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奇妙な味の恋物語  作者: 冨井春義
君のすべてを食べたい
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2

「美雪、こっちにおいで」


僕がそう呼ぶと、君は何も疑いもせずうれしそうにすり寄ってきた。


その白く細い首を僕は左手で乱暴に掴んだ。


それでも君は僕の顔を不思議そうに見つめるだけだった。


僕は嗚咽し、涙が頬を伝った。


君と過ごした3か月の日々が僕の脳裏を駆け巡った。


僕は君のことを本当に愛していたんだ。


もうやめよう・・・僕は何度もそう思った。


僕は君を抱きしめ、これからも君と過ごす日々を続けることを想った。


しかしもう遅かった。


僕の右手のナイフはすでに君の喉を切り裂いていたのだ。



僕が受精卵から3か月、「美雪」と名付け愛情を注いで育て上げた雌鶏はこうして肉になった。


鍋と焼き鳥にして食べた美雪は、期待通り美味しかった。

ん?恋物語だったろうか?

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