Y-38 信頼への決意
俺たちが交戦エリアに着いた時には
20本ほどあったと見られる
背中の砲門が12本に減り
尻尾のレーザーが破壊されていた
しかし、エレガンテスの正面のビーム砲と
一部砲門は無傷と言って良いほどの状態であった
部隊の半数が負傷して満足に戦闘が行えない
天田のおっさんと姉御がなんとか頑張ってる
がいつまで保つか時間の問題だ
「エリ!」
「お姉ちゃん!?好多!?」
「好多、怪我は?」
「もう大丈夫だ」
「流石は大尉の息子だな」
天田のおっさんが微かに笑う
エレガンテスのビームが発射される
それをかわす俺たち
「スミマセン、今起キマシタ」
「F.A.C.E、おはようさん!」
「戦況ハ粗方把握シマシタ
エレガンテスノ体表面装甲ハ頑丈デスガ
内部ヲ叩ケレバ倒セルハズデス」
「それはわかるがどうやってそれをやるんだよ!?」
「一番内部ニ近イ部位ヲ狙ッテクダサイ」
「一番内部に近い部位
となると砲身が並んだ背中か…」
「デスガ、砲身ハ対空用攻撃ガ可能
正面ノビーム砲ノ事モアッテ
マトモニ攻撃スル事ハ困難デス」
唯一の弱点を埋めてきた
となると攻撃手段は絞られる
絞られる
俺には策があった
かなりの賭けであるが
「F.A.C.E、今の月の座標位置は?」
「約67度、BMルナ使用可能デス」
「お前もそれを考えていたのか?」
「非合理的且ツ危険ナ賭ケデス
月カラノBM3b照射数ガ少ナイタメ
最大能力ヲ発揮スルコトハ出来マセン
イツモノ防御力ハ期待デキマセン」
「だけどこいつの弾幕を凌いで攻撃をぶち込むには
BMルナと姉貴達の力が必要だ」
「アナタガソレヲ承知デ無理ヲスルノヲ理解シテマシタ」
「何言っても話聞かないから合わせてるのか?」
「アナタノ無理ガ人ヲ救エル力ダト信ジテノ事デス」
「お前…」
「私ハアナタノマッハブースター「ライズフレイマー」
地獄ノ果テマデ、オ供シマスヨ」
「お前も随分変わったよな…
あんなに合理主義だったのによ」
こいつと出会って随分経った
最初は機械丸出しの冷たい
心のないやつだったのに
本当に変わった
俺もこいつも
もう俺は
一人じゃない
「行くぜF.A.C.E!」
「了解デス」
そう言って銀の月をセットしてBMルナに変身した
三人にF.A.C.Eが通信で指示を出す
「コチラF.A.C.E、コレヨリエレガンテス上空ニ飛ビ
攻撃ヲ仕掛ケマス
好多ガ防御ニ徹スルノデ
アミリアガ背後カラSMASH・BLASTヲ打チ込ンデ下サイ」
「そんな無茶な!?」
「デスガコレガコレガ一番有力ナ攻撃デス
ソレニコレハ私ト好多ノ選択デモアリマス」
「好多との…?」
「アナタヲ信頼シテイマス」
「…わかりました、エリ!少尉!」
「了解よ!」
「了解!」
俺と姉貴は空に飛び
姉御と天田のおっさんはビームの注意を引きつける
エレガンテスの背中の砲身がコチラに向いた
腕のビームオーブからバリアを張って防ぐが
反動がいつも以上に大きい
「姉貴ぃっ!」
『SMASH・BLAST!』
叫びに応えるように姉貴がSMASH・BLASTを発動した
俺の周囲に光弾が張り巡らされ
敵の砲撃の僅かな間隔を狙うかのように
俺の頭上から一発
光弾をさらに発射した
その一発の光弾を追うかのように
張り巡らされた光弾が追いかけていく
エレガンテスの背中に光弾が次々と命中する
あまりの数にエレガンテスは耐えきれなくなり
光弾が次々にその巨大な胴体を貫いた
-----------
その夜
作戦名「ライズフラッシュ」のブリーフィングが行われた
Y-35に乗り込むこの作戦
俺の役回りは
中央の陽電子装置に乗り込んで
シシルを救出する事
ウルフ・ノグはシシルをエネルギー源として
対エヴィリゴン殲滅用陽電子砲「ヴィクター004」による
掃射攻撃を開始しようとしているらしい
絶対にそんなことはさせない
もう
何も奪わせない
この右手に誓って
ライズフレイマーに誓って
~20th Attack Complete~




