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奇妙な味の恋物語  作者: 冨井春義
アルティメット出会いパーティー
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※注!このお話には毒があります。もしかしたら激しい不快感を持たれるかもしれません。その場合はただちに読むことを中止してください。

「お集りの皆様、本日は当社の主催する『アルティメット出会いパーティー』にご参加いただき、ありがとうございます」


40代半ばくらいと思われる、小太りのあまり色気のないビジネススーツ姿の女性司会者がスピーチを始めると、パラパラとまばらな拍手が起こった。


この会場には男女各20名が左右の席に分かれて座っている。パーティーというより何かのセミナーのような雰囲気である。


「皆様、すでに当パーティーの評判はご存知のことでしょうね。評判の通り、過去の統計では、このパーティーのカップリング率は100%、6か月後の交際継続率は80%、そのうち成婚率は60%以上という業界最高水準のお見合いパーティーです」


もちろんその評判を聞いて、俺はここにやってきたのだ。

俺は間もなく40歳になろうとしている。

俺はそう女にモテないタイプというわけではないと思うのだが、なぜか縁が無くこれまで彼女というものが出来たことがない。


30代半ばくらいまでは彼女ができないのは単に運が無いだけだと思っていた。

そのうち俺にも運が巡って来て、運命の出会いがあるに違いないと、特に焦ってもいなかった。


しかしさすがに40代が見えてきた今、俺の恋愛運の無さに焦ってきたのだ。


女性司会者は話をつづける。


「この業界きっての数字を叩きだす秘密を、これからお話いたします。私どもの主催するパーティーへのご参加は、真剣に出会いを求めている人に限らせていただいております。そのための十分な選考をパスした皆様ですから、そこのところは問題ないと思います」


このパーティーに参加するには、おそろしく分厚いパンフレットを読み、数回に及ぶ面接を受け、アンケートに記入したうえで、やはり分厚い契約書にサインする必要があった。

遊び半分なら参加するな・・という姿勢である。


「まず最初に、私たちのパーティーでは皆様に今現在の・・あなたたちの現実を直視していただくことから始めます」


女性司会者は一同を見渡して、さらに話をつづける。


「ここに集まった皆様は、30代以上の独身男女各20名です。アンケートによると皆様全員が過去に異性との交際経験がありません」


そうなのか?それは聞いていなかった。


「30代といっても、皆さま35歳以上、50代の方もおられます。過去に一度も異性との交際経験が無くても、30代前半のうちはまだのんびりしている方が多いのです。いつか運命の出会いがあるだろうと夢見ているんですね」


まるで俺のことを言い当てられているようで、少々不快感があった。


「40代で独身の場合、結婚できる確率はどれほどかご存知ですか?男女とも1%以下なんですよ。のんびり運命の出会いを待っていても無駄です。一般的な婚活も無駄。ここがあなたたちの最後の希望であることを肝に銘じてください」


俺は周りの男たちを見回した。

確かに生涯女に縁の無さそうなキモいおっさんばかりである。

どう見てもこの中では俺がいちばんマシだ。


たしかに俺も過去、彼女が出来たことはなかったが、女と喋れないわけではないし会社の後輩女子社員にも慕われている。

単に運が無かっただけだ。こいつらと一緒にされたくはない。


「はい、ここで自分は他の人とは違うと思った人。それ錯覚ですから。私から見ればここに居る人全員同じです。違うのなら今まで異性との交際がゼロであるわけがありません」


まるで女性司会者に心を読まれているみたいで、なんだか腹が立ってきた。





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