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天翼王国銀河戦記  作者: ニコライ
第3章

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第3話

 

 新王国歴7267年8月30日




「メルナ、シェーン、アレは終わったか?」

「はい。ちゃんと終わらせておきましたよ」

「……やってある」

「貴方、そろそろマズいわよ」

「分かってる。ポーラ」

「大丈夫です。全て出来ています」

「お兄ちゃん、セット終わったよ」

「ありがとな、レイ。じゃあ行くか」


 そうして軍服姿の6人全員が乗り込み、オードフィランシェは出発する。

 野暮用で予定より遅くなったが、まだ許容範囲内だ。


「……ガイル、いる?」

「チップスか。上手くできてるな」

「……自信作」

「その通りらしい。美味いぞ」

「あ、シェーンお姉ちゃん、わたしも!」

「私も欲しいわね」

「……いいよ。姫様は?」

「貰いましょうか。ポーラはどうしますか?」

「いただきます」


 まだ大気圏内を航行中のため、気分は特に軽い。事故が起きても飛んで戻れるからな。

 まあ、生体義鎧なら宇宙だろうと問題ないんだが。帰れるかどうかは置いといて。


「ポーラ、スケジュールはこれで合ってるか?」

「ええと、少し違います。修正されたものがこちらです」

「助かる。リーリア、こうなったらしい」

「へえ、こうするのね……」

「リーリア?」

「何でもないわ。それより貴方、楽しみ?」

「まあ、一応は。ただまあ……」


 今日向かう先は軍事施設ではなくとあるコロニー、そのコロニーを丸ごと1つ利用した軍事系アミューズメントパークだ。そこのオープン式典の来賓に呼ばれていた。ちなみに父さんからの命令もあったりする。

 何でこんなことに駆り出されているかというと、軍の技官達、というか第1戦略艦隊(ラグニル以外)の技官も何人か関わっているからだ。

 そして、他にヒマな上層部がいなかったらしい。


「わざわざ俺達が出なきゃならないこととも思えないけどな」

「そう言わない方が良いですよ。むしろ気を遣っていただいたようなものでしょうから」

「休暇なんだから楽しめば良いのよ。軍が代わりに特等券を取ってくれたみたいなものなんだから」

「それでもなぁ……それに、父さんも何か企んでそうなんだが」

「お兄ちゃん、お父さんをそんなに悪く言っちゃダメだよ?」

「分かった分かった。それで今日は……少なめか?」

「現在周囲にオードフィランシェは1万8621機、普段通りです」

「……少し距離はあるけど」

「ああ、なるほど」


 そのコロニーがあるのは第3惑星第2衛星(ゼーレアイズ)のラグランジュ2、その近くにあるアルデベルラ・コロニー群だ。

 ワープゲートをくぐれば、目的地まであと少し。


「うおっ⁉︎」

「……派手」

「よくもまあこんなのを作ったわね」

「でも、こういうのも良いんじゃないかな?」

「そうかもしれませんね」

「子どもは喜ぶと思います」


 ただその目的地は外壁に非常にカラフルな装飾が施されていた。ここまで派手なのも珍しい。そしてその隣で20km程の艦体を晒す|ハンデレンティス級要塞艦《コロニー最終点検中の》を横目に見つつ、俺達のオードフィランシェはコロニーの宇宙港へ入る。

