第16話
新王国歴7267年5月1日
「暇だね」
「暇ですね」
「まあ、何も無いからな。レーダーを見ても異常は無いし」
「設定の確認は終わりました」
「どうだった?」
「調整するところはありません。全てそのままで大丈夫でした」
「……リンクも、ちゃんとできた……大丈夫」
「ならいい」
第1戦略艦隊は第3戦略艦隊から任務を引き継いだ後、アルストバーン星系中のレーダー等を確認していた。まあ、たった2週間で問題なんて起こらないだろうが。
なお、ハーヴェとミリーアはシフトの関係で休憩中だ。
「ねえお兄ちゃん、もっと大きな演習を増やしちゃおうよ」
「レイ、休暇が終わったら毎回言ってないか?」
「だって暇なんだもん」
「……これも、毎回」
「いつも通りのやりとりですね」
「レイが我慢しないからな」
「だってー……ねえ、ちょっと外に行ったりとか、駄目?」
「おいこら、王国を危険に晒すつもりか?」
「言っただけだよ。そんなつもりはないもん」
アルストバーン星系は王国への玄関口、守護の質を落とすわけにはいかない。
というかレイ、そんな顔をしても駄目だ。
「分かってるならからかうな。反応に困るだろ」
「だって暇なんだもん」
「聞く状況によって結構意味が変わるな、それ……」
「確かに暇です」
「……行く?」
「ここは王国守護の要だ。まったく、ふざけるのもいい加減にしろ」
王国のあるシュルトバーン星系はシュリベルンクの傘に覆われ、例外箇所を除いて外へは出られないし入れない。
「分かっていますよ。敵はここからしか来れないんですから」
「……1つだけ」
「見つけるのにどれだけかかったんだっけ?」
「詳しいことは忘れたが、1000年は超えていたはずだ」
「その後も探していたようです。ですが、結局見つかりませんでした」
そして、唯一の例外であるデルミッシ回廊の終点がここ、アルストバーン星系だ。
「先生、陸軍を乗せた海軍の揚陸艦隊が通行許可を求めています」
「陸軍……となると、次のアレか」
「そのようです」
「回廊のマーカーはどうなってる?」
「問題ありません。揚陸艦隊側でも確認できているそうです」
「なら許可しろ」
つまり、デルミッシ回廊とアルストバーン星系を通らないとシュルトバーン星系へ、バーディスランド王国へ行くことはできない。
だからこそ、敵をここで排除することが必要になる。
「……ガイル」
「どうした?」
「……第5小惑星帯のレーダー、サイン出してる……エラーだって」
「分かった。この艦の工作艦1隻と技官を何人か派遣しよう。連絡してくれ」
「……了解」
「頼む。それにしても、珍しいな」
「どうやら、ハード面の急な故障のようですよ。小惑星同士の衝突の可能性もありますね」
「なるほど。軌道は変わってないか?」
「若干の変化が見られます。現在シミュレート中です」
「分かった。レーダー網に穴が開くのなら、補う場所に再設置するぞ」
「はい……大丈夫そうです。少なくとも100年は穴が開くことはありません」
「シミュレートは1000年後までやってくれ。そこまでいけば大丈夫だろう」
「分かりました」
だから王国軍はアルストバーン星系にある惑星、多くの衛星、無数の小惑星、そのほぼ全てにレーダー・ソナー等の観測機器をつけており、侵入者の迅速な探知を可能にしている。
「そういえばメルナ、国立ファトス銀河研究所が生物居住可能星分布マップの最新版を出したって聞いたんだが、回ってきてるか?」
「ええ、ありますね。これですよ」
「ありがとな。新しく登録されたのは……これだけか」
「えっと、1万2364……少ないよね?」
「全体では2386万7812だから、多いわけではないな。ただ、この中で実際に知的生命体が住んでいるのは1%かそれ以下らしいし、今まで調べられた範囲もファトス銀河内の10%程度だそうだ」
