燃える漢と静かなる牧師
ヤンが神田を滅すると次はゆうきたちに矛先がむくかとおもわれたが、デビルオクトパスも黙ってはいなかったサードフットのバーニング武田を既に刺客としてはなっていたのだ。
『ヨハネとナターシャか、こりゃ傑作!なおのこと燃えてきたぜ!天にこぶしをつきたてられるんだからよぉー!フィストファックだぜぇ!』
バーニング武田はいつも熱い男だった。いや、漢だった。
『よぉぉっしゃああー!!イクゼバーニンッ!!』
とびひざげりをしながらヤンに突貫するさまは燃える不死鳥フェニックスのようだった。
ヤンは膝蹴りをかわすと笑った顔から真顔に戻りこういった。
『物理的に信仰をふかめなさぃ!』
聖書に魔力を充填し、聖書の重量を倍増させた。数億トンの重みにおしつぶされそうになるバーニング武田は叫んだ。
『熱くっなれよぉっっつ!』
聖書につぶされてしまったバーニング武田
炭をおおきな岩でつぶしたように四散する武田の肉体は燃え尽きて灰になると、そこから再度うまれかわって爆誕した。
『おれはよぉ!燃える戦いにしか興味がねぇ!なんだよ!つぶしって!もっとなぐりあえよ!あつくなれよぉっ!』
ヤンはいった。
『汝、粛清されよ。さらなる試練をかさん』
黒曜石でできた十字架が出現するとバーニング武田にむかって飛んでいった。
『イエス!かむおんっ!バーにんっ!』
バーニング武田は迎え撃つ姿勢で拳をつよくにぎりしめると自身の心意気を刻んだルーンのバンテージを蒼白く発光させた。
『鉄砂拳マナ混合流、爆四散拳!』
残像をのこすほどのむすうの拳が十字架をきしませながら空中でおしとどめる。
熱く火花を散らしながらぶつかる両物体はかがやきをまし、めが眩むほどの光を発すると暗転しあたりが暗闇に包まれた。
『絶望のにおいがするぜぇ!』
『切望のにおいがしますわ!』
ヨハネとナターシャが淡い光に包まれて現れた。
『天界へといざないましょう』
『なん・・・だ・・・よ、これ』
讃美歌とともに天使が現れた。
『おまえ今絶望したな?』
『よぎったんだよっ!ちくしょうめぇっ!』
『絶望の園へようこそ武田くん!終着点だよぉ!』
目から希望の光がうしなわれていったバーニング武田は鎮火してバーニング武田ではなくなると同時にただの武田となり死亡した。
ヤンはぶつぶつと聖句をよみあげると片手にもつ聖書を閉じた。
ヨハネとナターシャは瞬時に消えた。