ワールド爆誕
勇気はアイリとであってしまった。
病室へつながる通路の渡り廊下の真ん中でだ。
『あのっ、ぼくは人間なのですがあなたは?』
『あーーぼうやぁ、つのはやしてんじゃないの?コブかしら?』
アイリは角をつつきながら勇気の下半身をけりとばした。
『あっ、あっ』
突如内臓をえぐられたかのようなどくとくの痛みをおぼえた勇気は股関をおさえながらうずくまった。
『ガキにャ興味なっしー!ただあんたが人間だってのはなっとくがいくわねぇ。くさいもの!人間くさい若い若い人間特有のにおいがだいっきらいなのよぉっ!』
膝で額をどつく。
ぐぬりとめりこみ勇気は快楽におぼれた。
いたみと気持ちよさでおかしくなりそうになっていた勇気はなんとか立ち上がり逃げることにした。
アイリはおってこなかったがなにか探し物をしている様子だった。
『あっっんなにきもいいいことがあるだなんてしんじられない!』
勇気はマゾにめざめつつあった。
(痛みは快楽)
(そうでしょ?)
だれかがといかけてくる。
脳内でささやかれるのだこのみの女性の声で。
不思議と体にちからがみなぎってきた。
魔力とつのばやしの恩恵だ。
日々無気力に無為にすごしていた勇気は世界がかわっていくことに驚きと悦びをかんじていた。
『そうだ!ぼくが世界なんだ!はははは!わかっちゃったよ!ぼく!世界なんだ!』
魔力とつのばやしによって思考が変化した勇気はマゾのナルシストへと成長していくこととなる。
そんななか世間では大量の通り魔や殺人事件がおきはじめていた。おおくのひとが犠牲となったが、隕石落下地点て特異なエネルギーが生じていることが判明した。
それは魔力である。
あらたな資源とよべる魔力は政府の捜査機関GIOによって詮索がなされ、あらゆる機関の分析によって魔力は石油に代替可な新エネルギーであると公表された。
置換するための装置開発競争がはじまった。
アラブでは核兵器を日本におとすという方針もさだまりつつある世界情勢だった。
魔力は貴重な資源であり莫大な富をもたらす存在であると認知されるまで時間はあまりかからなかった。
誰かがいった。
さぁ、はじめよう。第四次世界大戦をと。
これが世界かよ!と。