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天翼王国銀河戦記  作者: ニコライ
第3章

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第13話

 

 新王国歴7267年11月31日




「こっちだっけ?」

「そうですね。この先のクレバスを飛び越えるようですよ」

「それなら、こっちに行くのも面白そうね」

「そっちには崖がある。登山では必要以上に飛ばないぞ」

「……ルール、かな?」

「はいはい。ならそのまま行くわ」

「先生、今回は普通の登山路で行きますか?」

「そうだな、そうするか」

「分かりました」


 王都から西に数千kmの位置にある、1万m超えの山々が連なった山脈。その中の1つ、シュルトヘインズ最高峰の8合目付近に俺達6人はいる。


「それにしても、晴れててよかったな」

「はい。吹雪では大変です」

「……歩きにくい、から」

「それだけですけどね」

「本気を出すと雪崩を起こしちゃうもの。手加減が大変よ」

「リーリアお姉ちゃん、それ極端……あ」

「……レイちゃん?」

「向こうに強襲揚陸艦(ミルガレス級)がいるよ。何やってるのかな?」

「どこだ?……本当だな。120kmくらいか」

「静止しているので、観艦か何かでしょうか?」

「その通りです。街のイベントの1つとして、陸海軍が合同で展覧会のようなものを行なっているようです」


 で、何で登山をしているかというと、ノリと勢いだ。

 リーリアと一緒に休暇を取れたから、この山の麓にある別荘へ来たんだが……レイが強く主張したからこうなった。


「お兄ちゃん、何か言った?」

「いや。それより、どうしてここに登りたかったんだ?」

「え?何となく?」

「おいおい……まあいいか」


 とはいえ、高度1万mでも飛べる王国民(俺達)にとって、登山というのは縛りプレイ程度の意味しかない。

 風やら吹雪やらが少し邪魔だが、それだけだ。


「精が出るな」

「はは、今日は少し風が強い……シュ、シュルトハイン元帥⁉」

「ええ⁉」

「嘘?マジ?」

「そんなに驚くな。休暇で来ただけだ。それで、ここにはよく来るのか?」

「は、はい。週に1度は登っています」

「それは凄い」

「よくやるわね」

「一応、趣味でして……」

「そうか、邪魔して悪かったな」


 だが、だからこそなのかもしれない。彼らのように、登山を好む者は多くいる。

 俺達の別荘の周囲は無人だが、少し離れた場所には街があり、そこが大抵の人の登山路入り口だ。

 観光専用でビルは無く住民も少ないが、風情が壊れないと高評価だったりする。


「少し風が強くなってきましたね」

「……吹雪く?」

「大丈夫だと思うわ。少なくとも、頂上に着くまでは持つわよ」

「そうだと思います」