「……前も思った、けど……少ない」
「専門的な話はよく分からないんだが……王国民のような炭素と水でできた生命体の他に、ケイ素だったりメタンだったりも考察しないといけないから、そう単純な話じゃないらしい。数百から数千パターンあるとか言ってたな」
「ですが、ここに来る生命体が存在する以上、完成させてもらわなければ困ります」
「ここを守る上で、外を探索する上で、どこにいる可能性があるのか知るのは必要だからな」
そして、第1戦略艦隊の任務の1つはこの星系に侵入した敵の撃破、あるいは交渉による撤退勧告。国交を結ぶつもりなんてさらさらない。面倒だ。
まあ、帝国との戦いで足手まといになるような国と関係を持っても、邪魔なだけなのだが。
「でも、暇だよ。リーリアお姉ちゃんは楽しそうだけど」
「あいつはあいつで暇そうだぞ。大半の作業がルーチン化してるからな」
「でも、待ってるだけのわたし達よりいいじゃん」
「リーリアの話を聞く限り、そうでもなさそうなんだが……俺達は外を経験してないからな。なんとも言えないか」
と言っても、来ることはほとんどない。1年に1回あれば多い方と言える。
まれに粘着質な変態国家がいるが、それでも月に1回が数ヶ月程度だ。月3回が1年以上も続いたアレは……頭がおかしかったんだろう。
そういうわけで、第1戦略艦隊も2つを除いた他の戦略艦隊同様、暇だ。なので訓練やら演習やらが目白押し、練度を下げるわけにはいかないからな。
ただ、今日は要塞艦単位の演習だから、俺達はとことん暇だ。
「あ、そうだ、また何処かの施設に行く?天体観測所とか」
「急に行ったら慌てるだけだ。最低でも1ヶ月前って言われたじゃないか」
「うん、そうだけど……」
「シフトが終わったらまた遊んでやる。それでいいか?」
「うん!」
ちなみにアルストバーン星系には陸海軍の施設がほとんどなく、駐屯部隊も施設維持程度だ。その代わり、民間等の研究施設は多くある。特に王国だと傘のせいで外宇宙の観測ができないため、天文学者達はやたらとここに来たがっていたりする。
そしてそういった面々の護衛、及び万が一の時の捜索と救出も俺達の仕事の内だ。普段は楽な仕事なんだが……
「メルナ、確か今は何も申請されてなかったよな?」
「はい。物理学会や天文学会からも、他の学会からも何もありませんね」
「分かった。場合によっては処理が若干面倒だからな、あれ」
「……訂正もいるし」
「申請するにしても、無茶なことはやめて欲しい」
「安全管理も私達の仕事ですから。聞き入れてもらえない時もありますけれど……」
「観測機器だけつけて、安全装置が無かったこともあったよね」
「……エネルギーが足りない、からって……シールドを、解除したり……」
「小型宇宙艇で小惑星に体当たりをしたこともありました」
「無茶ばっかりだな」
そういう連中は無茶をしでかすこともあるから気が抜けない。対デブリ用のシールドしかない小型宇宙艇で恒星に近づいていこうとした時はどうしようかと思った。
恒星から出る粒子の種類と量の検出とか、無人機にやらせればいいだろうに。
「戻ったぜ」
「ハーヴェ、早くないか?」
「そうでもねえよ。つーか、打ち合わせがあるからあんまり休んでられねえんだよ」
「そういえば……」
「そういうことだ。演習もあるしなぁ」
また、こういった特殊な環境は陸海軍の絶好の訓練場所だ。シュルトバーン星系ではオードフィランシェのせいて実際に撃つには色々と手間がかかるが、ここならほぼ問題ない。
そして最終防衛線ということで、実弾だけでなく仮想演習もよく行われる。
「確か、5日後だったか?」
「おう。陸軍の連中が第3惑星で演習したいっていったからな。こっちもいいし、そのまま受けたぜ」
「そうか。それで条件は?」
