商談とサムライスマイル
勇気に付随していた藤堂隊長は平手うちでゆうきをたおし、巨漢のスキンヘッドに頭をたれた。
『若輩者ゆえゆるしてやってはくれんだろうか。いまから買う商品に傷がつくとおもってやったことだ。わるくおもわないでくれ』
『What in the world are you going on about?』
いったい全体なにをしゃべつづけてるんだ?といっている。
『What the fuck?!』
なんじゃこりゃ?!
おとこはそういうと腫れ上がった自分の腕をみておどろいた。
ホーリーシットっというと巨漢はうでをおさえながらテントの奥へときえてしまった。
衝撃波がはっせられる瞬間藤堂が帯同している鞭でみえざる一手を巨漢のうでにうちこんでいたのだ。
ひらてうちと、鞭打を同時にやってのけたのは訓練を受け、とぎすまされた技術と神経をもつ藤堂だからできた芸当であった。
巨漢はあまりのいたさと突発的な破裂音と衝撃で錯乱していたみをかんじなかったのだ。脳がきょひした痛み、事故などで経験したことはないだろうかそれである。
『いっつびゅーてぃふぉーうつくしいデース』
金髪の長身痩躯なおとこが天幕からでてくると拍手した。
『ニッポンジンのビトクをカンジマシター!』
腰には脇差しと日本刀が二本さされておりチョンマゲをしたへんてこなサムライ外国人だった。さらしをまき、きくずした着物のかたからは和彫りの入れ墨がみえる。
『ソコのゴジンただものではナイデース』
『サキのいっけんフモンといたスデース』
藤堂は外国の老人サムライに敬意をはらって頭を下げた。
勇気は地べたで快楽をあじわっていた。
(地面ってつめてぇんだなぁ、あっありだ、いきてんだなぁ)
(きんもぢぃぃいいー)
痛みが快楽に変換される勇気はなおもいたみをほっしたが、男の手でうけるのはごめんこうむりたかった。
だが、きもちいいのは気持ちいいのだ。
しかたがない。
『勇気、対象を購入するのが任務のはずだ。勝手な騒動はおこすな』
『了解』
小声で無線をつうじてしゃべると小型のマイクが音声をひろってつたえた。
『ご老人ふたりの女性をかいたいのだが少々いたんでいるのでやすくはならないか』
『いぐざくとりーシカタアリマセーン』
4000万エゾで商談は成立した。
二人をかって研究対象にするのだ。