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救世のグランド・セイバー  作者: S・セリザワ
6th Attack「黄色の刃」
26/146

C-58 第二の疾風

拙者が…拙者が全部悪かった




あんな事になったのは

拙者が調子に乗ったから…




兄上と同時に発動したSMASH BLAST


まさか、好多殿に擦るとは思ってもいなかった



ここが戦場であると

何時何が起きてもおかしくない状況だと

あの瞬間忘れていた…




---------------------------------




好多殿に風牙忍術剣の片方が擦った


好多殿の体勢がその時、僅かに崩れた

その背後の壁が




エヴィリゴンでござった。




ビーストタイプエヴィリゴン・LEVELⅣ「カルメルド」

ヤツの能力は、色彩変換

金属質を周囲の色と合せることで姿を消していた



好多殿のセィングならすぐに気がつくはず

しかし、攻撃の回避に気を取られて

マハトを使えずに攻撃を食らったのでござる



その直後に、先の傷が癒えてない兄上への攻撃

兄上は補聴器を付けているとは言え

細かい動きの動作までは流石に聞こえない

背後からの攻撃を兄上は避けれずに


二人とも、大怪我をしてしまわれた…





----------------------



拙者が調子に乗らなければ…あんな事で浮かれなければ


二人は無事であったのに…




「何を落ち込んでいるでござるか?」


ふと声を掛けられて

見上げると、そこには金髪の殿方が立っていた。


で、ここまでの経緯を話した



「要は全てそなた、桃菜殿の責であると?」

「左様…」

「ならば、話が早い。そなたに出来ることはただ一つ…」

「拙者に出来ること…?」

「過去の罪を償うには、今やるべき事をやり通すのでござる。」

「今やるべき事…」

「言い方を少し変えると…切り伏せる相手がいるのではないでござるか?」

「切り伏せる相手…」



そうだ…拙者にはまだやらねばならい事がある


ヤツを倒さぬ限り、同じ目に遭う人がいる。



「気付いたようでござるな?」



拙者は無言で頷いた。



「そうか…ならば…」


と言うと、殿方は腰の刀を抜くと同時に

背後を振り向き、壁を切り裂いた


切り裂いた壁から

カルメルドが現れた



「こやつは、先ほどから御主を背後から狙っていたようでござるな」

「な…気付いていたのでござるか!?」

「いや、あの方が」


指さした方向には好多殿が


「あの方の囁く声が聞こえたのでござるよ」

「セィングでござるか!?」

「拙者の能力はマディス。これで一時的に聴覚を強化したのでござるよ」

「なんと…!」

「さあ、拙者がサポートするでござる、行くでござるよ!」

「は…はい!」



~続く~

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