「こっちはアーマーディレスト搭載機も含めた揚陸部隊全て、陸軍は15ヶ戦団が参加だ。ただし、こっちの他の艦艇は何もしないぜ。アーマーディレストと潜宙艦隊もな」
「つまり……奇襲、強襲された惑星の防衛か?艦隊は他の敵と交戦中で」
「おう。互いに、その方が得るものが多くなりそうなんでな」
「確かに。それにしても、数の上では6倍……いや、問題ないな」
「揚陸艦が使えるんだぜ?負けるはずがねえよ」
「超重戦車が出てきた場合はどうする?」
「場合によって対処法は変わるけどなぁ……制空権さえ取っときゃどうにでもなるさ」
「まあ、そうだな」
その陸軍の指揮官は第1軍団軍団長、アンリ-スタッカート=リンティアーヌ元帥。彼女はあのアウシュトレイ兄妹ほどではないが才能豊か、かつ92歳と経験豊富で、生体義鎧でも侮れる相手じゃない。
だが、ハーヴェなら大丈夫か。
「じゃあ、俺は何も関与しない。ただ、指揮はここでするのか?」
「そうだなぁ……大型揚陸艦の1隻を借りるぜ。それと、オペレーター達もな」
「旗艦があった方が良いか。分かった、手配しよう」
「オレがやればいいんじゃねえか?」
「どうせ可否は俺が決めるんだ。この方が早い」
「なら頼むぜ。ちょっと忘れてた用事を片付けて来るんでな」
この程度の仕事なら、メルナに任せる必要も無い。適当に大型揚陸艦を持ち、現在休憩中の者へ連絡を入れる。当人も参加するためか、快く引き受けてくれた。
すると、ここで緊急警報が鳴る。って、救助要請?
「ポーラ、何があった?」
「これは……第13527小惑星の天体観測所より救助要請、第5小惑星帯から飛び出した小惑星が衝突コースにあるとのことです」
「また珍しい要請だな。その小惑星のサイズは?」
「最大長152m、重量20万トン、かなり小さいですね」
「だが、小出力シールドしかない観測所には脅威だ。軽駆逐艦を3隻送ってやれ」
「了解です」
当たる場所によっては、人的被害が起こる可能性はゼロでは無い。限りなく低いとはいえ、危険は事前に取り除くに限る。
それに、観測所のある小惑星の軌道が変わるのも面倒だしな。
「派遣した軽駆逐艦より連絡、小惑星の捕縛を終了したとのことです」
「なら、元素操作装置で分解して持ってこさせろ」
「はい」
「ああそうだ。ポーラ、軌道変更の原因は分かるか?」
「どうやら、ドミノのように小さな小惑星が順番に衝突していったようです」
「その大元は何ですか?」
「お待ちください……61%の確率で、前回殲滅した敵性艦隊から発生したデブリになります。爆発の影響で早期に戦闘宙域を離脱してしまい、確保できなかった模様です」
「ちっ、死んでもまだ俺達の邪魔をするか」
「破壊したのは私達ですよ」
「分かってる。だから愚痴を言いたくなった」
「言ったじゃん」
「言葉の揚げ足を取るな」
やめろよまったく。レイって割と、無邪気にトドメを刺してくることも多いんだよな。
それが困るかって聞かれたら、否って答えるが。
「それなら、他に同様のデブリが無いか調べる必要があるな。ポーラ」
「もう始めています。数分で結果が出るかと」
「助かる。メルナ、いつでも戦闘艦を動かせるよう、ピックアップしておいてくれ」
「分かりました。任せてくださいね」
「わたしは?」
「航空部隊の役目は無いぞ。演習でも見たらどうだ?」
「だって、この規模だとわたしが言うことなんてないもん」
「……個人技だから」
「私達は生体義鎧ですから」
「まあ1人で1万機なんて、海軍からすれば反則だしな」
昔の俺達からしても反則だ。技術の進歩の結果だから仕方ないとはいえ、もっと早く出てきてくれたら……と、思わないでもない。
ただ、そんなこと言ったらレイが怒りそうだけどな。帝国を追い出すのが200年早かったら、レイとは会っていなかった可能性が高い。会っていても、関係は大きく違っただろう。