「でも、急いだ方が良いよね?」

「まあ、あまり遅れるとマズいだろうな」


 まあそんな感じでもう1時間ほど歩き続け、山頂に到着した。

 天然物の第3惑星(シュルトヘインズ)最高峰といっても慣れた高度、一般人でも体力に自信があればたどり着ける程度の場所。あるのは軽い達成感くらいだ。


「ふう、気持ちいいわね」

「雲が無いからな。風もちょうどいい」

「雪はありますけど、少なくてよかったですね」

「雪が多いのは中腹です。山頂付近はあまり降りません」

「そうなのですか?」

「はい」

「……そうだそうです、姫様」

「それに、雪の部分は飛んだしな。面倒なのと、素人が暴れて雪崩を起こすのはマズい」

「お兄ちゃん、そろそろ降りる?」

「まあ、そうだな。ここで待つ必要は無いし。で、風と登山路を考えると……」

「やっほー!」

「まったく……お前達はゆっくり来ればいい。レイは俺が捕まえる」


 勝手に飛んでいくなよ……

 俺はレイを追って翼を広げ、山肌に沿って一気に降下する。重力を利用し、一気に速度を上げた。だが、これでもレイに追いつくには足りない。加速するか。


「おいこらレイ!」

「なーに?」

「勝手に飛ぶな。というか速すぎるぞ」

「えー、そうかな?」

「せめて俺の誘導に従え!」

「だいじょーぶ!」


 そんなこと言って……いや、ちゃんと考えられたルートだな。

 計算したんだったら勝手に行くなよ……


「お兄ちゃん?」


 そしてわざわざ横に並んで、心配そうに顔を覗くな。誰のせいだと思ってる。


「わたし?」

「そうだ……って、心を読むな」

「だってー」

「はぁ……このまま行くのか?」

「うん」

「リーリア達を心配させるぞ」

「そこはお兄ちゃんよろしく!」

「おいおい……」


 流石にそれはやめろ。


「レイ、それは無理だぞ」

「そうかな?」

「それに、多分罰もある。具体的に言うと、レイの食事だけ肉抜きとかだな」

「……お兄ちゃん、戻っていい?」

「むしろ戻れ。いや、4人とも降りてきてるから合流するぞ」

「はーい」


 今、俺とレイがいる場所は山頂から1000mほどの地点で、リーリア達4人はまだ300m程度。すぐに合流するには少し昇る必要がある。

 運良く上昇気流を見つけたため、苦労はなかったが。


「レイちゃん、おかえりなさい」

「……ガイル、お疲れ様」

「ただいま、メルナお姉ちゃん」

「そんなに疲れてはない。レイも本気じゃなかったからな」

「でも貴方、心理的には疲れたでしょ?」

「まあな」

「お兄ちゃん?」

「事実だ」

「事実です」

「ポーラお姉ちゃんも……」

「自分がやったことを考えなさい?」

「はーい……」


 まあ反省していることだし、これくらいにしてやろう。危険と安全のラインは分かっていたから、注意することは少ない。

 それよりも……いつもより混んでるか?


