利休という男 時空警察編
深井は利休に気に入られ信長に接待するよういわれていた。
茶屋によばれた深井はなにかいやなよかんがしつつも正面から挑んでいった。
『うぅ、緊張する。いやじゃぁーああいう格式張ったもんは緊張してはらがいたくなる』
緊張から腹痛を催していた。
『名器なんてだされたひにゃ、てが震えておとしてまうかもしれん。くびがとぶど!』
何て秀吉に脅されたもんだから、服部(深井)は男性きまで縮こまっていた。
石畳が石川のあいまにならぶ庭園をゆっくりとあるいていくと、せのひくい藁のゲートがたたずんでおり、屋敷町にはふそうおうな自然の香りがした。
すずむしもにわでかっているようで、求愛のおとがなるとたまに池で錦鯉がはねていた。
『夕暮れ時は染み入るおとが風流でよいですなぁ、深井さんや』
そういったのは茶屋にはいって早々お手前を披露してくれた千利休だ。
『いやーそうですなぁかたじけない』
作法に乗っとり茶碗をまわしてのむ深井。
『それは・・・・・・』
利休の手元にある画像でしかみたことのない美術館に飾ってあった九十九髪茄子という茶器をさしていった。
『おーこれがわかりますかな?九十九髪茄子ですよ。これひとつで城がたつのだからそうぞうするだけでわたしの股関のいちもつもそそりたつというものでござるよ』
ほほほというと、イーや失敬失敬と下品なユーモアをわらってのけた。
『ははは、たしかにふるえますなぁ、おとこのゆめがつまっておりそうろう』
『わかりもうすか』
『はい、たしかに』
そういうと深井は火薬や銃の仕入れについて話し出した。
『ふむ、わたしの堺にかかえる商人にくちぞえいたしましょう。信長どのにはせわになっておるゆえ、またお茶の席ではなしましょうとお伝えください』
『わかりもうした、よきおてまえでござった』
そう一礼すると、するりとぬけだしあたまをこすりながら、いゃあ緊張したぁといって駆け足でかえっていった。
ウツロは深井の焦りがおをみて失敗したかと思ったがそうではないときいて安堵した。
『利久どのは健在でしたか』
『下のネタまでかますほどげんきでおあせられたよ』
かわいたわらいがいったいをつつむと夜の帳がおりてきて、虫たちもなきやみ、草木むねむるころとなった。