 で、まあ、仰々しい迎えもいたりしたのだが……取り敢えず待機部屋に着いた。


「それでは元帥閣下方々、こちらで少しお待ちください」

「分かった」

「お兄ちゃん!こっちにお菓子があるよ!」

「レイ、そんなにはしゃぐな」

「……声が……あれ?」

「どうしましたか、シェーン?」

「……これ、説明書?」

「本当ね。簡単な仕様だけみたいだけど」

「これによると……予想とは違うか」


 大型コンピューターと大型媒体による高性能化したリオルゲームだと思っていたんだが、どうやら少し違うようだ。

 それなら斥力発生装置を使う必要はない。


「詳しく載ってないのは……まだ秘密ってことかしら?」

「そうかもしれません。ここの紹介ページにも詳細はありませんでした」

「みんなをビックリさせたいんじゃないかな?本当にどこにもなかったもん」

「徹底しているんですね」

「気持ちは分からなくもないが、何でここまでやるんだか……」


 それでいて人を集められる広告を出しているんだから、広報担当は相当なものだな。

 そういう人材を集められる場所なら、予想と違うとはいえかなり期待できる。


「失礼します。シュルトハイン元帥閣下以外の方々はこちらへお越しいただけますでしょうか」

「分かりました。それでは先生」

「ここは少しお任せしますね」

「……ん」

「じゃあ、私達は行ってくるわ」

「お兄ちゃん、また後でね」

「分かった。行ってこい」


 確か、衣装合わせとかだったはずだ。イベント時でも軍服のままなのは俺だけらしい。


「お待たせいたしました、シュルトハイン元帥閣下。打ち合わせを始めてもよろしいでしょうか?」

「ああ、構わない」

「ありがとうございます」


 また俺の方にも担当者が来て、イベントでの打ち合わせをした。

 そして開始時間。


「レディース、アーンド、ジェントルマーン!集まってくれて感謝感激アメあられー!司会はスナッチーズ3人娘の1人、リンネがお送りしますー!!」


 彼女は3人組アイドルグループの1人、女優や声優としても結構有名な人物だ。確か10年くらい、アイドル業界で1,2位の立場にいる。

 だから人気も相当……彼女を見るために来た連中もいそうだな。歓声を聞いた感じだと。


「そしてー!今日のイベントのお客様はー……ガイル-シュルトハイン元帥ですー!」

「今日はよろしく頼む」


 だが俺が舞台袖から出て挨拶をすると、より大きな歓声と驚きの声が上がった。

 ちゃんとサプライズになってたらしい。


「みんな驚いてますねー。まーとりあえず、お久しぶりですー」

「久しぶりだな。3年前だったか?」

「はいー、あの時はお世話になりましたー。それでー元帥、このアミューズメントパークについてどう思いますかー?」

「良いんじゃないか?派手だが、堅実な装飾をしている。これなら期待できそうだ……とはいえ、俺もまだどんなのをやるのか知らないんだけどな」

「あははー、それもまたここの良い所ですよー?」

「というか、未だに名前すら知らないぞ?」

「そこも秘密ですからー。それで、ちなみにー……」


 このタイミングで上のデカい平面映像に映し出されたのは、古いタイプのパイロットスーツに似た服装の女性達……って、


「閣下のお連れの方々にはー……一足早く体験していただきますー」

『貴方、先にやるわね』

「おいこらリーリアずるいぞ!」

『ごめんなさいね、ガイル』

『……こういうこと』

『先に楽しんじゃうね!』

「あの思わせぶりな顔はそういうことか……」

『口止めされていたので……』

「ドッキリだーいせーこー!!」


 あいつら……いや、主催者等々も含めてか。というか発端はそっちだな?

