第14話
新王国歴7267年4月30日
「やっ!は!」
「……今」
「ちょ、ちょっとシェーン!」
「……姫様、ごめんなさい」
「トドメ!」
「レイちゃん、油断しすぎですよ」
「あー!」
休暇も今日で終わりということで、俺達は5人全員で出かけ……ることなく、家にいた。
そして今やっているのは、ファルムゲームの1種で、多人数で同時に対戦し相手をフィールドから吹っ飛ばすというロングセラーゲームだ。
何人かで集まってファルムゲームをやる場合は、ほぼこれになるほど人気がある。二次元版もあるが、最近はこの三次元版の方が盛んだな。
なお俺は最初に集中攻撃を受けてしまい、捌ききれずに負けた。まあ、これの強さは実戦の腕とは関わりがないからいいか。
「それにしても、俺に対する集中攻撃が多すぎないか?」
『貴方、そんなに強くないのに目障りな攻撃ばっかりするもの。当然よ』
「おいこら、目障りって何だ」
『事実よ?放っておいたら場をグチャグチャにかき乱されるわね』
「酷い評価だな」
『正当な評価よ。チーム戦ならとても心強いもの』
そしてちょうど休みのリーリアと通信を繋ぎ、観戦中だ。
酷い言われようだが……昔から、誰からも同じ評価なんだよな。
「あー⁉」
「負けましたか……」
「……最後」
「行きます」
そうしている間に状況は動き、メルナとレイが脱落した。また、シェーンとポーラも残りは1ずつ。
なんだか決闘みたいになったな。
『貴方はどっちが勝つと思う?』
「どうだろうな。勝率は……シェーンが60%くらいだったはずだ」
『それなら私はポーラに賭けるわ』
「わざわざ勝率の低い方にか」
『シェーンに賭けるんじゃなかったの?』
「まあ、ここは無難に行こうと思いはしたな」
『なら良いじゃない。私の勝ちだけど』
「……あ」
「勝ちました、先生!」
「おめでとう」
2重の意味で俺は負けたが。まあ、それはポーラのせいじゃない。
「リーリア、いたんですね」
『ええ。今日は何も無いから、事務仕事が終われば暇なのよ』
「リーリアお姉ちゃん、見てた?」
『ちゃんと見てたわよ。惜しい所で負けたわね』
「うん。次は勝つよ!」
『その意気よ』
義理ですらないのに、この2人は実の姉妹のように仲が良い。
レイはリーリアに甘えることが多く、他の3人に対してよりも懐いている。そしてリーリアも、それを受け入れている。
まあ……それも当然か。
「……次は?」
「いや、次は4人でやってくれ。少しリーリアと話がある」
「……いいの?」
「ああ。少し話しておきたいことがあるからな」
「シェーンお姉ちゃん、早くやろ♪」
「……うん」
4人がコントローラーを持つのとほぼ同時に、俺は少し離れた椅子に座る。リーリアの画面もすぐそばだ。ゲームに熱中してるなら大丈夫だろう。
休みのリーリアには悪いが、優先させてもらうか。
「なあ、リーリア」
『どうしたの?』
「機密0000-0000を元にして帝国の動きを推測した場合、いつ頃に王国解放時の損害を回復させて、このファルトス銀河に戻ってくると考える?」
『分からないわね。私はおじさんほど戦略が得意じゃないもの』
「そうだよな……俺もだが、この間父さんと雑談ついでに話したことがある。総司令部でもかなり気にしてることらしい」
『……それで?』
「今の王国軍に匹敵する数を揃えるのにかかる時間は、概ね300年から750年だそうだ。戦闘艦や機動要塞の修復工程から建造時間を割り出して、数千パターンの計算をしたらしい」
『でも、流石に長すぎるわ。帝国軍はあれだけ多いんだから、生産能力も高いはず……』
「どうやら、後の方ほどシュルトバーン星系外から来る艦の数が減っているっていうデータもあるそうだ。つまり……」
『帝国の敵対勢力が巨大化したのね。帝国本土の備えも増やすなら、どうしてもこっちに来るのは遅くなる。そういうことでしょ?』
「ああ。詳細を見たわけじゃないから、詳しいことは分からないけどな」
『それだけで十分よ。必要ならおじさんに聞けばいいもの』
「総会議で聞くのもいいな」