「お兄ちゃん、何か変なこと考えてたでしょ?」
「いや、そんなことは無いぞ」
「そうかな?」
「そうだ」
「そっか……わたしはどんな運命だったとしても、お兄ちゃんを大好きになってたと思うよ」
「何でそこまで分かるんだよ!」
時折、察しが良すぎて困ることはある。
いやまあ、これはレイだけじゃないんだか。
「え?だって、お兄ちゃんのことだよ?」
「さも当然のように言うな」
「当然ですよ」
「……これくらいなら、分かる」
「リーリア先生ほどではありませんが、分かります」
「そうか……」
団結されると、勝ち目は無い。
リーリアがいても、向こう側に付くからな……
「ポーラ、デブリの結果はどうなった?」
「あ、話題変えた」
「いいだろ別に。それで、どうだ?」
「デブリはいくつか確認されています。ですが、今回のように影響を及ぼすものは、他には無いようです」
「なら良かった。メルナ、リストは消しておいてくれ」
「はい」
言わなくても勝手にやってくれただろうが、俺達は軍人だ。
口に出して言った方が、後々に都合が良い場合もある。
「さてレイ、暇ならシミュレーターでも使うか?」
「でも、今使えるのってAI指揮のやつでしょ?あれ、動きが硬すぎでそんなに面白くないもん」
「そう言うだろうと思って、声をかけておいた」
「本当⁉」
「ああ。20人全員が了承してくれたぞ」
「やった!それで、ここでやる?」
「まあ、そうだな。シフト中だから、ここから動くのはマズい」
「うん!」
本当に暇だったらしい。珍しいくらいに嬉しそうな顔をしている。
そう、レイは喜んでいる。
「……わたし達は?」
「私達も暇なんですよ」
「あー……声をかけておこう」
「お願いします」
メルナ達は大丈夫だと思ってたんだが……早く選んで、連絡しないと。
「ルールはどうする?取り敢えず、人数は半分ずつで……」
「んー、ハンデで、わたしは8人で良いよ」
「良いのか?」
「うん、わたしの専門なんだもん。それに、こっちの方が練習になるから」
「分かった。なら、メンバーはそっちから選んでいいぞ」
「いいの?」
「どうせ公平になるように選ぶんだろ?」
「うん」
「なら、関係ない」
俺は機動兵器の指揮も得意だが、これはレイの方が上手い。1.5倍の戦力差があっても、安心はできない。というか、気を抜かなくても普通に負ける。
まあ数の差を貰えたし、戦場とかはレイに有利なようにしてやろう。
「んーと……」
「戦場は衛星上空、基地防衛戦で良いか?」
「え、いいの?」
「ああ。もちろん、俺が防衛側だ」
「そっか。振り分けはこんな感じでいいかな?」
「そうだな。じゃあ、連絡する」
「うん。あ、お兄ちゃん」
「ん?」
「手加減なんてしないでね?」
「当然だ」
というか、手加減なんてできない。俺の専門は艦隊戦、及び艦隊と航空部隊の連携だって知ってるだろ。
いくら経験も多いとはいえ、たった100歳程度で戦略艦隊中将に選ばれたレイに簡単に勝てるか。俺が候補に考えていた連中をごぼう抜きにした当人だろうが。
「指揮は互いに隔離した仮想空間の中で、だな。メルナ達が見れるよう、中継システムを付けるか」
「先生、それは私がやります」
「なら頼む。って、待つ必要は無いか」
「はい、終わりました」
「じゃあレイ、始めるぞ」
「うん♪」
嬉しそうだな。まあ、暇だったからこれも当然か。
そして俺達は仮想空間に入り、それぞれのチームで打ち合わせを開始する。
「よし、じゃあ頼むぞ」
『あ、ガイルさん、お願いします』
『おう、よろしく』
『戦力差1.5倍って?シュルトハインさん、誰と戦うんですか?』
『相手はレイちゃんでしょ?無様な所は見せられないねー』
「ああ。分かってるなら、ちゃんとやれよ」
『もちろん!』
