魔界からの使徒
その瞬間、降臨したのだ。
絶望のヨハネと切望のナターシャが。
『よんでくれちまったぜ、絶望をよぉ!』
『切望したのね希望を!』
魔力が限界まで圧縮された地点に歪みが生まれ轟音と共に荘厳な門が開いた。
『人間よ衰退せよ』
首が離れた頭をてに持ち剣を片手に騎士は馬の魔物をあやつる。
『きたれ希望の種よ、ツノバヤシ』
『いきなりあらわれてなんだてめぇ、こっちは鶏冠にきてんだよぉ!』
刹那、ひとふりの刃が空間を断絶するかのごとく空中を切り裂く。
ゆうきの角だけが切れずに残り学舎を両断した。
『たのしそうねぇあなたたち!場が混沌としててものすごくすてきよぉ!』
天使と悪魔、魔物と人間が同時に混在する世界がいまはじまる!
『これが世界かよ!!!』
『アッハははぁすてきぃーとろけちゃいそう!』
ヨハネが絶望をもたらす。
『さぁ人間よ!もがけ!あがけ!くるしめ!いきたえろ!さぁ!さぁさぁ!さぁあ!!』
ナターシャが同時に希望もたらす。
『これを使いなさい天叢雲剣よ!切望なさい!』
『これが人間の限界かってところを突破してやんよぉ!』
ゆうきは剣を手に入れ、魔界からあらわれたデュラハンのような魔物にいどもうとした。
『ゴッデス!!ジーザス!プリースト!ゆるさんゆるさんゆるさん』
ヤン教授がそれを阻止する。
『神がぁ!かみがいっているのですぅ!』
血眼になりながらもデュラハンにすがりつくヤン教授。
『あなが神かぁ!!あなたさまこそがかみだぁ!』
錯乱したヤン教授はデュラハンを神とあがめはじめた。
『きんもちわるい生き物がわめいてるわねぇ!』
アイリが二体まとめて攻撃する。鞭でぐるぐるまきにしてまとめたのだ。
ゆうきは歯をくだけんばかりにかみしめて、天叢雲剣をふりぬいた。
ヤン教授がばっさりと斬られまっぷたつになるがデュラハンは微動だにしない。
半覚醒状態のゆうきの腕力をものともせず直立する馬とデュラハン。
『若きツノバヤシたちよ、栄華を極めよ』
いななくデュラハンの馬。
『絶望しなかったなぁ!?』
『希望のかちよ!』
『まてよ!てめぇ!』
立ち去ろうとするデュラハンの双眸からのぞかせた眼光がゆうきをひるませる。
『子をなせ!ツノバヤシよ!』
気をうしなうアイリとゆうき。
二人は夢の世界へと旅立っていった。