズクローを採取するためにガワンバの発祥の地であり暴食の罪がいる魔界とよばれる地へといくことになった。