修行の成果
蝿の王キングヴェルゼブブが誕生してから一月がたっていた、ソウシの死はユキの心に深い傷をのこしたが、時はたつものでしどろもどろにしかはなせなくなったユキを介抱するように面倒を見ているのはアイリだった。
『完成してるのか!?』
衝撃波を小分けにして発生させれる装置が完成したので天叢雲剣の鞘に装着した。
あとは、作動テストをするだけだ。
スイッチオン!
暴風が発生したかとおもうと鞘から刀がぬきはなたれていた。生身の刀が鈍く銀色に煌めく。
重低音の爆裂と風切り音のたかさがかさなって不協和音がうみだされた。
もう一度試してみる。
ぬきはなたれる瞬間に刀に魔力をこめて質量をあげる、斬撃がよりおもみをもち破壊力をます。そこに刃の側面に焔のエンチャントルーンを刻み込む。
完成した。
『焔切』
炎を切り裂く焔の剣。
抜刀。
高速の一刀は空を穿ち高温の焔が空気を撹拌しねじ曲げる。
蜃気楼のようなものが投影されると幻影となってきえた。
『クールデスネーミスターユウキ』
『師匠!ありがとうございます!』
お辞儀をしてマイケルに礼をしめす。
みつめていたマイケルがワタシはなにもしていないといわんばかりに後頭部をぽりぽりとかいていた。
『ソウシさんの無念をはらしましょう!』
『ソウデスネー!』
蝿の王キングヴェルゼブブを討伐するための臨時パーティがくまれた、冒険者からは炎のつかいて魔道師ギルティ佐野とブレイブメン矢野が選抜された。
佐野と矢野は従兄弟で歳もちかく立派な顔つきをした青年と淑女である。
ギルティ佐野は炎の魔法でキングヴェルゼブブをやきころす手筈となっている。ブレイブメン矢野は吟遊詩人でパーティにもろもろのバフをかけるのが仕事だ。
『今日はよろしくお願いします!佐野ともうします!』
はつらつと答えたのは佐野だ。
『矢野ともうします!』
握手をふたりとかわすと藤堂さんと作戦をねりはじめた。ミーティングだ。
作戦がねりあげられていくうちにユキはなきべそをかきながらいった。
『お願いします、あいつを殺してください!』
『任せろよ!』
『あたりまえじゃない!』
アイリとゆうきがこたえた。
ユキのきもちを考えるとやるせなくなるが怒りの感情がそれをけしてくれる。
もう我慢しなくていいんだ、全力でぶつける。
そういきこんだゆうきはキングヴェルゼブブとたたかうこととなった。




