D-45 掃射の一撃!二台砲撃主
閉めた扉を空かないように強く押し込む
しかし、インセクタータイプの群れはそれをこじ開けようと
扉に激突してきた。
インセクタータイプ・LEVELⅢ「G」
一つ一つの攻撃力は低いが
集団で襲いかかられれば、一溜まりも無い(精神的にも身体的にも)。
ちなみにコイツはスカラベ型の「スカルス」とよく間違えられるが
コイツはゴキ(以下略)
そいつらがここに居るとなると
相当まずい。
狭い空間であるここに居続けたら
間違いなく餌食だ。
せめて、どちらかが先に逃げなくては
「リリル!お前先にセットアップして窓から飛び降りろ!」
「そ、蒼也は!?」
「後から追う。心配するな、俺だって男だからな、虫の一匹二匹平気さ!」
「で、でもGって言ったらエヴィリゴンでも一番気持ち悪」
「早く行けェェッ!」
リリルは大声に驚いたのか
少しその場で飛び上がり
窓の方を向いて
腕のブレスのボタンを押した。
すると、大型の武装を背負い
ツインテールだった髪型もロングヘアーに変わった
そして、リリルは猛スピードで壁をぶち破り
外に飛び出した。
------------------------
体勢を立て直し、脚部キャタピラを壁に押しつけて
壁を下った。
バカだバカだバカだバカだバカだバカだ
アイツは正真正銘のバカだ
狭い部屋で、G相手に単騎
バカにも程がある
あんな気持ち悪いエヴィリゴンをよくも単騎で
でも…あの時
庇われた時に
何故か胸が苦しかった
この気持ちは何だ?
この思いは
私はどうしてしまった?
どうして私は…
そんなことを考えていると
上で爆発が起き
蒼也も私と同じ方法で降りてきた。
私は地面に降り立つ
蒼也も続いて降りてきた。
「奴らの本体が解った」
「な、なんだと…?」
「さっき飛び降りる時に見えたんだ。やたら黒光りする影が」
蒼也は北を指さした
高層ビル群の影が映る道路だ
その先に向けてロケットランチャーを放つと
50m離れた地点で爆発が起きた。
そこからGの本体「Gクイーン」が現れた。
Gクイーンは、己の体色を利用して影に姿を潜めて居たのだ。
Gクイーンは大量のGを産みだし
こちらに向かわせてきた。
流石に気持ち悪すぎて私は後ずさりする
しかし、蒼也は動じていなかった。
「リリル、俺が先に出る」
「な、何を言ってる!?バカか!お前あの大群は死ぬぞ!?」
「実弾射撃型の専売特許、アサルトライフル。
こいつを使えば、細かい敵は確実に仕留めることが出来る
大型で大振りなビームよりも早く倒すことが出来るんだよ、バーカ」
見事に言い返された…
だが、なんか変な気持ちが渦巻いている
カッコイイなどと思ってしまっている自分が嫌だ
こんなバカ…
「さぁ、行くぞリリル!女王にはお前のBLASTを決めてやれ!」
「フン!あ、当たり前だ!」
次々にアサルトライフルでGを殲滅する蒼也
私は蒼也に身を任せ
ただ、走る
目の前にクイーンが見えた。
「今だリリル!」
「解っている!」
即座に返答し、右腕のランチャーを水素粒子化
左腕のクローのボタンを押す
『SMASH・BLAST!』
粒子は私の前で巨大なビーム砲台
「メガ・ダッシュ・ランチャー」へと姿を変えた
トリガーを両手で弾き、チャージが開始される。
周囲を掃討し続ける蒼也
逃げ腰のクイーン
チャージが完了すると共に
私はトリガーを離した
巨大ビームの弾丸がクイーンを貫き
大爆発を起こした。
同時に周囲のGも次々に消えていった。
----------------------
「敵反応0、ふう…やっと終わったか」
「あの…その…」
「ん?」
「あ…ありがとね!その何て言うか…」
「礼には及ばないよ、大切な友達を守るのは普通だろ?」
「にゃ…!?大切な!?」
「大切な友達さ!」
「た…大切な友達…友達…」
「どうかしたか?」
「………行こう」
「へ?」
「良いから行くの!!もう朝でしょ!!早くしないと合流出来ないよ!!」
「あ、あぁ…」
なんでコイツがこんなに怒っているかは解らない
ただ、コイツと居ると何か
暖かいと言うか
って、何を考えてるんだ俺は…
気のせいだろ
そんなことよりも、好多達が心配だ
桃菜…無事で居てくれ…
~7thAttack Compleat~