「先生、一般人が少し多いようです。安全を考えるのでしたら……」

「分かった。それなら、このままゆっくり降りるぞ。レイ」

「もうやらないよ」

「ならよし。降下角度を少し下げるぞ。このままだと別荘を飛び越える」

「……分かった」

「ええ」


 風を読み、気流を読み、翼を操り自在に飛ぶ。王国人なら誰でもできることだが、人によって練度はバラバラだ。

 翼をはためかせる者もいれば、風を掴まえて滑空する者もいれば、両方を組み合わせて自由自在に飛ぶ者もいる。

 そして、特に上手いやつは……


「あれ?」

「レーサーの連中か?流石に速い」

「……真似できない」

「無理矢理風を掴まえることはできるけど、風を読むのは得意じゃないもの」

第3惑星(シュルトヘインズ)を取り戻すまで、自然の中は飛べませんでしたからね」

「人工の風で練習はできましたが……」

「俺達も2500年のブランクがあったからな……」


 今の連中のように、自由落下とほとんど変わらないような猛スピードで飛び降りる。

 多分、ハイキッドレースの選手か何かだろうな。レースがあるとは聞いてないから、練習なんだろう。

 いや、人が多いから、個別のイベントか何かかもしれないな。流石にそこまでは把握できない。


「まあ、真似をする必要はない。俺達は俺達のペースで飛ぶぞ」

「そうですね。その方が楽しいですから」

「うん。でも……またやってみたいかな」

「レイは上手な方だけど、あのレベルにはなってないわよ」

「それでも良いもん。楽しみたいだけだから」

「それなら……メルナ、別荘の近くまで行ったら自由行動にしないか?」

「本当?」

「ガイル、レイちゃんのためですよね?」

「その通りだ。あの辺りなら人も少ない。問題はないはずだ」

「やった!」

「仕方ないわね……ポーラ?」

「大丈夫なようです。少なくとも1km圏内に人はいません」

「それなら、決定だな。レイ」

「お兄ちゃん、ありがと!」

「気にするな」


 さて、レイの相手もしないとな。











 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











「大騒ぎだったわね」

「許可を出したこと、今は少し後悔してるな」

「今さらよ、まったく。カッコつけようとするからね」

「何だ、悪いか?」

「悪くはないわ。ただ、私にもしてほしいだけよ」

「分かった。また別の方でも埋め合わせはする。それで……」


 レイのテンションがマックスになり、空中で激しく鬼ごっこをする羽目になった後。他の4人が風呂に入っている間に、俺とリーリアは少し話をしていた。

 ここは別荘だが、休んでばかりもいられないからな。


「無人艦隊の訓練、そっちはどんな感じだ?」

「今のところ、予定の7割を消化したわ。貴方の方は?」

「同じだ。練度に関しては問題ない」

「1つ多いのによくやるわね」

「割と苦労してるぞ。リーリアに精鋭を譲ってもらわなかったら、上手くいかなかったかもしれない。ありがとな」

「貴方のためじゃなくて、国のためよ。貴方なら心配する必要はないわ」

「うわ、酷い言い方だな」

「酷くないわ。これは信頼よ」


 確かに、俺の実力を1番よく知っていて、1番信頼してるのはリーリアだからな。逆もそうだ。

 幼馴染としてだけじゃなく戦友としても、リーリアのことはよく分かっている。


「ったく。それで、戦術は?」

「私の方が聞きたいわ。貴方の方が多いでしょ?」

「そんなに変わらないと思うぞ?」

「ひい、ふう、みい……私より3つ多いわね」

「リーリアが考えたもののうち、2つは俺の中に無いんじゃないか?」

「残念、3つよ」

「外れたか」

「そんなものでしょ。それで、違う6つは……」

「9だ。自分の分を忘れるな」

「ああそうね。それで?」

「些細な違いだろうが、比較はいるよな?」

「分かったわ」


 そういうわけで、俺とリーリアは互いの案を見比べた。


「なるほど」

「そういうことね」

「大まかな方向性は同じ、細かな点の違いだけか」

「予想通りすぎて面白くないわ」

「そう言うな。俺達で9割方探し出したようなものなんだぞ。だが……」

「貴方?」

「ん?ああ……どこまで自由に動かせるか、少し心配になった。今までは手足みたいに動いてただろ?」

「そういうこと。それなら、また手足にすればいいのよ」

「簡単に言ってくれる。だけど、その通りだ。動かしてる連中と同じように、俺達も慣れないといけない」

「今までのシミュレーターAIより性能は高いから、補正はしやすいでしょ?」

「演算力のゴリ押しだからな。まだ動きが早い方とはいえ……あの中見たか?」

「居住区画の半分近くがコンピューター関連で埋まってたわね……」


 要塞艦は訓練で忙しかったりもするが、駆逐艦や戦艦なら暇を作って見ることができた。

 そして、中身の改変ぶりに驚いた。


「よくもまああんな風にできたわね。でも、遅いのとは少し違うと思うけど?」

「コンピューターそのものはそんなに大きくないけどな。拡張性ギリギリらしい。まあ確かに、判断そのものは早いか……となると、違和感は追従性の問題か?」

「多分ね。それと、目標設定がまだ甘い感じはあるわ」

「そう言われてみればそうだな。ありがとう」

「どういたしまして。それで、どうするの?」

「流石に、これ以上の改造を頼むのは難しいな。ハードもソフトも、これ以上は根本的に技術が足りないと言ってた。戦力的には今のままでも十分だから……やっぱり、俺が慣れるしかないか」


