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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

最終決戦。

作者: ツクリスタ

 


 用語

 国連統合軍

 エイリアンの侵略、異世界からの軍勢に侵略行為を受けた世界が国際連合憲章第7章を改正して常設化された国連軍。

 陸軍30万人・海軍16万人・空軍18万人

 情報戦部隊??


第一次星間戦争

usurpateurと地球の間で2018年に起こった戦争。対応が遅れた地球は多数の民間人の死者を出している。


 usurpateur(簒奪者)

 2018年に地球に襲来した地球外知的生命体。その目的はアメリカ映画にありがちな資源の搾取。ただ技術レベルでは優れているのだが、実質的戦力は某戦艦の映画に登場する意星人のごとく、地球と比べて優れているわけではない。その為数で優位に立ち戦術でも次第に優位に立っていった地球に惨敗した。ちなみに一応人型。


Gate事変

2023年に発生民間人に多数の死者を出す。このとき、地球は始めて異世界の存在を認知する。


 Gate(門)

 門と呼称されているが穴といったほうが正確な異世界とかの世界との通り道。


 異世界国家群

 2023年、usurpateurによる衝撃がまだ冷え切らぬ世界に突如として侵攻した勢力。技術レベルや戦術は中世ヨーロッパレベルのものが多数だが、よくある異世界との戦争物の話にあるようなファンタジー要素を内包している。例えば魔法だとか、ゴブリンだとか、その他いろいろだとか。

 そしてそれらの話のテンプレ通り反撃に出た地球国家に完膚なきまで打ちのめされる。その後は事実上地球国家の属国になっている。


 特殊多用途戦闘艦

 usurpateurの技術を入手する事で、当時理論段階だった「重力及び慣性制御装置」の実用化を受けて実用化した兵器。性質としては某万能戦艦を思い浮かべて欲しい。あっちと違ってこちらは地上を走れたりしないが。ちなみに一部の例外を除き全ての艦が艦首にドリルを備えている。




 兵器

 SVC-3 「フソウ」

 Special versatile combat ships Hushou

 特殊多用途戦闘艦


 全長250m

 全幅31.2m

 全高45.1m

 機関:A3H加圧水型原子炉×2

 主機:水上航行(蒸気タービン48000hp×4)

 飛行(ターボファンエンジン×4)

 速力:水上32ノット・飛行最大??

 巡航時916km

 潜航深度230m

 乗員380人

 兵装:艦首特殊鋼製ドリル・格納式41cm連装砲×3・格納式12.7cm速射砲×4・垂直発射管32セル・格納式三連装魚雷発射管×2・格納式20mmCIWS×4

 各種レーダー、通信アンテナ、電子戦装置、ソナー


 特殊装置:Gravity and inertia control device(重力及び慣性制御装置)


 概要:国連統合海軍東アジア艦隊所属の

 最新鋭艦。特殊多用途戦闘艦と呼ばれ る新艦種。


 SVC-5「カリフォルニア」

 基本的要目はフソウと同一。国連統合海軍太平洋艦隊所属。とある兵器を実験的に搭載されている。




どうも読者の皆さん。ツクリスタです。

本日は私の作品をお読みいただきありがとうございます。

さてこの作品はおかしなところが多々あると思われます。ですので、おバカな映画を見るような、ネット小説を読むようなつもりで頭を空っぽにした方が楽しめると思われます。

最後にこの物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件とは関わりはありません。



 


