研究室の日常
研究施設兼前線基地であるアルファ秋葉地下室ではつのばやしに関する研究がおこなわれていた。
角からけずれでる、いいかたは悪いがフケのような角質がふるくなって老廃物として排出される粉が、麻薬にそうとうするこうかをもっており、依存度は覚醒剤の三倍で作用は興奮と鎮静の時差でくるスピードボール仕様となっており、熱狂したりしずんだり精神が不安定になりやすい傾向にある。最後に服用しつづけることで覚醒者とよばれるひとがたの能力者になることが判明し、実験データでは個体差があるもののいっていの超人的フィジカルと本能の抑制がきかなくなりやすいということが問題視されている。
半覚醒者のゆうきやアイリ、ユキは異端な存在だ。
『まえだぁーおきろー!』
失神している前田に蹴りをいれる。
『こほっごほっ』
『いけます』
『ぞくぞくするじゃない』
ぱたりとたおれる前田。
『マエダァァアアア!』
キーンとゆうきの耳をつんざくshout。
藤堂は極秘任務についている自覚があったがどこか、現実味を帯びない現状に辟易としていた。
そんな、研究がつづいているあいだに世界情勢はおおきくうごいていた。
情報屋のくちこみによると才能ある若者を麻薬づけにして訓練しおそれしらずのエリート部隊をつくろうとしている組織があるとつげられた。
中嶋会の連中だ。
百鬼夜行のさいに情報収集をおこない、中嶋会が人を大量に仕入れていた映像がとれている。
『あれか』
『藤堂さんて結婚されてるんですか?』
いきなり話しかけるゆうき。
リングをかこんでいる部下たちの間で小声で囁きかける。
『美しいバラがさいてるわぁ!』
ユキがその様子を見て興奮していた。
『結婚はしているがどうした?』
『守るべきものがあるっていいですよね!』
『あぁそうだな』
共感しつつも苦虫をかみつぶしたかのような表情をみせたのは一瞬の出来事だったが、藤堂にとっては結婚とは政略結婚の道具でしかなくただ苦痛だった。