『ただ、何で防衛戦を?戦力差で有利にしたのに、何でわざわざ不利な場所にしたんだ?』
『戦力差を作ったのはレイちゃんで、レイちゃんに有利なように戦場を選んだのがガイルってことでしょ?平等にしたい、みたいな』
「そうだ。悪いか?」
『義妹溺愛だからねー』
『シスコンここに極まれりってか?』
『で、義妹が彼女に?』
『小説かよ』
「うるさいぞお前ら。1000回くらい特攻してこい」
それくらい自覚してる。からかうのもいい加減にしろ。
というか、相手は違うが今日2回目だぞ。
『んーじゃ、真面目にやりますか』
「最初からやれ」
『だって面白いから』
『からかいやすいからねー』
『最初から真面目だと面白くないです』
「おいこら」
『まあ、訓練はマトモにやるからよ』
『こういうのも悪くない』
『兄妹喧嘩の代理戦争に使われてるけど』
『戦争ってほどか?』
『喧嘩としては規模大きくない?』
『というか、これ喧嘩じゃないよね?』
「ただの暇つぶしだ。まったく……」
なおこの訓練、俺の勝率は6割だった。
経験の差で何とか勝てたな……
・シュルトバーン星系
王国のある星系。シュリベルンクの傘と呼ばれる星団の中にあり、ファルトス銀河の中ではかなり閉鎖的な場所。地球から約9000光年離れている。
時刻・暦は第3惑星が基準となっており、ほぼ地球と同じ。
恒星 シュルトバーン
第1惑星 ストローゼヘインズ(岩石惑星)
第2惑星 アーリムヘインズ(岩石惑星・居住)
第3惑星 シュルトヘインズ(岩石惑星・居住)
第3惑星第1衛星 ガルトアイズ(岩石衛星・居住)
第3惑星第2衛星 ゼーレアイズ(岩石衛星・居住)
第4惑星 デュクリアヘインズ(岩石惑星・居住)
(この間に小惑星帯がある)
第5惑星 ザッカスヘインズ(巨大ガス惑星)
第5惑星第3衛星 セルトアイズ(岩石衛星・居住)
第5惑星第4衛星 ファムアイズ(岩石衛星・居住)
第6惑星 ビュリエスヘインズ(巨大ガス惑星)
第7惑星 ローエンヘインズ(巨大氷惑星)
第8惑星 アッシュラヘインズ(巨大ガス惑星)
第9惑星 ミュリオンヘインズ(巨大氷惑星)
惑星・衛星以外にもコロニーに数多くの人が住んでいる。
・アルストバーン星系
王国からデルミッシ回路を抜けた先にある星系。5つの惑星と7つの小惑星帯、さらに数万の独自軌道を取る小惑星や準惑星があるが、そのほぼ全ての軌道軸が異なる。
惑星は第1〜3が岩石惑星、第4,5がガス惑星で、各衛星も含めて微小な単細胞生物の痕跡はあるものの、多細胞生物は過去も含めて存在しない。
シュルトバーン星系へ行くには、アルストバーン星系のデルミッシ回路側半分にいないといけない。それ故最強を誇る第1戦略艦隊が守護しており、王国解放後に突破されたことは無い。
ここに陸海軍を配備する計画が出されたこともあったが、あまりに何も来ないのでシュルトバーン星系内で訓練をしていた方がマシという結論となった。代わりに惑星・衛星の全て、小惑星や彗星の多くにはレーダーやソナーなどが備えられており、侵入者の探知が可能。
・シュリベルンクの傘
恒星から3〜15光年のエリアに広がる、高重力天体を無数に含んだ高密度星間雲。この中にある中性子星やブラックホールなどの影響で、回廊以外ではシュルトバーン星系から外宇宙へ亜空間ワープやワープゲートを使うことができない。
・デルミッシ回路
シュリベルンクの傘にある抜け穴。
回廊の幅は最小で6万km、最大でも30万kmしかなく、さらに曲がりくねっているため、ここを通るには高精度な計算が必要。ただしここを管理する王国軍にはデータが大量にあり、回廊内にマーカーが相当数配備されているため、計算に時間はかからない。
また、マーカーにはレーダーやソナーも備えられているため、侵入者の探知も可能。




