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救世のグランド・セイバー  作者: S・セリザワ
2nd Attack「閉空の怪鳥」
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B-38 逆転への一本道

落下中にプラズマーに切り替えて、ミサイルの数発は防ぎきった。

切り裂いたミサイルの一部は地面に激突して爆発

地下水路への穴に俺は落ちた。


しかし、残り数発は俺に直撃したわけで、ダメージを負ったのに変わりは無い。






「身体ヘノダメージ、60%。コノママダト、間違イナク次ノ戦闘デ助カル確率ハ無イデショウ。」

「確率がなんだよ…こんぐらいでへばってるようじゃ守れるもん守れねぇって。」

「デハ問イマス。今回ノ敗因ハ何ニアルト思イマスカ?」

「解ってるよ…単なる疲労だ」



-マハト-



今回の戦いで解ったが、その能力源は体力、言うなれば「飲料缶」だ。

穴が開けば中の水は零れる

開けば開くほどその量は増える。



つまり、「疲労」という名の「穴」が、マハトを使うだけの体力を零していたのだ。


スイブラスとの戦闘によるダメージは予想以上に大きく

マハトを使えるだけの体力は残されていなかった。



正義感が自らを殺した。

しかし、それはそれで気分が良い。




敵を倒すことは叶わなかった。

しかし、「ダメージを与えられなかった」訳では無い。


「F.A.C.E、一つ聞きたいことがある。残りの水色と黄緑のボタンだ。」

「「フリーザー」ト「ストーマー」デスカ?」

「名前的に、氷と風か?」

「「フリーザー」ハ連射型ノ中距離射撃型モード。冷凍弾ヲ発射シマス。

「ストーマー」ハ一掃用ノ近接形態。風ニヨル攻撃ガ可能デス。」

「で、そのスマッシュ・ブラストについてだが。」



………



「解った。それなら行けるな…。」

「作戦ガアルヨウデスガ、ソノ体デハ無理デス。死ニマスヨ。ダイタイ、マハトヲ使ウコトガ」

「出来ないからこその作戦だ。」

「話ハ最後マデ聞イテ下サイ。」

「お前が言える台詞じゃ無いな。」



僅かに回復した体力でマハトを使い敵の位置を探る。


距離は1.22km先、B-30辺り。

セット・アップしてブースターで水路を駆ける。

地上に出て600m先、フリードマンを確認。

ブースターで1km先のビルの屋上に先回りする。



屋上に着いた瞬間、フリードマンはミサイルを発射してきた。

即座に黄緑色のボタンを押してストーマーに切り替えた。

フレイマーの先端と背部からブレードが出たのを確認し

取っ手を引く。


『SMASH・BLAST!』


腕を八の字に振り回すと、両端から光刃が連続で発射された。

光刃は空気摩擦で威力を増し、ミサイルを全て落とした。

同時に、気流の乱れが発生した。


ストーマーの風の力は半端ではなかった。

気流の乱れでフリードマンの船体が傾き、揺れ始めた。

こちらに傾いた瞬間に、鋼板に飛び乗った。



予測通りだった。

前にスペリングプロミネンスで攻撃した際に、鋼板にヒビが入っていたのだ。

ミサイルが再び発射される。



-やるなら、今しか無い-



水色のボタンを押して、フリーザーに切り替える。

ヒビとフレイマーを接触させた状態で、再びスマッシュ・ブラストを放つ。



氷が巨大なフレイマーの形状の氷塊を生成

そのままトリガーを引くと、氷塊は前面に押し出される形でヒビを押し

内部に氷塊の先端が侵入し、コードに傷を付けた。

フリードマン内部で漏電が発生、そのまま大爆発を起こした。



爆発に吹き飛ばされて、目の前が真っ暗になった。





そのとき、温かい手のような感触を感じた。




頭を過ぎったのは



姉貴



姉御






おふく…







~2nd Attack Complete~

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