 なおこのセリフの後、リンネは自分の相方に話をしていた。


「じゃあ、ニーネちゃん、シェリィちゃん、そっちはよろしくー!」

『はいはーい!リンネちゃんもそっちよろしくぅ!』

『分かりました。シュルトハイン閣下、失礼いたします』

「……分かった。あいつらのことも頼む」


 そこで通信は切れ、元のカラフルだが少し味気ない画像に戻る。


「まったく……」

「大丈夫ですかー?」

「少し落ち込むんだが……大丈夫だ。それで、あいつらがやるのはどんなものなんだ?」

「基本原理はー、初期のリオルゲームとおんなじ感じみたいですよー。全然知らないんですけどねー」

「いや、ちゃんと予習しておけ」

「あ、閣下はその時を知ってるんでしたっけー?」

「俺の生まれる何年前だと思ってる」


 初期型だと1000年単位で昔だぞ。


「ま、冗談なんですけどねー。でも昔のと違ってー、色々と手を加えたみたいですよー」

「色々と、の部分に斥力発生装置が入ってるのか?」

「あ、それ言っちゃいますー?」

「ダメだったのか?」

「いえいえー、大丈夫ですよー。あ、どうやらー、メルナ殿下やメティスレイン閣下の準備が終わったみたいですよー」

『あ。お兄ちゃん、元気?』

「いや、さっき通信を繋いだばっかりだろ」

『だってー』

『……レイちゃん』

『リンネちゃん、こっちはバッチグゥ!』

「はーい、ニーネちゃんもお願ーい」

『ちょっとリンネ、ニーネ……』

『大変そうですが頑張ってください、シェリィさん』

『あ、ありがとうございます』

「ポーラも頼む」

『はい。任せてください』

『何よ、私が信用ならないって言うの?』

「いや。ただ、暴走することもあるってだけだ」

『同じよ』

「あのー。歓談中に悪いんですけどー、いっきまっすよー?」

「ああ、頼む」

『そうね、お願いするわ』


 合図は彼女がやることに決まっている。

 まあ、リーリア達の周囲にある画面はまだ真っ黒だが……


「3、2、せーの、スタートー!」


 その瞬間、カラフルなオープニングが始まった。レーザー光や立体映像などが飛び交い、観客は大はしゃぎだ。

 またリーリア達の方でも始まっている。向こうはこっちと違い、派手さは少し抑えられているようだ。円や楕円のブロックが積み重なったようなビルが立ち並ぶ朝焼けの空を飛んでいた。


「このゲームはですねー、球状のコックピットの中に乗り込んで機動兵器を動かすみたいですー。それでー、斥力発生装置で慣性を再現するみたいですよー」

「なるほど、だからあるわけか。だが、一般人と俺達生体義鎧だと限界が違うぞ?ゲームで本気になる奴がいないとは言い切れない」

「そーゆーのも考えられてるみたいですねー」


 そして僚機の姿が映され……って、人型機動兵器?

 帝国軍なんかのゴツいブサイクな機体ではなく、今の可変機を元にしたようなデザインだが……どうやら可変機構は無いようだ。珍しいな。


『あ、何かあるね』

『少し押されているみたいですね』

『これこれぇ!来たんだよぉ、シェリィちゃん!』

『ん……少し苦しい、かも』

『……大丈夫?』

『呼吸が浅いみたいですね。深呼吸をしてください』

『は、はい!』

「大丈夫なのか?」

「大昔のアトラクションと違ってー、軽く押された程度しか感じないみたいですよー。シェリィちゃんは緊張とかですねー。もちろん、軍人の人とかの方が強いみたいですけどー」

「なるほど。それならバランスも取りやすいな」

「ええとー、もっと激しく動かした時は強くなるけどー、体に影響が出たりはしない、そうですよー」

「伝聞か?」

「伝聞ですー」

「そうだろうな。それで、この時間に色々と説明するんじゃないのか?」

「そうですねー。まず世界観はー、だいたい第5次世界大戦が終わったくらいですよー。色々と違いますけどー」

「あの時代に人型機動兵器は効率が悪すぎる。改変が妥当だ」

「急に真面目になりましたねー」

「それより、何か急かされてるぞ。やることがあるんじゃないか?」

「ええーと……あー、忘れてましたー。コホン」


 すると彼女は若干目を細めつつ口元を引き締め、雰囲気をガラリと変える。


「ようやく平和が訪れた世界。だがそれは巨悪による偽りの平和、裏では様々な悲劇が生み出されていた。だがそれに抗う者達が存在する。悲劇を打ち倒し、真の平和を勝ち取るため……さあ、立ち上がれ勇者達よ!己が手に勝利と栄光をその手に掴み取れ!」