 動かさないといけないパイロット達よりは楽、そう考えるとしよう。

 むしろ、そうしないと解決できないか。言われないと原因に気づかないなんて、俺もまだまだだな。


「戦術そのものはこれで良いとして、あとは帝国軍の規模か。数が多いと効きにくいのも多いからな」

「連邦がどれだけ吸引するかにもよるわね。偵察はバレないようにするつもりだけど……」

「絶対はない。それで、正面から戦う時は定石で、ここぞという時に奇策……今と変わらないか」

「それはそうよ」


 俺の、俺達の基本だからな。正面から相手取れるようになっただけマシか。

 と、そんな風に2人で話をしていた時、風呂から出たレイがシュミルに平面映像を投影させた状態で走ってきた。


「お兄ちゃん、これ見て!」

「ん?……っておい!」


 何でレイがこれを知ってるんだよ……


『では閣下は、帝国へ徹底的な打撃を与えるべきだとお考えなのですか?』

『そうだ。我が王国の平和と安定のためには、帝国に武力で打ち勝つ必要がある。滅ぼせるかは分からないが、最低でも1000年は行動できないような打撃を与えるべきだろう。幸い、支持してくれる者も多い』

『確かに、閣下を支持する国民は多くおります。ですが閣下を支持しても、閣下のお考えに異を唱える方々も多くおりますが』

『そうなのか?具体的に誰か教えてくれないか?』

『例えば陸軍第3軍団軍団長のネイリア-アルファス元帥、海軍第7統合艦隊指揮官のイリム-テクノルディ元帥などは帝国の現勢力を打破した後、王国のシンパ勢力に政権を握らせるべきだという意見を述べています。またマルエ-トールラン=ファランドシア軍務局大臣や王国飛翔党のオズマ-マルティリス王国議会議員などは帝国を分割し、連邦との対立構造を維持するべきだと主張しています』

『なるほど……なら後日、彼らと話してみよう。彼らの意見によっては、戦略を変える必要があるかもしれない』

『閣下がお考えを変えるとは意外ですが……』

『そうか?より合理的な手法を取ることが、一層王国のためになる。俺達の目的はあくまでも、王国を守ることだ。帝国打倒はそのための手段でしかない』


 これは対帝国討論会みたいな番組で、この収録では俺がゲストとして出演している。そしてこんな感じで俺の、というか戦略艦隊の意見を述べてきた。

 半分くらいは出演者が好き勝手言ってただったけどな。

 なお、レイは髪を濡らしたまま走ってきたことをリーリアに怒られ、大人しく乾かされている。


「この間収録したテレビ……俺は教えてないよな?」

「お父さんが教えてくれたよ」

「父さん……戻ったら1発殴るか」

「それだとおじさんが可哀想よ。レイが可愛いだけなんだから」

「よし、2発殴る」

「お兄ちゃん……ま、いっか」

「ちょっとレイ、止めなさいよ」

「だって最近お父さん寄りばっかりだったもん。それにさっきのワガママも聞いてもらったから、お兄ちゃん側にならないとダメでしょ?」

「レイ……いつの間にか腹黒くなったのね……」

「ああ、義兄(あに)としてはとても残念だ」

「え?お兄ちゃん?リーリアお姉ちゃん?」


 本当に、面白いくらい引っかかってくれるよな、レイは。

 俺もリーリアも笑いを隠すのが大変だ。


『閣下にお聞きしたいんですけど、連邦についてはどんな感じで考えてるんですか?』

『連邦か?アレは利用できる中立勢力程度の認識だ。間違っても味方ではない』

『およ、予想以上に過激な答えなんですね』

『あんな連中を信用するくらいなら、犯罪者を動員した方がマシだ。連邦内部ですら散々対立してるような連中だぞ?』

『ああ、アレですか……それなら確かに』


 そんな間にも、テレビの話は続いてる。こんな感じで他の出演者が急に質問をしてくることも多かった。テレビとしては異例らしいが、俺としてはこっちの方が慣れてるんだよな。

 ちなみに、連邦に関する情報は向こうが提示したものだけじゃなく、王国が独自に収集したものも公開している。流石に洗脳した連中については出さないが、軍事情報以外の大半がリールウェブを流れていた。


