プロローグ
ヘクトス王国、2000年前の二人の救世主の一人、大英雄ヘクトスが建国し、いまだに繁栄を続ける大国。
人族が治める国としてはもっとも大きいこの国は、複数のダンジョンを抱え、ダンジョンから取れる資源で国益をまかなっている。
このヘクトス王国のとある都市から、ある物語が始まる。
ダンジョン都市イフリム、都市の中央の地下にはダンジョンがあり、そこから取れる魔物の素材と鉱石が、都市を潤し冒険者を惹き付ける。
多くの冒険者が夢を持ちながら挑み、ある者は成功を収め、ある者は挫折するか夢半ばで命を落とす。
そんな光と闇、両方を併せ持つこの都市のとある一角に、その男は居た。
「さて、今日の報酬も受けとったし分ちゃん今から癒されに行くらね~ へへっ」
ギルド前で幸せを想像し、たるんだ笑顔を浮かべるこの男が今回の物語の主人公である。
名前はアルヴィン、町の冒険者仲間からは、盾しか出来ない奴と影口を叩かれながらも、挫けずひた向きに努力し続ける。
彼は後に護聖と呼ばれ、英雄として後世に語り継がれる、その物語である。
「あっ、リーザちゃんもいいね~ぐふふ」
…ほんとに呼ばれんのか?