白い狐
雨の日の話だった
母親が運転する車に乗っている時の話だった。
ふと窓の外を見た 立派な木と小さな祠がある民家の前を通り過ぎていった。
その時 真っ白い狐がほこらのまえにいた。
真っ白な毛の狐が祠に向かって 座っていた。
それだけだった。
その時の自分はその狐に見とれていた。
家に帰った後、学校に提出する日記にこのことを書いて担任に提出して後日、戻ってきた日記にちゃんとコメントが付いていた…はずだった。
その出来事から10年経ってたまたま見つけたその日記帳を見つけて読んでいた しかし、書いたはずのその出来事は日記帳に存在しておらず代わりに前日の日記
次に 2日後と…まるでそこだけ抜けたように存在していなかった。
母親に尋ねた 「母親も夢でも見ていたんじゃない?」と笑われた。
もしかしたら、それは本当に夢だったのだろうかそれとも自分の思い違いだったのか?
もうそれを証明することもできない。
ただ、あの日以来 あの祠のある民家の近くを通り過ぎてももうあの狐の姿はなかった。
あの日以来、真っ白な狐の姿を見ることは二度となかった。
子供というものは勘が鋭いと言われ それは第六感も鋭いと言われる。
そぅそぅ、子供の頃釈迦と閻魔が喧嘩する夢を見たとさ。
こんな笑い話や奇妙な話をまとめた奇妙なあるいは頓珍漢、チンドン屋…天丼…と気ままにやっていく話となります。