 一隻の船が月明かりの中濃霧に包まれて氷山をが漂う海域を航行していた。

 その船の姿は一言で言えば異形だろう。何故ならばその船は艦首に巨大なドリルを装備し、さらには戦艦が消えたから久しく使われていなかった巨大な砲塔を備えていた。

 そしてその船に掲げられている軍艦旗がその艦が軍艦である事を表していた。



 対usurpateur任務艦隊 SVC-3フソウ


 その艦、フソウの艦橋に3人の人間がいた。


「艦長間も無く目的の海域です。CICにお願いします。」

「ああ、分かった。」

「我々は勝てるでしょうか?」

「どうしたやけに弱気だな佐川大尉。」

「消息を絶った偵察部隊の話では多数の大型機動兵器が潜伏しているとの話でしたので。」

「その話か。それなら心配はないとは言わないが本部も増援を送ってきたじゃないか。」

「ですが何か嫌な予感がするんです。」

「……フソウはやれるさ。」

「フフッ、そうですね。」

「じゃあ早いとこCICに移ろうか。」



 CICは何時ものように薄暗い中に各種指示装置やディスプレイなど機器の光が周りを照らしている。


「艦長をお連れしました。」

「分かった。佐川大尉君は持ち場に戻ってくれ。」

「了解。」

「艦長、すでにご存知かと思いますが間も無く予定の集合海域です。すでに友軍艦は到着しているようです。」

「あい分かった。それと確か合流予定のカリフォルニアには君の婚約者が乗艦していたなAlcott副長。」

「はい。この戦争が終わったら結婚するんです。」

「副長死亡フラグ立てないでくださいよ。俺たちまで巻き込まれたらどうするんですか?」

「そうそう。もしそうなったら化けて出ますからね。」


 そう言ったのは若い二人の士官は砲術長の速水と水雷長の金だ。


「何言っているんだ君達だって『クリスマスまでに帰る』だとか『SVCは無敵だ!』とか言っていたじゃないか。」

「ハハハッ、それを言われちゃあおしまいですね。」

「艦長が歩く生存フラグが歩く生存フラグですから中和されますよ。」

「フフッ、せいぜいその期待に応えられるように頑張るよ。」


 その艦に衝撃が走った。


「何だ!何が起こった!」

「こちらはCIC各所被害報告。」

『こちら機関室異常ありません。』

『こちら艦橋異常はありません。』


 その後も艦内各所から異常なしの報告が入って来る。艦長の古泉が口を開こうとしたとき、ソナー員の叫びがCICに響く。


「本艦直下に何か巨大な生物が潜んでいます!クジラではありません!」

「何だと!」

「アクティブソナーを打ちますか?」

「いや、下手に刺激するな。しばらく様子を見る。CICから艦橋へ両舷停止。」

『了解。両舷停止。』


 艦長の命令でスクリューが止められ徐々に艦は速度を落とす。CICに張り詰めた空気が流れる。艦長の山田にはソナー員の巨大生物との距離を告げる声がやけに響いて聞こえた。いやここにいる全員がそうであったであろう。


「巨大生物、失探しました。」

「何だったんでしょうね。」

「分からん。一応上にあげておくべき事案だろうな。だが我々の任務は異星人達の残存戦力を叩く事だ。本艦はこのまま合流ポイントに向かう。CICから艦橋、両舷前進強速。」

