死のルーレットと聖書の力
命のチップを代価としてはらったヤンは神田の能力によって死んだかとおもわれたが、聖書の福音の効果によって死んだあと無から存在を蘇生させた。
『ハハハ、主よ!我が死をおめしにならぬか!故に私は不死となったのだ!ノーライフキングも真っ青の無敵でステキな知的な存在と昇格したのだ!』
ディーラー神田は内心したうちをしたいしょうどうにかられていたが、そのわずかな所作さえも予断をゆるさない状況下であると理解していた。
『まずいですねぇ・・・あれでいきてるって詰みじゃねぇかな?』
ゆうきたちはびどうだにせず傍観している。
『ディール!カジノDead Roulette!』
神田がディールとコールすると地面がルーレットの盤面に変化して宙にベットシートがうかびあがった。
(プレイヤーはベットしてください)
アナウンスがホールにながれると人間の頭サイズの玉が周囲の溝をかいてんし、轟音とともに盤面が回転し出すとカジノホールでながれる優雅な曲調の音楽がながれだした。
ヤンは聖書の一部を抜粋し、かたりだすと赤に命のチップをかけた。
かなきりおんがやむとどうじに地面に玉が落ちた。
(黒の2番!ノーモアベット!プレイヤーの敗けです)
『Excellent!!!』
神田はキメポーズをした。
ヤンの肉体はミイラのように干からびていき確かに生命をたった。
『やったか・・・?』
『無駄ですよ』
失った血液を聖書からあふれでる血によって吸収し、生成再構築をはじめた。
神田は絶望していた。
なすすべがない。
死なないのだ。厳密にはしんでいるが、甦るのだ、たとえるならゲームで残機をへらす、そんな感覚におちいっていた。
『誰がよんだか知らねぇが!絶望のヨハネ様の降臨だぁ!』
天井のない空間から光とともに出現したそれは絶望のヨハネとなのった。
対をなしておりてきたのは切望のナターシャだった。
ふたつの存在は周囲をいろこくてらし、どうじに影の部分をつよくうんだ。
天使と悪魔を絵に描いたような二体はわらいながら神田の周りをとんでいる。
『絶望してるなぁ?!おまえよぉ!』
『切望しなさい!生きることを!あなたさま
ぁ!』
『ハハハ!愉快だなぁ!こんなに愛されてるんだおれって!』
精神が崩壊した神田は神にいのりをささげながら息のねをとめた。
ヤンはいった。
『所詮は人間の分をこえられないということですよ!主はおっしゃった!彼を召せよと!』
神の力がディーラー神田を屠った瞬間だった。