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救世のグランド・セイバー  作者: S・セリザワ
21th Attack「逆転の星々」 
85/146

Y-35 光立ち上る時

Y-35


敵本拠地「ゼラ・ギルド」前



7:32


その日

空は澄んだ青色に染まっていた

見事なまでの快晴である


廃墟を太陽が

眩しく照らしていた








朝食を終え

16人がそれぞれ準備に入る


索敵班は索敵装置の最終点検


グループBは各武装の点検


グループAと俺、姉貴、姉御、天田のおっさんは

作戦の最終確認


「開始拠点は施設東の第二ゲートだ。

まず、グループBが煙幕で敵部隊の視界を塞ぐ。

次にグループAが突撃し、周辺を制圧

だが、敵の数は未知数であり、南のメインゲート同等に

かなりの数の兵がいる事は覚悟である事は再度把握してくれ。」

「敵の陣形が乱れて周辺から増援が集まったら

私とエリで対応」

「好多が中央突破して内部侵入

F.A.C.Eの指示に従いシシルの元に向かう」

「外が片付き次第全員で内部制圧

それまでにシシルを俺が救出」

「そうそう簡単に行く作戦ではありませんが…」

「行けるさ、俺たちなら」


姉貴にそう言い聞かせると

落ち着いたのか、微笑み返してきた




--------------------



9:58


作戦開始直前



姉貴が俺に話しかけてきた


「好多、内部には何があるかはわかりませんし

これから何が起きるかもわかりません。

だから」

「無茶はするな、命を優先にってか?」

「いいえ、あなたがやりきれたと思う所までやり抜きなさい。

絶対にシシルを助けて、私たちの所に帰ってきなさい。」

「…上等!」



索敵班の現在の調べでは

合計兵数60人

正面に10人

後方に

10人ずつのグループが二つ

入り口付近に15人グループが二つ

かなりの数である


10:00まで残り10秒

秒読みが始まった


9

8

7

6

5

4

3

2

1



グループBがアサルトライフルからスモークグレネードを発射した

正面のグループが煙幕に巻かれる


グループAが突撃した

グループBと索敵班

そして俺たち四人がその援護に入る


防衛軍は基本対人では実弾を使わない

だが、ウルフの部隊は確実に殺しに掛かってくるだろう


犠牲が出るかも知れない

自分が死ぬかも知れないこの戦況

今まで以上に気を張らなくてはならない



作戦開始から30分頃


中央に道が開けてきた


「好多!今だ!」


天田のおっさんの合図で俺がゲートめがけて突撃した


ブースターの出力を最大にして一気に突っ込む

内部に侵入した


ゲートから入ると目の前に見えるのは

一本道の廊下

その先には十字の道


そして道に立ちふさがる

大量の兵隊さん達



「F.A.C.E、突っ込むぞ…」

「了解デス」


ブレイザーに切り替える

峰打ちの要領で相手の気絶を狙い

着弾時の爆発で吹き飛ばす


これを何度やってシシルの元にたどり着くか


だが

絶対ここで倒れはしない


絶対に



~続く~

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