A-18 ランスト
現在、俺は故郷の時空世界マッハ1「ミッドワン」を離れて
時空の穴を飛び越えてマッハ4「ランスト」に向かった。
窓から見た景色は
今アニメの世界にいるのかと思うのかと錯覚するほど
信じられないモノだった。
高層ビルは崩れ落ち、爆破の後は月のクレーターのように見えた。
道路は地割れを起こし、物が散乱していた。
廃墟と化した町を見つめていると、あの怪物達-エヴィリゴン-が全てやったと思うと、以前の勝利が、単なる奇跡にしか思えなくなった。
窓を開けて風を感じる。
火薬と血の臭いがする嫌な風だ。
-!?-
何かがこちらに攻撃を仕掛ける音がした。
そう感じた次の瞬間、ヘリに何かが当たる音がした。
エヴィリゴンの攻撃であった。
「ここで降ろしてくれ!」
「大丈夫なのか!?お前死ぬぞ!?」
「希少種様舐めない方が良いぜぇ!」
困惑するヘリパイロットであったが、俺を信じてくれたか、ハッチを開けてくれた。
飛び降りて、空中でセット・アップを完了。
放火は俺に向いた。ライズフレイマーをブースターにして急降下する。
地面から10m程、軌道を変えて低空飛行で敵陣に突っ込む。
『「プラズマー」ノシヨウヲテイアン』
「プラズマー?」
『キイロノボタンデス。トウシン1mノレーザーブレードヲハッセイサセマス』
「よし…やってみるか!」
飛んでくるビームを回避しながら敵陣に到達。
着地、足でブレーキを掛けながら黄色のボタンを押した。
バーニアの噴射が止まると同時に
フレイマーの先端から黄色いレーザーブレードが現れて
横をすれ違った、LEVEL0「アッファ」何体かを真っ二つにした。
そのまま、アッファの群れを斬る 斬る 斬る
気がつけば周囲にいたアッファは残り少なくなった。
すると、何かが怯える声が聞こえた。
恐らくはそう遠くない、かなり近いところにいる。
前方、右49度
子どもがアッファに襲われている。
ブースターに切り替えて、高速でそこに向かった。
アッファにそのままぶつかり、吹き飛ばす。
声を掛けようにも、怯えきっていてどうしようも無かった。
目の前にはアッファの群れ。しかし、数はもう残り少ない。
「F.A.C.E!プラズマーでも、スマッシュ・ブラストは使」
『ツカエマス』
「人の話は最後まで聞けよ…。」
『シツモンノイトガ、スデニミエテイタノデ』
プラズマーに切り替えてレバーを引く。
『SMASH BLAST!』
構えると同時に、足下から電気の道が目の前に現れた。
アッファ達は全員麻痺状態となり、動けなっている。
バーニア噴射の勢いで、滑りながら敵陣に向かっていく。
滑ると同時に、ブレードの刀身は徐々に大きくなっていき
最大まで刀身が伸びると、俺は思いっきりフレイマーを横に振った。
真っ二つになったアッファ達の間を抜けて、背後に立つ。
数秒後に、次々と爆発していった。
周囲を警戒しつつ、子供の元に向かう。
「おい、大丈夫か?」
「…うん…」
「名前は?」
「…賢…」
一瞬。背筋が凍り付いた。
ただ名前が同じと言うだけなのに。
-俺の親父と同じ名前なだけなのに-
~続く~