『それは任せるわ』
「分かった。まあ多分、資料開示要求だけで終わるはずだ」
開示範囲は戦略艦隊の将官、もしくは佐官までか。陸海近衛軍の将官に開示するのもいいかもしれない。
まあ、戦略艦隊以外は有効活用しづらいだろうが。
「ただ、次も王国を狙うとは思わない。帝国本土まで帰れた艦があるかは分からないが、王国軍が強大な力を持ったことは知ったはずだ」
『でも橋頭堡を築かれれば、そこから侵攻してくる可能性は高いわね。物量で押し切られる可能性も否定できないわ』
「だからこそ、ファルトス銀河の探索が重要になる。レーダー網の整備もな」
『この間はあんなこと言ってたわよ?』
「あれが第1世代生体義鎧の公式見解だろ?秘密にしてるから、公式も何もないとはいえ」
『まあ、痕跡を探すのが最優先なのは事実ね。待ってるだけじゃ遅いもの』
「ああ。それに、帝国以外にも王国の敵となりうる存在がいないとも限らないからな」
『実際いたものね。弱かったけど』
「アレは敵じゃないだろ。ただの馬鹿だ」
『確かに』
「敵だと……帝国の敵対勢力がどうなのか分からない。敵の敵であれば利用できるんだが……」
『そうとは限らないわね。まあ、敵になるなら討つだけよ』
「面倒になるけどな」
王国軍の全力を出せば、またアルストバーン星系の特殊な地形を生かせば、数百倍の敵を相手にして勝つことは可能だ。王国軍全軍の壊滅と引き換えになるだろうが。
だから、楽な方が良いに決まってる。
「さて、そろそろ……」
『終わったみたいね。誰が勝った?』
「今度はレイみたいだ。よかったな」
「うん♪リーリアお姉ちゃん、勝ったよ」
『おめでとう。よかったわね』
「誘い込まれました。上手でしたよ、レイちゃん」
「……むう」
「シェーン、そんなに不貞腐れるな」
「仕方ありません、先生。またあと一歩でしたから」
「……ポーラ……それ嫌味?」
「いえ、そんなことはありません」
『シェーン、ガイルに慰めてもらったら?』
「……チーム戦で、同じチームになって」
「素直じゃないな。だが良いぞ。そうだリーリア、そっちにコントローラーはあるか?」
『あるわよ。ちょっと待ってね』
「リーリアお姉ちゃんもやるの?」
「ああ。1人だけ仲間はずれってのも可哀想だからな」
「いいですね。久しぶりです」
「……負けない」
コントローラーさえあれば、シュミルを同期させることで遠距離でも一緒に遊べる。
それに、これでちょうど6人だ。
「チーム分けはどうする?俺とシェーンが組むなら、こっちは残り1人だが」
「はーい!」
「いえ、私にやらせてくださいませんか?」
「いえ、先生とは私が組みます」
『じゃあ……私も』
「「「どうぞ」」」
『……やっぱりそうなるのね』
「まあ、予想はしてた」
『分かってはいたわよ?でも、こんな風に遊ばれるのは嫌ね』
「仕返しです」
「いつも遊ばれていますから」
「……逆転」
「結構楽しいね」
「だ、そうだ」
『まったく』
やり返されたな、リーリア……俺もいつかされそうだ。注意しないと。
それにしても、俺・リーリア・シェーン対メルナ・ポーラ・レイか。演習なら圧勝だろうが、このゲームだと……リーリアとの協力がどれだけ上手くできるかだな。
「さてリーリア、前は頼めるか?」
『ええ、いつも通り任せるわ』
「……どうする?」
『シェーンは……変えなくていいわよ』
「いつも使ってるキャラでいい。その方が俺達も楽だ」
「……分かった」
動きは見てたし、リーリアなら上手くやってくれるはずだ。
問題はシェーンの動きだが……何とかしよう。
「さて、やるか」
『頼むわよ』
「……お願い」
「負けませんからね」
「お兄ちゃん、負けないよ!」
「先生、勝たせていただきます」
そして、作戦の結果……
「なに、これ……?」
「ええと……どういうことでしょうか?」
「無茶苦茶です……」
「……うそ……」
「ナイスだ、リーリア」
『貴方も上手だったわ』
俺達の圧勝だった。
いやはや、予想以上に上手く嵌ったな。
「最初に俺を狙って来るのは予想できたからな。囮になって惹きつけさせてもらった」
