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双子が歩む死の遊戯
これは二人の名もなき英雄の話である。
「ようやくここまで来たね~。『』。」
「そうだね。やっとここまで来れた!『』。」
目の前にはどこまでも続く蒼い空が広がっている。それはまるで、先へ進むことを促すかのように。
それはまるで、先へ進むことを拒むかのように。
それでも…
「あの空の向こうには何があるかな~。」
「何でもいいよ。私たちはまだみたことのないものがある。それだけで十分だ!」
「そうだね~。確かに僕たちにはそれで十分だ~。」
こうして、彼女たちは進む。
まだまだ先はあると。先へ進むことができると。
「まだまだ先へ~。もっと先へ~。」
「そうだね!私には僕が。」
「僕には私が。」
「「いつまでも側に。」」
「じゃあ、行こうか~。」
「レッツゴー!」
蒼い空はまだまだ続く。
受け入れるかのように。拒絶するかのように。
だが彼女たちは進む。空を翔る一対の翼になって。
空の彼方で待ち受けるものは未来か、過去か。希望か、絶望か。
彼女たちはそれでも進む。二人で進むと。自由であると。
これは比翼連理の双子が紡ぐ、名も無き英雄の物語。