『了解。両舷前進強速。』


 僅かな荷重と共に艦は進みだした。



「砲雷長はどう思います。怪獣とかいると思いますか?」

「攻めの佐川としての意見を聞きたいです。」

「確かに大型生物らしきものがあるようだが、まだ怪獣と決まったわけでないからな。そもそも、あんな物が実在してたまるものか。」

「ですよね〜。」






 対usurpateur任務艦隊旗艦

 CVN-79ジョン・F・ケネディ

 同艦CDC


「司令、フソウが合流しました。後はカリフォルニアを残すのみです。」

「そうか。合流予定時間までまだしばらくあるからな、まあ許容範囲か。航空機の整備状況はどうなっている?」

「万全です。命令があればいつでも発艦できます。」


 それを聞いた対usurpateur任務艦隊司令のJonathan Harkerは満足げに頷く。


「よろしい。しかしあの司令部が、まだ世界で5隻しかないないSVCを2隻も引っ張って来るとはな。」

「それだけ上もこの作戦に力を入れているという事でしょう。この作戦、他にも多くの戦闘艦や航空機が投入されていますしね。」

「戦争で油断はいかんが、なにぶんこれ程の戦力だ。それに加えて向こうは何年もの潜伏生活で疲弊しているときている。つい油断してしまうのが人の心情か。」


 Jonathan はそう言い艦橋から見えるだろう艦隊の勇姿を想像する。


「カリフォルニア合流。司令全艦集合しました。」

「出港だ。全艦両舷前進原速。」

「旗艦より各艦へ、本艦隊はこれより目標海域へ向かう。両舷前進原速。」


 そして遂に計65隻の任務艦隊は目的の場所へ進み始めた。

  決戦の場へと




 彼らは『ソレ』を感知していた。しかし彼らには既に『ソレ』に対処する力はあまり残っていなかった。

 オマケに最近は何処からともなく現れた超大型生物の攻撃により大型機動兵器が2機も失われた。

 しかし彼らにこのまま隠れて、メソメソと死を待つつもりはなかった。


 ……願わくば1人でも多くの道連れを。



 しかし、世界は既に彼らを見捨てていた。


 いくつもの着水音が聞こえた後、海中に探信音と推進を発生させながら『槍』が迫る。

 そして、大きな物は素早く動けない……




 SVC-3 フソウCIC


「5,4,3,2,1,コンタクト。目標αからf沈降していきます。他の目標は浮上を開始しました。」

「対水上先頭用意。」

「了解、対水上先頭用意!」



 CVN-79 ジョン・F・ケネディ CDC


「敵大型機動兵器g〜m浮上します。」

「水上部隊はg〜kをカリフォルニアの割り振りで、k〜mを航空隊はAWACS支持の目標を攻撃しろ。」

『第1戦闘群了解。』『第2戦闘群了解。』

『第3戦闘群了解。』『第303戦闘攻撃隊了解』『第304戦闘攻撃隊了解。』



 SVC-5 カリフォルニア CIC


「目標割り振り急げ。」

「……艦長各攻撃目標の割り当て完了しました。」

「各艦に通達しろ。」

「了解!」

「もうこれなしには戻れないな。」


 国連統合軍の最新鋭艦SVC-5カリフォルニアの艦長はしみじみとデータリンクのありがたみを噛み締めていた。

 と、言うのも彼はかなりの古参であり尚且つ彼がもともといた軍はデータリンクの普及が遅れていたのだ。ちなみに彼はちょび髭だ。



 第1戦闘群 旗艦DDG-175 みょうこう CIC


 みょうこうのCICで群司令の大沢は感慨深い思い思いに囚われていた。


「まさかいくら近代化改修をしたとは言え退役寸前のこの船が決戦艦隊の群司令を務めるとはな艦長。」

「ええ、全くです。まさか私もこのような機会があるとは思いませんでしたよ。」

「司令。割り当て完了しました。」

「分かった。すぐに攻撃だ。」






 射撃でかなりの数の見方がやられてしまった。やはり敵は技術レベルの割に兵器が強力だ。だか敵も無敵ではない。

 彼らは大型機動兵器を指揮装置で操り、地球側のニュアンスでメタルグレネードと呼ばれる兵器を発射する。

 それと『ソレ』が煙とともに飛翔体を発車したのは同時だった。



 CVN-79 ジョンF・ケネディ CDC


「敵、メタルグレネードを発射!数280!」

「各艦データリンクした上で各艦の判断で迎撃させろ。」

「了解。各艦データリンクの上で各艦の判断で迎撃せよ。」



 旗艦の命令を受け各艦から個艦防衛ミサイルが放たれる。


 SVC-5 カリフォルニア CIC


「マークインターセプト。ラストコンタクト!しかし18の目標が以前飛行中です。」

「そうか。速射砲撃ち方はじめ!」


 カリフォルニアはその命令で速射砲による射撃を始める。他の艦は全自動モードで戦闘を行なっていたのもあって既に射撃を開始されていた。


 計40門を超える速射砲により濃密な弾幕が展開されメタルグレネードを一つ、また一つと絡め取っていった。


 これにより10機のメタルグレネードが迎撃されたが、2機は速射砲の迎撃距離の内側に突入した。

 しかし、その2機は近接防空ミサイルとCIWSにより迎撃された。

 そして……


 次々と対艦ミサイルが大型機動兵器に命中していった。





