日常的変異
藤堂にとって部隊は家族のようなものだった。
命を預けあい背中を守りあい、衣食住をともにするパートナーであった。
つのばやしは筍とよばれている地域もあるが基本的には覚醒者と感染者にわかれてよばれている。
そんな覚醒者を部下にもつ藤堂の気心はとてもつかれ、疲弊しきっていた。
ゆうきは藤堂のつかれがめにみえて表情にみてとれた。
『まえだあ!はやくしろ!スパーリングの準備だ』
アイリはおきにいりの前田を指名して興奮していた。
魔力の測定もかねて覚醒者の興奮を利用しつつ、いろいろな方法で感情をゆさぶってみたが、基本的には興奮したときに魔力が大量に測量されていた。
ユキは空いた時間にハッキングの技能を部隊指導員からならっている。
ゆうきはアイリのどえすっぷりをみて興奮していた。
『つぎはおれがかわろう』
みているだけではことたりなくなったゆうきが交代を申し出た。
任務をみんなでこなしつつ、魔力のあつかいかたをまなんでいった。
ゆうきは角からたれる汁で衝撃波をうみだし、ガラス程度まで自分のすきなタイミングでわれるような威力をだせていた。
アイリは肉体をひやくてきに身体向上させ、動体視力と反射神経のきょうかができるようになった。オリンピックやeスポーツのプロをおしのけて、圧倒的さでなんでもかてるくらいには強くなった。
ユキは人間のしようしうる脳ミソの領域をはるかにこえてつかえるようになったことで、パソコンのプロ兼参謀として活躍している。腐女子的妄想力も強化されているようで、16進数と10進数を擬人化して数字で興奮していた。
そんな日常がすすむにつれて、感染者の事件がふえはじめ、覚醒者の犯罪組織、オルガ旅団とよばれる8人と八本足とよばれるデビルオクトパスの集団が抗争をおこし、都市が壊滅的ダメージをおっていた。
その抗争をとめるのがトクトウカクサンカの役目となった。
夜はながびき、会議はおどった。
抗争編となります。