B-27 風が吹いた日
「人に隠れて悪を斬る!室阿桃菜、見参!」
「それはいろいろまずいから止めておけ。」
「では、成敗っ!」
「それも止めておけ。」
今、目の前にいた少女は
風を纏って姿を変えた。
忍者のような姿
それがもの凄く心配だった。
明らかに装甲は薄くなっている。
つまり、タイガッシュの爪にやられれば
一撃で死ぬ。
そう思っている隙にタイガッシュは桃菜に突撃してきた。
奴の爪は桃菜に突き刺さった。
…と思いきや、突然桃菜が消えた。
気がつくと彼女はタイガッシュの後ろに立っていた。
「拙者のマハト「セルブス」にござる。拙者は周囲のM3bを変換・構築して」
得意げに言いながら、彼女の周囲には大量のM3bの集束反応が
「拙者の所持品を実態のまま、一時的に増やすことが出来るのでござる!」
すると、M3bが輝き、大量の桃菜が現れた。
「勿論、拙者自身も増やすことが出来るのでござる!」
彼女は言ってもいないのに「ドヤッ」と言っている気がした。
だが、この能力は流石に唖然とした。
タイガッシュは、急な事態に混乱状態に陥っているようだ。
桃菜の攻撃が始まる。
分身達が次々にタイガッシュを刀で切り刻む。
そして、攻撃を終えた分身は次々に消えた。
が、桃菜の姿が見当たらない。
その時、上空から何かが飛んでくる音がした。
クナイだ。
クナイがタイガッシュ目掛けて飛んでくる。
「好多殿ー伏せるでござるー!」
聞こえた瞬間、俺は伏せた。
僅か2秒後にクナイはタイガッシュに命中
しかし、タイガッシュは爪で弾いた。
が、弾かれた瞬間クナイは大爆発を起こした。
なんと、クナイには火薬が仕込まれていたのだ。
あまりの爆発力で吹き飛ぶタイガッシュ。
そして、桃菜は着地した体勢の状態で
服の中からカードのような物を取り出した。
それを左手の甲にあるスロットに挿した。
『SMASH BLAST!』
電子音が流れると桃菜は刀を分身させる。
その二つの刀には徐々に風が纏う。
タイガッシュはボロボロになりながらも立ち上がってきた。
しかし、その足下には震えが見えた。
刀に纏った風が唸りを上げる。
そして、タイガッシュ目掛けて桃菜は右手の刀を振り下ろした。
風がタイガッシュを切り裂き、斬られた跡が出来た。
休ませる暇を桃菜は与えない。
今度は横に斬り、タイガッシュに跡が出来た。
桃菜が左手を返すとタイガッシュは斬られた跡に沿うように崩れ落ちた。
----------------
「いやぁ…すまねぇな。まさかあそこまで強いとは…」
「いやいや、拙者も言うのが遅かったでござる。こちらこそ失礼!」
「デハ、残リノ三人モ探シマショウ。」
「あぁ、そうだな………待て、残りの三人…?」
「ユーザー「室阿 桃菜」ハ、貴方ト合流スルマハトノ一人デス。」
「お前さ…今回ばかしは言うのが遅すぎるだろぉぉぉっ!」
「好多殿、F.A.C.E殿を殴ってはダメでござるぅ!」
正直に言うと、俺は今がとても幸せに感じている。
初めて、俺をまともに見てくれた「人」がいたのだから。
そして、初めて「友達」と呼べる存在に会えたのだから。
~3rd Attack Complete~