 次々と敵の攻撃により爆炎をあげ沈黙していく味方。どうやら、この戦闘でこれを出すしかないようだ。

 彼らの司令官はある命令を発する。




 SVC-3 フソウ CIC


「!艦長海中より何か巨大なものが浮上しています!」

「どんなものだ?」

「おそらく敵機動兵器の類でしょうが、今までのものと音が全く違います!」

「よしアクティブソナーを打て!」


 擬音にしたら「コーン」とも言うべき音が発され、その反射音はソナーを通してデジタル化され解析される。


「な、何だトォ!」

「どうした!」

「す、すいません。艦長、現在浮上中の構造物2kmはあります。大型機動兵器TYPE『C』だと思われます。」





 CVN-79 ジョン・F・ケネディ CDC


「司令、あれは!」

「分かっている!……悪魔め、まだ残っていたのか。全艦、敵大型機動兵器TYPE『C』と思われる物体から距離を取り回避運動を取れ!ブラスターが飛んでくるぞ!」



 だがその命令はあまり意味を持たなかった。




 DDG-102 サンプソン 艦橋


 艦長が航海士に檄を飛ばしていた。

「急げ!急げ!この船をあの映画みたいに沈めるな!」

「Aye,Aye,Sir!」

「what the fuck! よりに


 サンプソンの艦長は現状を罵る。しかし彼の言葉が最後まで紡がれることはなかった。


 本体より最初に海上に出た粒子砲はまず最も現在距離が近かった、サンプソンに向かって2回発砲した。


 1発目は艦橋に飛び込み、艦橋要因を全滅させ、2発目は弾薬を打ち抜き弾薬庫を誘爆させた。この誘爆によりサンプソンの船体が持ち上がり艦体前部と中部が完全に分離した。



 CVN-79 ジョン・F・ケネディ CDC


「サンプソン爆沈、ちょうかい爆沈、セヴェロモルスク爆沈、西寧撃沈、ジャク・H・ルーカス大破、航空隊二割を損失……」


 司令の耳には被害報告が次々と入ってくる。


「なんてことだ。……フソウ、カリフォルニアに通達!即刻あのデカブツを沈めろ!何をぼけっとしている早く命令を出せ!我々も援護する!」

「了解!」




 SVC-3 フソウ CIC


「だそうだ。」

「艦長それでは、」

「ああ。砲雷長、艦首ドリルを機動。それと41cm砲弾を目一杯叩き込んでやれ!」

「Ja!了解です艦長!」

(……こいつハイになってやがる。)

「CICより艦橋!最大戦闘速で敵大型機動兵器『C』に向かえ!」


 戦術長である佐川の操作により艦首についている巨大なドリルが機械音とともに回転を始める。

 そして四機全ての蒸気タービンがスクリュー/プロペラに接続されフソウは一気に加速を始める。




 大型機動兵器TYPE『C』にはいくつもの127m砲弾、130m砲弾が叩き込まれているが、それらはその装甲を貫通することは叶わなかった。

 時折放たれる対艦ミサイル及び短魚雷はほとんどな迎撃されてしまい、大した効果を上げていなかった。そしてビーム攻撃により一隻また一隻と任務艦隊は数を減らしてく。





 彼らの司令官は満足だった。この戦いでこの大型機動兵器リバナカラが使えたのはまさに賭けだった。と言うのもこの兵器は原因不明の機能停止を起こしており、現状を解決するために時間逆行装置を使用したのだが、何時もなら起こるはずの反動現象が起こらなかったのだ。

 だからこそ今向かって来ている2隻の姿も滑稽に見えた。



 だが、その慢心は次の瞬間粉々に打ち砕かれることになる。




 接近して来た2隻を包み込むようにビームが撃ち込まれ、2隻は水柱に包まれる。その中には命中した事による光芒がいくつか見て取れた。彼らの司令官は撃沈を確信した。


 しかし!水柱の中からほぼ無傷の2隻が現れた!



 SVC-3 フソウ CIC


「ダメージコントロール!」

「衛星通信アンテナが持っていかれました!」

「CIWS及び速射砲1基もです!」

「その他の被害報告は確認されていません!」

「こいつが……技術局が開発した耐ビーム装甲か。……素晴らしい。撃たれたからには撃ち返せ!」

「了解。第1主砲撃ちー方始め!」


 そして砲雷長である佐川の手により主砲のトリガーが引かれ、轟音と共に41cm砲弾が飛び出した。




 彼らは先程の結果より2隻に注意を払っていた事により、2隻から放たれた至近距離よりの41cm砲弾3発を迎撃に成功したが残りの1発が命中した。

 その砲弾は装甲を突き破りメタルグレネードの弾薬庫で炸裂した。



 SVC-5 カリフォルニア CIC


「本艦の砲弾1発命中確認。効果あり!」

「良し撃ち続けろ!ハードメタルミサイルもお見舞いしてやれ!」

「了解。APSSM-2Aファイア!」


 それと共にVLSが解放され、超硬合金製の徹甲ミサイルが2発飛び出した。それはある所まで上昇すると向きを変え超音速で大型機動兵器へと飛行を開始する。




 彼らはその飛翔体の迎撃を試みるが、対空ビームではそれを破壊することは叶わなかった。

 そして土なら30m、コンクリートでも6m貫通可能な、バスターバンカーと同レベルの貫徹能力を持ったそれは彼らの兵器の装甲を突き破り、内部構造を破壊しながら進み遅延信管の作動により爆発した。