「と、冗談はこれくらいにして、貴方?」

「ん?」

「テレビでさっき話をするって言ってたけど、もう終わったの?」

「前2人はな。まあ、あいつらの認識が甘かったから、徹底的に証拠を提示して叩きのめしてきた」

「どういう風に?」

「例の協力者からの情報だ。帝国の連中、ゲームか何かみたいに制圧した星の数で争っているらしい。それに帝国人の教育だと、自分達はこの世で最も優秀な種族だから他の種族を奴隷にする権利がある、とか教えてるらしいぞ」

「うわぁ……」

「それは引くわね……」

「まったくだ。王国人(俺達)が1番優秀とは言わないが、奴隷が必要な連中よりは優れてる」


 人をサポートできるレベルのAIすら無いってことになるからな。


「別の意味かもしれないわよ?まあ、建艦技術は確実に上回ってるけど」

「その事実を突きつけて、アレは撤回させた。素直で助かったな」

「王国を守るには、帝国を滅ぼすしかない。それが生体義鎧(私達)の決定だもの。当然ね」

「あいつらも悪気があったわけじゃないからな。どうにか被害を減らそうと考えた結果だ。そこは賞賛する」

「そっか。じゃあ、もう1つの方は?」

「詳しくは聞いてないが、悪くはないと思う。今帝国が持つ戦力の全てを叩いて、その上で互いにいがみ合わせるなら、こっちへ来る可能性はより低くなる」

「勝手に潰しあってくれるならその方が楽でいいわ。それができるなら、だけど」

「連邦次第だな。できれば、こっちの連中を大きく動かすことは避けたい」


 俺達のは手法が独特なため、連邦や帝国の諜報部隊にはバレてないらしい。

 正確には怪しまれてはいるようだが、確証を得られないそうだ。情報は脳内チップでやり取りしてるからな。怪しまれるような行動をさせる必要がない。

 そして、怪しんだ奴も協力者にしてしまえば、捜査の手はそこで途絶える。


「ええ。アレ(・・)はあくまでも情報収集の手段でしかないからね」

「使い潰してもいいが、再構築が面倒だ。警戒されてる中でやるとなると、どれだけ時間がかかるか……」


 だがそれも手段がバレていないからこそ。バレてしまえば、対策も取られる。

 せっかく巨大化させる予定の情報網だ。効率的に使わないともったいない。


「悪役ですね」

「……悪役」

「悪役だと思います」

「うおっ!?」


 と、いつの間にか後ろにメルナ、シェーン、ポーラがいた。

 声をかけられるまでまったく気づかなかったぞ……


「完全に悪役の顔をしていましたよ、ガイル」

「何か悪巧みをしているようでした」

「……世界征服?」

「何でそんな面倒なことをしないといけない」


 風呂上がりの3人だが、髪はレイと違ってしっかり乾かされている。

 レイ、お前どれだけ急いだんだ……


「はいレイ、終わったわよ」

「ありがと、リーリアお姉ちゃん」

「でも、途中で出てくるのはダメね。例えガイルをからかう機会だとしてもよ」

「はーい」

「おい、何勝手なことを言ってんだ」

「本当のことよ?」

「いやそうだとしてもな……」

「相変わらずですね」

「……ずっと同じ」

「先生は昔から変わっていません」

「いっつもだよね」

「お前達もか!」


 この後しばらく、俺はからかわれ続けた。いや、悪くはないけどな?ただ……












・ハイキッドレース

王国人が生身で行うレース。

 山の頂上やビルの屋上などから飛び立ち、目標地点に到着するまでのタイムを競う。

 ルールが簡単で、用意するものもほとんど無いため、王国人なら誰しも1度はやったことがある。というか中等学校や高等学校の授業の一環してやることが多い(マラソン的な扱い)。

 ただし、トップレベルのレースは凄まじく、反応速度の極限に挑んでいるとも例えられる。

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