ジェノバの葛藤 七つの罪源編
『我輩は下戸である。まだ酒は飲めないでR』
センチな気分になっていたジェノバは神に対抗すべく手駒をふやそうかと考えていたが、裏切りの恐れもあるので仲間にするきはなかったのだがもっと懐にいれて力を分け与えたいとも考えていた。
『困ったのでアール、仲間にするにもリスクがともなう、神の存在によって致命的な弱点にもなり得る諸刃の剣でR』
アジトにしている夢と現実のさかえめでコーヒーと紅茶をのみ、クッキーをつまむ。
『うーん、紅茶の噴水にあるティー茸がよいだしになっておるでR』
『ゆうきを覗いてみようかでR』
ゆうきは眠っていてちょうどゆめをみていた。
『ゆうきでアールか、ひさびさでR』
『なんだ、今おれねてんのか?いまいち現実特別がつかなくてこまる。おれ今幸せなんだ。アイリに告白してうけいれてもらえてさ』
『我輩のおかげでアールからして感謝するのでR』
明晰夢での出来事が徐々に現実に反映されはじめていた。
『なんかしらねえけど、サンキューな』
『ほっほっ、素直はよきことかなでR』
ところでと、ティーカップをおいて一拍あけるとジェノバは語りだした。
神への抵抗とその意識の高さ、これまで神がきまぐれでほろぼしてきた文明や生物の話だ。
また、偶像崇拝によってうまれた、人の神を抹殺した業の深さを教えてくれた。
『なるほどねぇ、それでかぁ、まぁ力を貸すのはいいんだけどあんたも神の末席だろ?おれなんかがやくにたつとはおもえないが』
『人だからいい』
いつものRをつけず真面目な老人の顔をしていった。
『神にあだをなすのはいつだってひとなのさ、それをきみたちにしってもらいたかったのでR』
いつもの口ぶりに戻るとそろそろ夢が終わる現実に戻るときがきたといいだした。
『ちょっとまってくれききたいことが、まだ……』
強制的にめざめさせられる、意識が引っ張られていく感覚に陥った。
『どうもなれないな、この感覚』
『どうしたのゆうき』
薄着でよこにねころがるアイリがふしぎそうにみつめていた。
『いやなんでもない、幸せだなあって』
しみじみおもっていると、携帯の着信音がなりひびいた、部屋に。




