ダンジョンと税収、そして死、表裏一体。
ヤン教授はコキュートスの探索とめいうって整備をおこなう小隊に学院の生徒たちをいれることにした。
学業の性質上、卒業生の多くはフリーランスの冒険者というしごとにつくことになる。法律上は個人事業主にあたり業務委託をうけたまわることで階級を木、銅、銀、金、白金、金剛、伝説にわけてふりわけされる仕事をこなすのが目的となる。
それらを育成することと塔の管理を両立させることで飛躍的に人類は進化した存在になった。
いつしかひとは冒険者の上層の人々を畏敬して
ハイヒューマンとよぶようになったそうな。
塔1Fでは凄惨な事態が起きていた。
欲をかいた一般人が搭に忍び込んだのだ。
重武装の10人組だったようだが素人のこさえた刀では魔物の毛深く堅固な表皮に傷ひとつつけられないので惨殺され魔物のエサになった。
なかにはゾンビのようなクリーチャーになって塔のなかを徘徊している有り様だ。
しかしこれが、規制されないのには訳がある。
こういった不法侵入行為によって偶発的に取り込まれた装備や物資が魔力の影響をうけてより高位の物にかわる現象がおきるので科学や魔術の発展に貢献する可能性があるのだ。
その産出物を狙って野盗がはびこることになる。すべては自己責任なのだ。
隕石が飛来して以来、各国から使節団がおくられては死滅しをくりかえしているのが現状である。ちなみに一般人の入場料は3000000エゾ日本円にして三千万円に相当する。
正規ではなかなかはいることができない価格となっており、政府の税収におおきく貢献するということで、国の上層部は学院のご機嫌をうかがうようなたちばになるのだ。
ドロップ品にも種類があり宝物、遺物、聖遺物、宝石、魔核とよばれる物があるがすべてがエゾに変換され税収として30%の金銭が徴収される。
『藤堂さんとアイリさんゆうきくんにジョニーとミルタをパーティに加えていきたいと思います』
『では、まいりましょう!』
塔の一階に入った瞬間むせかえるような匂いがした。
死体の山がそこにあった。
報告では10人だったはずだがそれをゆうに越えた20体は死骸が山となり散乱していた。




