序章・完結部
眼前に浮いていた巨大空母
撃破不能と思っていたそれは
周囲のエヴィリゴンを巻き込んで崩れ落ちた。
それをしたのは自分自身だった。
自分でも信じられない。
だが、思うことは一つ
-誰かの役に立てた-
すると、向こうから迷彩服と防弾チョッキを着た集団がやって来る。
上空にはヘリが飛んできた。
防衛軍がやって来たようだ。
それを姉御の顔は、青ざめて滝汗を流していた。
一番前にいた巨漢が話しかけてきた。
「「アミリア・リリアン」と「エリ・リリアン」、そして、「月山好多」。私はミッドワン防衛軍・未確認捜査隊隊長「天田白真」少尉だ。君たちには、一度本部に来て貰いたい。」
-また、身に覚えの無いことを押しつけられるのか-
考える事はいつもと同じ。この手の人間は信用ならない。
どうせ嘘だろ嘘だろと言われるのだろう。
とりあえず、俺たちはヘリに乗って防衛軍の基地へ向かう。
三人別々の場所に連れて行かれ、事情徴収に入る。
俺はありのまま起こったことを話した。
信じてもらえるとは全く考えてなかった。
だが、すんなり受け入れられた。
徴収はすぐに終わり、俺たちは軍の食堂で待機となった。
「姉貴達は、何聞かれたんだ?」
「警察署からの帰りから、敵部隊撃破までの経緯ですね。」
「いや~、あんたにライズフレイマーを渡した事で怒られるかと思ったぁ~…。」
「そういえばさ…これは…ライズフレイマーって、一体何の為に作られたんだ?」
二人が止まった。どうやら、言いたくない内容らしい。
気まずい空気の中、少尉さんがやって来た。
「これからの方針が決まった。月山好多、君を「ランスト」へ派遣する。」
それを聞いた瞬間、姉貴が机を叩いて立ち上がった。
「ちょっと待って下さい!好多をエヴィリゴンと戦わせる気ですか!?」
「あれだけの戦闘力を見せてくれたんだ。心配はいらないだろう。」
姉貴と少尉さんは問答を続けている。
その中で、俺はあることを思った。そして決めた。
「姉貴…俺…行くよ!」
「好多…!?」
「ようやく誰かの為に役に立てるんだ。こんなチャンスを見逃せるかっての!」
「…でも…」
ためらう姉貴。
そこに、姉御が囁くように語りかけた。
「お姉ちゃん。好多のこと、信用してあげようよ。」
「エリ…」
「夢を願う事すら世間から拒まれてた好多が、ようやく見つけられた夢へのチャンス…叶えさせてあげようよ…。」
姉貴はしばらく下を向いてから、俺の元へ来た。
「好多…死なないで下さい…!」
姉貴の目は、まっすぐに俺を見ていた。
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ヘリポートに行き、ヘリへ乗り込む俺。
見送りに来ていた姉貴の顔は、「あなたを信頼しています」と書いてあるように見えた。
姉御からは、サムズアップを送られた。
そして、俺はヘリに乗り、時空世界マッハ4「ランスト」へと旅立つのだった…。
「…行っちゃったね…」
「………エリ………ちょっと来て下さい………。」
「…?」
「白真少尉に…話があるんです」
~序章・完結~
突然ですが唐突に始まりましたグランドセイバー。
元はと言えば他サイトで連載していましたが
ある理由からこちらに移転しました。
まだまだ未熟な文面ですが
よろしくお願いします。




