プラチナ等級の冒険者と鰻ムカデの魔物
おくにすすむにつれて血の濃い匂いがむせっかえすようにつよまっていく。
鋼鉄のかなきり音がきこえる。
わずかにきこえるそれに一行はちかづいていく。
こけむしてじめじめした通路は湿気でかなりの不快感をともなった。
音の正体はプラチナ等級の冒険者がデットイールといううなぎのようなムカデの怪物とたたかっているところだった。
プラチナ等級の冒険者はゴールド等級三名をつれてきていたようだが全滅してしまったようだ。彼の名前はジョン・ウー中国系アメリカ人でトリリンガルの彼は国際的に活躍する傭兵だったが、日本で冒険者という旨味のある職業をみつけそこで生活していた。
ある日クエストをうけて、コキュートスに収監される中島俊樹を殺してほしいという依頼を達成するためにおとずれたのだが、戦闘がながびきデットイールという魔物と激闘するはめになっていた。
男の息づかいと剣と鱗が削れる音だけが支配する空間に一筋の希望ともいえるゆうきたちがあらわれた。
『大丈夫ですか?!加勢します!』
『うわっ気持ち悪い魔物ねぇ』
『蒲焼きにするとうまそうだぞ』
『あんたやっぱいかれてるわね』
『あぁ言葉ぜめもいいわぁ』
言葉ぜめによって魔力が高まったゆうき。
『すまない!加勢感謝する!やつは毒の牙を攻撃につかってくるぞ!』
ゆうきはヤン教授から借りた狂気の甲冑を装備していた。その拳は衝突すると相手の魔力と生気をうばう効果が発動し、鎧は魔力で硬化していた。
『おらおらおらぁ』
デットイールの胴体を一点集中で殴り続けるゆうき。
毒液ともいえる体液を吐き出す魔物はのたうちまわりながら噛みついた。
顎が固定された状態になったデットイールをジョンが片手槌で頭ごと粉砕する。
片手槌と盾をもったジョンは魔力を槌に収束させ質量をふやすことで更に重さをまして打撃し
、ヤン教授が重罰断罪のスキルを発動させデットイールのからだ半分をつぶして動きを止めたところにジョンが雷属性の刻印がなされた盾をたたきつけ粉々にした。
かなりの強敵だったがアイリはなにもせずにきもちわるがりながらみがまえていた。
『ありがとう、きみたちのおかげでたおせたよ』
デットイールは炎の刻印がなされたゴールド等級の冒険者の指輪をドロップした。
装備することで武器に炎属性を付与できるようだ、ゆうきが装備してみると甲冑の拳が赤くオレンジ色にちかい灯火を宿した。
毒の瓶という毒が無限に生成する瓶もでたので戦利品として魔法麻の袋にいれた。
『アメリカの使節団だが、私以外全滅してしまった、同行してもよいだろうか?』
『構いませんよ、これもなにかの縁、よしなに』
『よろしく』
全員で歓迎する。戦力になるのならウェルカムだ。倒したあとは魔物に気を付けながら突き当たりの階段まですすみ、2Fへとむかった。