 そして現れたのはまるで別人だった。

 ここまでできるとは凄まじい……いや、確か似たようなキャラの声優もやってたか。それでも凄いな。


「おお、上手いな。雰囲気も全然違う」

「女優もー、声優もー、どっちもやってますからー。元帥もどうですかー?」

「いや俺は……って何だこのカンペは。最初からやらせる気だったな?」

「かもしれませんねー」


 それだとまあ、やるしかないか……


「まったく……ふはは、脆い、脆いわ!我に歯向かうことが何をもたらすのか、存分に思い知るがいい!」

「おおー。元帥、声優やれますよー」

「おい、何で俺が悪の親玉みたいな役をやってるんだ?」

「さあー?」


 しかも俺が言うタイミングで会場(こっち)ゲーム媒体(向こう)もおどろおどろしい雰囲気の映像に切り替わっていた。


『なかなか似合ってたわよ、貴方』

「冷やかしはやめろ。それより、そっちも始まるんじゃないか?」

『ええ、もうチュートリアルも終盤ですね』

『レバーとペダルってのは違和感があるけど、面白いよ』

「脳波は入ってるのか?」

『……少しは』

『割合は少ないですが、ゼロではありません』

「なるほど。レバーとペダルってことは、決まった動きなのか?」

「いえー、凄く頑張ったみたいですよー。色々ありますからー」

「なるほど、こんな感じか……少しくらいは事前に教えてくれてもよかっただろ」


 映像の向こうではリーリアとレイを中心に、5人とも好きに空を舞っている。操作法が違うとはいえ根本は機動兵器に近いんだろう、綺麗な舞だ。

 ただこうなると、あのアイドル2人が可哀想になる。多少ゲームには慣れているようだが、あいつらについていけるレベルではない。


「こっちの方が面白いんですよー」

「まったく。いやそれより、相方が蹂躙されてるぞ?」

「あれー?」

『うわわぁっ⁉』

『速すぎ、ですっ!』


 トップスピードで飛び回る2機と、そこまでは出さないもののビルの合間を飛び交う3機。

 それと比べるとあまりにも動きが鈍く見えてしまう。いや、実際鈍いんだが、始めたばかりとしてはマシな方なんだろう。


「はぁ……メルナ、シェーン、サポートしてやれ。ポーラはリーリアとレイを抑えろ」

『良いですよ』

『……分かった』

『すみません先生、無理です』

「まあ確かに……リーリア、レイ」

『ごめんお兄ちゃん、無理。楽しいんだもん』

『そうね。メルナ達はついてこれてるんだから、問題ないわよ』

「いや、問題大アリだ。というかリーリア?」

『こっちの方が面白いわよ?』

「ここで言うな、まったく……」


 やっぱり確信犯かこいつは。

 いやまあ確かに、歓声は増してるけどな……


「それでー、突然ですがー」

「ん?」

『え?』

『何?』


 何か嫌な予感がする。


「さあ行きましょー、スペシャルモードー!」

「スペシャルモード?」

「はいー。普通はー、事前に決めた武器しか使えないんですよー」

「まあ、そうだろうな」

「でもこれはー、その人が考えた武器を作り出せるんですー。限度はありますけどー、自由度は凄いですよー?」

「なるほど」

「本当はー、色々と条件があるんですけどねー。今回だけの特別ですー」


 ん?それってつまり……


『いいこと聞いたわね』

『うん。やっちゃう?リーリアお姉ちゃん』

『ええ』

「待てリーリア。レイもだ。流石にストーリーどころか大筋すら無視するような……」

『嫌よ。こっちの方が面白いわ』

『じゃあ、始めちゃうね』

「おいこら!」


 やっぱりこうなるか。

 ただ、観客の歓声は増えているんだよな……しかもいつの間にかPVPモードに変わってるし。


『さあ、行くわよ!』

『うわぁ⁉』


 そんな俺の思いもつゆ知らず、というか無視してるんだろうが、激戦は勝手に始まった。

 リーリアが両腕と他何ヶ所かにガトリングを造成し、撃ちまくりつつ突撃していく。

 メルナとシェーン、ポーラは離脱するが……こいつ(リンネ)の相方の片方、ニーネが穴だらけになって脱落した。


『行っくよー!』

『えっ、あっ!』


 そこへすかさずレイが飛び込み、無数のマイクロミサイルを放つ。

 3人は上手く迎撃と回避をするものの……もう1人相方、シェリィが爆発に巻き込まれて吹き飛んだ。


「……酷いことになってるな」

「大丈夫ー?」

『全然っ!無理ムリィ!』

『無理だよこれは!』

「そっかー、なら頑張ってー」

「何気に鬼畜だな、お前」

「だってー、すぐに戻るんですからー」


 確かにすぐにリスポーンしているし、盛り上げるという意味では合ってるのかもしれないが……相方としてどうなんだ?


