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奇妙な味の恋物語  作者: 冨井春義
アルティメット出会いパーティー
16/16

4

面談終了後、休憩用のロビーで30分ほど待たされた俺はふたたび面談室に呼び出された。


先ほどと同じ女性コーディネーターが、なぜか今にも泣きだしそうな顔で座っていた。


「どうしたんですか?」


俺は先に声をかけた。

コーディネーターが俺を見て、ようやく口を開いた。


「申し訳ございません。一条妙子様に交際継続の意思を確認したところ、不継続をご希望なされました」


・・・ええっ!!そんな。。。


「これは私のミスです。冨井様と一条様のカップリングを決定したのは私です。絶対間違いない組み合わせだと思ったのに・・」


「いったいどうしてですか?俺と彼女は上手くいってたと思うのですが・・断られるとは夢にも思ってなかった」


コーディネーターはまさに苦渋の表情で説明してくれた。


「一条様のおっしゃるには、冨井様は男性としてあまりにも幼く、まるで弟と交際しているようだったとのことです。努力したのですが、やはり人生を共にする男性とは見られないと・・」


俺はすごく情けない気分になった。

交際を楽しんでいたのは、俺だけだったのか・・俺には女ごころがまったく見えていない。

俺にいままで彼女が出来なかったわけである。おそらくこれからの人生も・・・絶望的に思えた。


「冨井様と一条様以外のカップルは全員が交際継続となりました。なのでこれは私のミスです。もう一度チャンスをください。今度こそ絶対完璧なお相手をお探しいたします」


コーディネーターはまるで懇願するように言った。

おそろしく責任感が強いようだ。


「わかりました。あなたにお任せします。どうぞよろしくお願いします」


俺はもう一度、このコーディネーターに任せてみようと思った。


それから、俺はふたたび面接を受けアンケートを取られたが、もちろん追加料金は無しだ。

コーディネーターは懸命に俺のために働いてくれた。


「前の時よりも時間をかけますが、必ずカップリングします」




さて、ここまで俺の長ったらしい話を我慢して読んでくれたみなさんに報告すると、その後、俺にはちゃんと彼女が出来た。

2年たった今、彼女は俺の妻となり、かわいい男の赤ちゃんが居る。


お察しの通り、俺の妻はコーディネーターだった女性だ。


俺のために親身なって奔走する彼女を見ているうちに、俺は彼女に惹かれ、思い切って交際を申し込んだんだ。

意外なことに彼女の返事はOKだったのさ。


彼女は俺より5つ年下だったし、素顔は明るい女性だった。

なんだ俺の希望どおりじゃないか。


統計だの、データだの・・そんなものはクソ食らえだと今の俺は思っている。


運命の出会いってのは、ちゃんとあるものだ。見逃しさえしなければ。

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