『そこを私が攻撃すれば、まとめて倒せるわね』
「そして、それを3回繰り返せば終わりだ」
「無茶苦茶だよ!」
「簡単に言えることではないですよ」
「……前にも、あった」
「はい。先生達は難しいコンビネーションを簡単にやっています」
「俺は決め手に欠けるとはいえ、ダメージを与えつつ耐えることはできるぞ?」
『そして、その決め手は私がすればいいのよ。全然難しくないわ』
「ねえ、お兄ちゃんとリーリアお姉ちゃんが何を言ってるのか、分かる?」
「理解はできます。ですが、実行は不可能です」
「……フレンドリーファイアがあるのに……生体義鎧だから、本当にギリギリのタイミングなのに……」
「コンマゼロゼロゼロゼロの世界ですよ?簡単じゃないですから」
「難しいか?何千回と経験してるはずだぞ」
『いいえ。戦闘艦ではあまりないけど、機動兵器やパワードスーツではよくあることよ』
「光線の雨あられを紙一重で避けるなんて、誰でもやってるからな?」
まあ、メルナもシェーンもポーラも経験はほとんど無いか。
レイは多少ある程度だが、俺達の時代ほど劣勢ではなかった。仕方ないな。
「さて、何か飲み物でも入れてこよう。何が良い?」
「じゃあ、ドル」
「私もですね」
「……同じく」
「私もお願いします」
『私も作って飲むわ』
「了解、ドル4つだな」
キッチンの一角、というか一部屋クラスの広さを持つドル用のスペースへ向かう。
さて焙煎済みはいくつ……12か。量も十分、ブレンドもいけるな。
「メルナはハーミッシュ、シェーンはニントとレーヴァのブレンド、レイはカルーガドとニントとハラス、ポーラはメティリアで良いか?」
「よく分かんないから、お兄ちゃんお願い」
「……ガイルなら、大丈夫」
「了解」
それぞれ抽出機にセットし、スイッチを入れる。少し時間がかかるが、それくらいは良いだろう。
できたものからカップに入れ、トレーに乗せる。
「できたぞ。リーリアは……早いな」
『私は造成させただけよ。流石に貴方ほどの知識は無いもの』
「ん、美味しいよ」
「おいこら、勝手に取るな。間違ってたらどうする」
「だってお兄ちゃん、座ってる順番になるように持ってくるもん。間違えないよ」
「そうですね、こういう時のガイルは分かりやすいですから」
「そうか」
『不貞腐れてるわね』
「してないぞ」
バラすな、まったく。
いや、まあいいか。恐らく勘付かれていただろうし。
「それで、ゲームはまだやるか?」
「別のゲームに変えませんか?これ、3時間も続けていますよ」
「はーい。じゃあ……パーティゲームとか?」
「……いいね」
「そうしましょう」
「いいな。リーリアもやるか?」
『ええ。でも、簡単なものがいいわね』
「これは?」
『わざわざ私の得意なものを選んでくれるのね。偉いわ、レイ』
「えへへ、手加減してね」
『無理よ』
「えー?」
「まあ、するわけないな。レイ、諦めろ」
「先生、準備ができました」
「早く始めましょう」
「分かった。そう急かすな」
こういったゲームは才覚がそんなに関係しない分、気楽でいい。
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「ふう、美味かった」
「美味しかったですよ、シェーン」
「シェーンお姉ちゃん、ありがと♪」
「ありがとうございます」
「……これくらい、普通」
「そうでもないぞ」
シェーンの料理は美味い。
まあ、元素操作装置を材料の造成にしか使わず、自身の手で調理するから、忙しい時は食べられない。だが、時間がある時は楽しめる。今みたいな時、俺達は他の選択肢を選ばない。というか、その手の職人にも負けないよな、これ。
と、後片付けをしているうちにレイがテレビの前を占拠してた。
「今日は何がやってるかな?」
「そうですね、面白いものがあれば良いのですが」
「……これ」
「ん?それ、ラグニルが出てるな」
「あ、本当だ」
「そう言えば、本人が言っていました」
