学校生活
『ピピピピ…♪』
うるさく鳴るケータイのアラーム。寝惚けながらもアラームを止め体を起こす。
「ふぁ〜っ!!」
背伸びをしながら欠伸をする。時計の針は朝の6時をさしていた。
いつものように学ランに着替え、洗面所へむかい身だしなみを整える。
キッチンへいくとテーブルの上に菓子パンがおいてあったのでそれを手にとりカバンを持って玄関へむかう。
茶色いコンバースのオールスターハイカットを履いて自転車にまたぎ家をでる。
俺は公立高校に通う1年だ。
一応進学校ではあるが進学校の中でもレベルが一番低く対した大学にいけない、就職もパッとしない中途半端な学校だ。
俺の家から学校まで50分程かかる。軽快にペダルをこぎながら菓子パンを頬張る。
特別声をかけられない限り知り合いや友達がいても話したりはしない。
朝はめっちゃテンションが低いので誰ともはなす気がおきないのだ。
そんなことをいってるまに学校についた。いくら50分だといっても文にしたら短いものだが、そこは気にしないでおく。
自転車を駐輪場におき、下駄箱で靴をはきかえる。
周りでは、ひっきりなしに挨拶がかわされているがテンションの低さゆえにスルー。
教室へ着くと自分の席へ腰掛ける。
真ん中の列の一番後ろの席で良くも悪くもない席だ。
周りは挨拶や雑談してるなか俺はまだボーッとしてボケッとしている。
決して友達がいないわけではない。話しかけてこないので、話しかけないのだ。頭の中の俺がようやくベッドから起きたところで、
「ぢゅん、おはよう♪」
「あぁ、來未か…おはよう。」
「來未か…じゃないわよ。あんたボーッとしすぎよ!シャキっとしなさい。」
「…無理だ。」
と答えたとたん背中を平手打ちされた。
おかげで目が覚めてきた。來未は、
「目が覚めたでしょ?」
とかブツブツ言ってた。
コイツは山田 來未(やまだ くみ)
出るとこ出て引っ込むとこは引っ込んでる女。色が白く、黒髪の背中くらいまでのロングストレート。
まぁ、可愛いより綺麗な感じの女だ。
高校に入学してからずっと隣の席で、かなり馴れ馴れしく入学当初から話しかけられ、いつのまにか仲良くなっていた。
当然のごとく今も隣の席だ。
「ねぇ、ぢゅん。誰にブツブツ私の事はなしてんの?」
「ん?読者だ。」
「読者だ。ってサラッと答えられても意味分かんないよ!!」
「ふっ…おこちゃまは知らなくて良い世界さ。」
また背中に平手打ちが飛んできた。
ちなみに來未は空手部所属で中学で全国出場したらしい。力は俺よりかなり強く、この女より俺のがか弱い。
あまりの痛さに声がでなかった。
來未はというと鼻唄をうたいながら授業の用意をしていた。
「朝から激しいドメスティックバイオレンスだな、ぢゅん。」
「あぁ、平くんか。おはよう。」
「毎朝、ぢゅんのこんな姿見てる気がするよ。大丈夫か?」
「大丈夫だよ。おかげで目が覚めるしな。」
こいつは不二井 平(ふじい たいら)
頭脳明晰(学年トップ)
スポーツ万能(サッカー部1年にしてレギュラー)
容姿抜群(月1ペースで告白される)
背高い、足長い、スリム、綺麗な顔立ち。素晴らしいイケメンくんです。
こんな完璧人間と仲がいいのは出席番号が前後で、平くんから話しかけてきたのがキッカケだ。
クラスの委員長でもあり人気者だ。
設定が俺と差がありすぎだ…(泣)
「ぢゅん、何泣いてるんだ?」
「いや、平くんの完璧ぶりを読者に語るうちについ涙が…」
「ぢゅん、読者ってな…」
「平くん、その流れ一回私の時やったわよ。」
來未が横から口を出した。
「そうか…。」
平くんは困った顔をしていた。
そんな話をしているうちにチャイムが鳴り授業がはじまる。
そして俺は、授業開始早々に來未の方を向き眠りについた。
來未はぢゅんの寝顔を可愛いと思いつつも授業をうけるのであった。