「いいのか?それで」

『そうそ、ヒィ⁉』

「いいんですよー」

『そう言われても……うひゃあ⁉』

「また落とされたぞ?」

「腕が足りないですからー」

『悪辣ね』

『酷くないかな?』

「落としてるお前達が言うな」


 そうこうしている間にメルナとシェーンも1回ずつ落とされ、ポーラも追い詰められている。いくら訓練をしていたとはいえ、本業の相手は無理か。


「好き勝手やってるな、あいつら……」

「そうですねー」

「まったく。俺だってやってみたいってのに」

「えー、あー、いいんですかー?はいー。それではー、元帥にも乗ってもらいますー」

「お、やっとか」

「向こうにあるそうですよー。ちなみに機体はこれですー」

「……これについては知ってるのか?」

「はいー?何のことでしょー?」

「知ってるんだな。まったく」

「いってらっしゃいー」


 そして、指示通りの服装に着替えた。まあこれも予想通りというか何というか……

 しかも乗り込んで早々、カンペが出ている。


「くふふ、ふはは、あーはっはっは!!その程度で我に歯向かおうなど片腹痛い!その傲慢、我が力で打ち破ってくれるわ」

『お兄ちゃん、何やってるの?』

「おいこら、ゲームの演出に口出しするな」

『貴方、そういうことやると可哀想な人扱いされるだけよ?』

「演出だって言ってるだろ」

『ミーンを呼びましょうか』

「いや待て、何でそうなる」

『……頭、大丈夫?』

「大丈夫だ、問題ない」

『先生、そろそろ休憩にした方が……』

「ポーラ、お前もか」

『うわぁ、凄い言われよう』

『あの、大変ですね?』

「そう言われると余計に心にくるんだが……」

『ダメダメだよねー』

「お前が言うな!!」


 なんで集中砲火で叩かれるんだよ!……もういい、手加減は無しだ。

 実はこの台、生体義鎧の並列思考に対応した脳波操作装置が入れられている。だから……


「避けれるものなら避けてみろ!」


 数百門の砲を出すのも、数千発のミサイルを作るのも、同時斉射をすることだって簡単だ。


『ちょっ、やりすぎよ!』

『やめてよお兄ちゃん!』

「うるさい!少しはこっちのことも考えろ!」

『せ、先生っ⁉』

『……姫様!』

『逃げます、っ⁉』

『……ガイ、わっ!』

『ムリムリムリィ!!』

『いやー!!』

『うわー、鬼畜ー』

「仕掛け人側が言うな!」


 結果、このイベントは俺の暴走も含めて大盛況だった。

 ただまあ、やりすぎた……でも、俺を何でレイドボスにするかなあの運営どもは。












・コロニー

 王国が宇宙に築いた、人の生活拠点。というか、現在の王国国民のほとんどはコロニーに住んでいる。各居住惑星・衛星の軌道上にあり、1基あたりの平均人口は1億人。50〜100基でコロニー群を形成している。

 外周には対デブリ・宇宙線用のシールドが張られていて、中の奥には住民保護用シェルターが存在している。

 また居住用だけでなく、植物園や動物園のようなコロニー、及び全体を丸ごと娯楽施設にしたコロニーなどもある。



・ワープゲート

 ワームホールを使った王国の移動施設。常にワームホールを開き続けることで、亜空間を通して他の地点と繋がることができる。

 またこれは1対1ではなく、ワームホールを線として平面上に書けば、蜘蛛の巣や碁盤の目のように多数のワープゲートが1つのワームホール系に組み込まれている(複数の路線が繋がった地下鉄とその駅のような感じ)。

 内部での運行に関しては全てワープゲート側が行うため、艦艇が操作する必要はない。戦闘用シールドを持たない艦艇には、ワープゲートが保護シールドを張る。

 ただし、重力が一定以上の大きさの場所では安定して繋げられないため使用不可能。また、一定以下の大きさの物体は中に入ると亜空間の何処かへ飛ばされてしまう。

 シュルトバーン星系内では軌道エレベーターやコロニー群の近くに直径数km〜数十kmのものが設置されており、オードフィランシェや飛行型機動兵器などだけでなく、戦闘艦・要塞艦も利用する。

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