敵討ち、その後
ブレイブメン矢野は茫然自失になったが、アイリのひらてうちで正気に戻った。
『あ、あはは、どうしてだろう。胸のつっかえがとれたきぶんだわ』
矢野は佐野から軽いdvをうけていて恋人だったが愛より恐怖がまさっていたのだ。
恐怖と愛情を同時にうしなって複雑な感情に包まれていた。
『わたし、こんかいほとんどなにもしてないけど、あなたたちの関係はなんだかちょっぴりうらやましかったわ』
『ありがとう・・・!』
藤堂が国から支給されている鑑定の虫眼鏡で佐野ヴェルゼブブからドロップしたアイテムをみてみる。
王蝿の腕輪とかいてある。
隷属の腕輪がキングヴェルゼブブにとりこまれたことによって変化したものだ。
効果は対象を自分の眷属にする従属の効果だ。
国を通さず所有権をきめる権利がたおしたゆうきにあったので、ゆうきは装備して眷属をふやすことにきめた。
『俺はどっちかっていうと隷属されたい側なんだけど、まぁいっか』
『相変わらずキモい発想ね、でもそこがすこしいいところにみえてきたわ』
アイリも明晰夢の影響がでてすこしおかしくなっていた。
『ちがうんだよなぁ、おれは罵ってほしいわけ、罵詈雑言のあらしのなか、ただたえつづけるヤシの木のようになりたいわけ。あんだーすたん?』
『おのぞみどおりに、きも男さん』
『罵りのバリエーションがたりないけどまぁ及第点といったところでしょう』
『二人ともちちくりあうのはそれぐらいにして』
『ちちくりあってなんかないわっ!』
『いやってれますねぇ!』
『灰になればいいのに』
『さっ撤収するぞ!』
『了解!』
汚水処理場は凄惨な現場となっており当面立ち入り禁止となった。矢野はゆうきたちの仲間にはいることになり、支援職として働くようだ。
撤収後ソウシの、追悼式を正式に行いユキの感情の整理をつけた。
『これですこしはソウシも報われるだろう』
藤堂が骨壺にむかって挨拶をすませると礼砲が三発発射された。
一発は追悼の意、二発目はソウシの勇気を称え、三番目は今後の安全を祈願してだ。
吹奏楽団が墓をかこんで演奏をおこなった。
ソウシの魂は安らかに眠ることだろう。
ソウシのブログのコメント欄には海外の戦友からR.I.Pの文字が刻まれていた。