今の王国のマスコミは、1社を除いて娯楽系しかない。そして数十社の大手マスコミは、数千社の中小マスコミは、どこもかしこも差別化を図ろうと多種多様な番組を作っている。
まあだからこそ、俺達みたいな生体義鎧にも、アイドル顔負けの数の出演依頼が来るわけだが。どうやら、俺達が出るだけで視聴率が0.5〜1%上がるらしい。
「あ、何かニュースをやっていたりしませんか?」
「レイ」
「えー?」
「少しだけでいい。変えてくれ」
「はーい」
元素操作装置がインフラの根幹となり、資本主義が崩壊した現在では、情報分野での他者との競合はあまり意味がなくなっている。金銭という対価が大きな割合を占めていた利益や利権といったものの大半が消滅し、モラルに反した行いは組織や個人の評価を下げるだけになったからだ。
さらに公的な情報発信を行う組織・集団に対しては、国民に対する公正な情報発信が国王陛下から厳命され、慣習法にも定められている。そのため、昔はあったという情報を発信しない自由は不敬罪に等しくなった。
これによって王国国営放送以外のマスコミはニュース分野から撤退、唯一残った国営放送も淡々と事実を伝えるだけになっている。
「特に何もないか」
「そのようです」
「この前の一斉摘発は派手でしたけど、普段はこれくらいですからね」
「……大丈夫って、分かった……からいい」
「ねーえー、まだー?」
「ごめんな、もういいぞ」
「やった♪」
そうしてレイが選んだ番組は……ゲームの実況か?ゲーム自体は、ファンタジーの混ざった歩兵戦っぽいが。
「これは?」
「芸能人がチームを組んでリオルゲームをやるって企画だよ。相手はランダムみたいだけど、生中継だって」
「場合によってはイジメになりますね。練度の高い軍人の方が10人もいるなら、一般人が100人いても勝てませんから」
「……でも、元軍人の人もいる」
「いえ、その方は海軍、それも司令部勤務です。白兵戦では陸軍人に勝てません」
「結局、勝てるかは運次第だ。ただ、面白そうだな」
「じゃあ、良い?」
「ああ」
レイの選択を拒絶するつもりなんてさらさらなかったとはいえ、ここで言うのは野暮だろう。全員椅子に座り、番組を見る。
「行ってください!」
「……そこ」
「やっちゃえー!」
「あ、そこは違います」
気付いたらメルナとシェーンとポーラも熱中していた。シェーンは口では分かりにくいが、視線は画面に固定されている。珍しいな。
まあ、俺も楽しんでるんだが。
「ん?」
「ガイル?どうしましたか?」
「先生?」
「父さんから連絡が来た……何だって?」
これは……どういうことだ?
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「……何かあった?」
「明日、第1戦略艦隊の全員は9:00までにアーマーディレストへ搭乗するように、だそうだ。随分と早くに集めさせるんだな」
「早いですね。交代は13:00のはずですが」
「……問題?」
「詳しいことは何も書かれていないから、これだけだと何とも……いや」
そういえば、前にもあったか。
ただ、急に入れるのは本当にやめて欲しい。
「まったく、俺達への意趣返しか何かのつもりなのか?」
「お兄ちゃん?」
「演習だ、多分な。父さんが隠していたのか、海軍が無理矢理ねじ込んだか……まあ、だいたいそんな感じだろう」
「確か、前にもありましたね」
「ああ。やめて欲しいな、まったく」
「……でも、自業自得?」
「あ、そうかも」
「ちょっと待て、俺の味方はいないのか?」
「ええ」
「……そう」
「うん」
「はい」
「おいおい……」
味方ゼロか……まあ、雑談はほどほどにして、全員に送っておこう。
流石に、今日呑んでるやつはいないだろうが。
「さて、この番組、どうなると思う?」
「んーと、多分軍人のグループに当たっちゃうと思うよ。掲示板でも話題になってるもん」
「……やらせじゃなければ」
「それ、最近は嫌われてるだろ」
「そうですね。偶然の産物の方が好まれていますよ。面白いですから」
「メルナ、個人的な感想まで入れなくていい」