 SVC-5カリフォルニア CIC


「ハードメタルミサイルの命中を確認。効果大です。」

「艦長!そろそろ敵さんの土手っ腹に突っ込みますよ。」

「把握した。だが、敵の土手っ腹に突っ込むのはフソウに先を越されたようだな。」





 フソウの艦首特殊鋼製のドリルが大型機動兵器に接触し轟音と共に火花を上げさせる。ドリルはゆっくりだが確実に大型機動兵器の装甲削っていていた。


 SVC-3 フソウ CIC


「艦首ドリルの出力を3から5へ。」

「了解。しかしその出力だと駆動系やGICDの関係上1分が限度です。」

「構わん。やれ。」

「了解。艦首ドリルの出力を3から5へ。」


 砲術長の操作によりドリルの出力が上げられ、甲高い音とともにドリルはさらに高速で回転し始める。




 SVC-5 カリフォルニア CIC


「どうやらフソウは装甲を貫通したようですな。何ともまあ見事な事です。」

「ああ、そのようだ。」


 カリフォルニア副長は電子光学機器から送られてくる映像を見て艦長に自分の感想を伝える。その映像ではフソウは大型機動兵器に深々と突き刺さっておりさらに深く潜り込もうとしていた。


「艦長突入まであと10秒です!……5,4,3,2,1突入!」

 船務長の読み上げ終わった次の瞬間……大きな衝撃とともにカリフォルニアはフソウに続き大型機動兵器に飛び込んだ。




 彼らの司令官は困惑していた何故なら2隻の敵艦がこちらに体当たりを行い、ドリルによる掘削作業を始めたのだ。2隻とも着実に内部を破壊しながら潜り込みつつあった。

 さらに体制を立て直した敵からの攻撃に対する迎撃も飽和状態であった。


 そして終わりの時はやってくる。



 SVC-5 カリフォルニア CIC


「砲雷長、ドリル熱線砲用意。」

「了解。ドリル熱線砲用意。」

「フソウにすぐに退避するよう伝えろ。」

「了解。カリフォルニアよりフソウへ本艦はこれよりドリル熱線砲を使用する、速やかに退避されたし。」

『フソウ了解。派手にやってくれよ。』




 彼らは潜り込んできた敵艦を排除するために乗り込む事を決めた。だが彼らが近づい叩きにはフソウは既に後退を始めていた。

 その速度はだんだんと早くなっていき彼らはフソウに乗り込むことは出来なかった。



 一方カリフォルニアの艦体には幾人もの彼らが乗り、侵入を試みていた。

 が……


 SVC-5 カリフォルニア CIC


「エネルギー充填完了。いつでも撃てます。」

「ドリル熱線砲発射!」

「撃てー!」


  カリフォルニアのドリルから膨大な熱量を持った青い奔流が放たれる。それは艦体に乗っていた彼らと自艦の電子機器を余波で焼き尽くし、大型機動兵器内部を溶融させ蒸発させ進み、動力炉に達して誘爆を引き起こした。

 

 そして大型機動兵器TYPE『C』と呼称されているものは大爆発とともに消し飛んだ。





 CVN-79 ジョン・F・ケネディ CDC


「敵大型機動TYPE『C』消失。」


 爆発による揺れが収まった。艦内でレーダー員が戦果を読み上げる。


「カリフォルニアは!カリフォルニアはどうなった!」

「通信が途絶しています。しかしあの大爆発です。おそらく……。」

「そうか。惜しい連中をまた失ったな。」



 SVC-3 フソウ CIC


「そんな……Jamie!そんな……。」

「副長……。」

『D……ou hear C……ornia here?Do you hear California here?(こちらカリフォルニア聞こえるか?)』

「Here is Fuso, I can hear it!(こちらフソウ、聞こえます。)」




 SVC-5 カリフォルニア CIC


「推進器と兵装が全部やられて通信機器も一つを残しておじゃんだ。だか、幸いにして死者はゼロ。しかし急を要する重症者は多数だ。早くきてくれ。」

『フソウ了解。今救助に向かう。』

『こちらジョン・F・ケネディ。私は艦体司令のJonathan Harkerだ。カリフォルニアの諸君よくやった。』

「ありがとうございます閣下。」





 大型機動兵器の残骸が崩れ、カリフォルニアの姿が現れる。佐川は朝日の中、傷つきながらも未だ誇らしく浮かび続けるその姿に目を奪われていた。


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