マコトの生い立ち
マコトは捨て子で群馬県のマフィアの拷問師に拾われそだてられた。
日常から悲鳴や絶叫、絶望がそばにあった。
最初からあったのだ。
手元に負の情報源が。
必然的にいびつにそだったマコトだったが、同じく拾われたアイリというおなじ名前の女の子がマコトの自我を健常者にはおよばないが、人としてあるだけのふるまいをさせた。
ある晩、狂った犯罪者が徒党をくみマフィアの拷問官がすむ家に押し入った。
そこにいたのは無力な少年11歳と少女12歳だった。
マコトとアイリだ。
現在のマコトがすきなアイリと重ね合わせてしまう髪型をしており記憶に鮮明に残されている。
彼らは二人にセックスをさせながら、拷問した。
内容はきくにたえないのでかかないが、みのけがよだつものだ。
人が狂うには充分だった。
前歯のおれたマコトと左腕のおれたアイリはなんとかいきながらえた。
犯罪者がたちさる時、気が済むまで。
タバスコを目にかけられたりもした。
いきるのに必死だった。
『こ、ころひゃなあでくだしあ』
『こ、コイツころさないでだってまじうける!』
はらをかかえながら嗤うジャンキー。
『そろそろかえるぞ』
救われた。
アイリは大丈夫かな?
隣の部屋につれていかれたアイリは30分ほどすると服がはだけてもどってきた。
目は虚ろだった。
そんなとき拷問官の親がかえってきた。
『おとうひゃん』
目もむけず部屋の奥へといくとなにやらやりとりを男としていた。
『金は2000万つったろーが!』
『こんながきに2000万もはらえるか!』
うそだっ!
育ての親がそんなこというわけない!
『すきにしろ』
マコトとアイリは連れ去られた。
助けなかった。
助けられなかったのではなく、助けなかった。
マコトはトラックの荷台で頭を抱え込んで縮まりふるえながらいった。
『どうじで、どうしでどじでぇぇええ!!!』
『にげよ!』
おれてない右腕でアイリがうでをひっぱると、背後から現れた男の拳がアイリの顔面をとらえた。
倒れこむとうちどころがわるかったのか、アイリは静かになった。
死んだのだ。
『ちっこいつしんだよ!だりぃ。まだやりたりてねえのによ!』
『しねしねしねしねしねしね』
マコトはありったけのちからで首をにぎりしめた。
拷問官の親からはトレーニングだけがいきるための秘訣といわれて歳のわりには力があった。
握力にすると60kg程度だが人をころすにはたりすぎた。
アイリをおかしたやつを殺した!
そのことだけであたまがいっぱいになった。
そのあとは街まで走って逃げてホームレスのおっさんに拾われて仲良くアルミ缶と粗大ゴミをひろって生計を立てていた。
年を取るにつれていろいろとまなんでいった。
6年たったある日ホームレスのおっさんは病気で死んだ。
つのばやしを乗せた隕石が日本に降ってきた。
『わぁーきれい!世界が終わるんだぁやったぁー!』
夜空を照らす隕石を眺めながら両手を広げていった。
モノクロの世界に色がついた瞬間だった。
これで楽になれる。
はずだったーーー。
生き残ってた。
『でも、世界ってこんなに綺麗だったのか』
どうしよう、そうこうしていると別のアイリとであうことになり、生きていたんだ!とすきだった気持ちを伝えて断られた絶望でさらに頭がおかしくなってしまったマコトだった。