「悪いことでしょうか?」
「いや、悪くない」
苦笑いは止められないけどな。
と、次の試合は……
「あ」
「……来た」
「当たってしまいました」
「この動きは間違いない」
「負けですね」
レーダーに映る点の動きから分かる。明らかに訓練された兵士の動きだ。
それが100人中27人、決まりだな。
「芸能人だけでチームを組んでいたのが仇になったな。半分くらいがフリーのプレイヤーなら、まだ勝ち目がある組み合わせになったかもしれないんだが」
「これはもう勝てませんね。既に半包囲されていますから」
「さらに言えば、突破するという考えがなさそうです。専門家がいないので仕方ないとも言えますが」
「広範囲攻撃もできるみたいだけど、流石にもう無理だよね」
「……狙われてるのに、気付いてない……狙撃できる?」
「かもな。予想通りなら、開戦まで後12秒だ」
「開戦ですか?」
「殲滅戦の始まりでしょう?」
「戦いが始まることに変わりはない。それが互角か一方的かの違いはあるけどな」
「そうかも。あ、始まったよ」
「……ちょうど12秒」
このゲームのことは詳しくないが、予想が当たってよかった。
そうしている間に、芸能人達はどんどん数を減らしていく。
「一方的ですね」
「自力が違うので、当然です」
「ねえお兄ちゃん、見て」
「ん?……凄いことになってるな」
レイが見せてくれた掲示板は、阿鼻叫喚の地獄絵図と言っても良いような惨状だった。
ファン達が叫ぶのに対し、軍人が来たから当然と言う面々。さらにその両者の間での対立まであったりと、凄まじい状況だな。
「ただまあ、ある程度の秩序はできてるのか」
「お兄ちゃん?」
「こんな風に対立してても、暴言やら誹謗中傷が出てないからな。自然と秩序ができるのかと、関心したんだ」
「それがどうしたんでしょうか?」
「帝国に侵攻される前は、掲示板でのモラルの悪さが指摘されたりもしてたからな。相手の顔が見えないから、攻撃的になりやすかったらしい」
「そうなんだ……」
「まあ、俺もあまり知らないけどな。14歳だと、そういうのはほとんど気にしなかった」
「……じゃあ、何で?」
「何となくだ」
「曖昧な理由ですね」
「ですが、先生らしいとも思えます。自由ですから」
「まあ、今日までだからな。気を張る必要がほとんど無いとはいえ、気楽にいたい」
明日からまた外に出るんだ。
今日までは気楽に翼を広げていたっていいだろ。
・ファルムゲーム
仮想空間を使わない従来ながらのゲームを発展させた、コントローラーなどで動かすゲームのこと。仮想空間には無いような楽しさがあり、こちらもとても高い人気を誇る。
基本的にはホログラムを使用するが、平面映像を使う場合もある。コントロールには物理的なコントローラー以外にも、視線や体重移動、まれに脳波を使ったりする。
開発の難易度が低いため、リオルゲームに比べて種類がかなり多い。
こちらも呼び方は最初の開発主任の名前から取られた。ちなみに、リオルとファルムは夫婦だったりする。
・バーディスランド王国のマスコミ
インターネットに似た超高度通信ネットワークのリールウェブもあるため、嘘や真実を隠したりすればすぐにバレる。また王国も、(王国基準で)公平に情報を発信するよう厳命しているため、ニュースには差異がほとんど付けられなくなった。
その結果、事実を纏めて淡々と伝える王国国営放送以外は、全て娯楽系放送のみとなっている。
これにより数十社の大手マスコミ、及び数百もある中小規模のマスコミは、スポーツ・音楽・バラエティ・映画・ドラマなどのみを多種多様な内容として放送している。
そして、熾烈な視聴率獲得争いが繰り広げられている。
・テレビ
テレビといっても地球のものとは全然違い、家庭用としては大型のホログラムや平面映像を投影できる機械のこと。主にマスメディアの番組を見るためや、ファルムゲームの映像を映すために用いられるため、昔と同じ呼称になった。
映像そのものはシュミルなどでも見れるが、専用機器なので解像度などが段違い。




