一人と一羽。意志疎通って大事ね
ツノバヤシティの中にちいさな街ができていた。
知性を持つ鳥がすむまち、鳥バードシティ。
ひとはあらそう。
年老いた鳥からさばかれころされる。かなしむわかどりたち。
ひとはにくしんだり、いとしんだり、かなしんだりする。
鳥はしない。
しないはずだった。
『どうしてとりぃー』
コンドルのマヨイコンドルはかなしんでいた。
魔力の粉を接種したことにより知性をえてしまったのだ、禁断の果実のようにおちたあの汁のはへんが。
『畜生めぇ・・・』
マヨイコンドルは羽根に魔力をあつめると風をおこした、竜巻だ。サイクロンとよばれる魔法を自然と発生させた。
ツノバヤシティが壊滅状態になっていった。
つのばやしによってうまれたグールや魔物たちはサイクロンによってのみこまれていった。
マヨイコンドルは涙をながしながら、それをみつめていた。
ゆうきは休暇中に鳥を観察しにきていた。
『すげぇ風、竜巻じゃん!あれにまきこまれたら興奮すんだろうなぁ、新しい世界がみえそうだ!』
ゆうきは迷わず飛び込んだ。
『あぁぁあきもちええんじゃぁー』
ゆうきはつのばやしによってとてつもない自然治癒力をえてしまってからは、自分を破壊する破滅衝動にかられていたのだ。
『たつまきのなかでしにてぇー』
ぶんぶんと空中をまうゆうきは楽しみながらしにかけていた。
『あの人間異常とりぃー・・・』
竜巻のなかにはいっていくマヨイコンドルは防風の魔法でゆうきごとつつんでおとした。
『どこかなつかしいかんじがするとりぃ!』
ゆうきの汁が魔石化してそれをたべたのが、マヨイコンドルだったのだ。
『とりがしゃべってる・・・』
『人間なかよくしよう』
鳥がふぁさっと翼をさしだすと、ゆうきはシェイクハンドした。
『君のなかにおれをかんじるんだがおれだけかな?』
『とりぃーなにかかんじるとりぃー』
『君の名前は?』
少し首をかしげてからこたえた。
『ないとりぃ』
『ナイト・Leeか』
『よろしくLeeくん』
『とりぃ?』
一人と一羽は熱い抱擁をかわした。