表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAGIC・SOUL  作者: 水上 鍵
第一章 新しき学園といつもの生活
7/24

6話 霧島亜紀

「んじゃ茜、帰るぞー」

「あ、うん。ちょっと待ってて

「オッケー」


廊下に出て待つ。

時刻は12時。

今日は入学式とクラスでの挨拶だけの午前登校なので、弁当などは持ってきていない。

なので、帰ったら昼飯何を食おうかなーとか思ってると、足下に何かの紙が飛んできた。

何だこれ?

その紙には大きくこの文字が。


「生徒会通信?」


ふと紙が飛んできた方向を見てみる。

すると、朝会った生徒会の人がこっちに向かってきた。


「ごめんなさい。あ、拾ってくれたの?」

「え、あ、はい」

「ありがとね。えっと……」

「あ、上夜です。上夜 仁。」


ってあれ?名前知ってたんじゃなかったっけ?


「上夜くんね。私は霧島亜紀、よろしくね。……ん、上夜?」

「どうかしましたか?」

「えーっと、上夜くんって兄弟いる?」

「ええ、ということは兄貴と知り合いなんですか?」

「あ、やっぱり直貴なおたかくんの弟なんだ。」

「まぁ、はい……。」


そう、俺には聖凪に通う3年生の兄貴がいる。

いつでも何でも完璧にこなす兄貴が。

傍目から見たら『立派な頼れるお兄さん』何だろうが、実際比べられるだけの嫌な存在だ。

実を言うと俺は勉強は少し苦手だ。

そして聖凪高校は偏差値が一般よりだいぶ高い。

それでも俺がここを受験したのは兄貴との差を付けられないため、というのがでかい。

受かったのは一年間の猛勉強のおかげだろう。


「いつも直貴くんにはお世話になってるのよ。」

「え?」

「え、って。あなたのお兄さんは生徒会長でしょ?」

「……あー、そうなんですか。」

「知らなかったの?」

「ええ、兄貴は中学生になってから一人暮らしを始めましたので、あまり会ってないものですから。」


中学生から一人暮らしというのは珍しいことだろうが、俺の母さんは数年前に亡くなってて、親父は仕事で忙しいので昔から俺達は二人暮らしだった。(といってもあまり会話はなかったが)

それが別々になっただけだからあまり変わらない。

それにしても生徒会長かー。

まぁ、あの兄貴なら普通といえば普通だが。たとえ教師をしてると言われても大して驚かない。


「そうなの?まぁ私も生徒会の仕事以外ではそんなに会わないしね。」

「そうなんですか。あ、それよりもさっきはパンフレットありがとうございました。」


兄貴の話は別にどうでもいい。ある意味最も苦手な話題かもしれない。


「え、パンフレット?何のことかしら?」

「へ?いや、今日の朝道に迷ってるところを助けてくれたじゃないですか。」

「……ん?あなたとは今が初対面のはずだけど。朝は始業式で喋ることの練習をしてたし。」


え、何ですと?いや、そんなはずはないだろ。


「……じゃあ姉妹とかはいます?」

「お姉ちゃんはいるけど大学生。ここにいるわけないわ。それに、ほら?」


亜紀先輩がポケットからある物を取り出す。それはまさしく俺が貰ったのと同じのパンフレットだった。


「一つしか持ってないけど、今ここにあるってことは私のじゃないってことでしょ?」

「そう、ですねぇ……?」


やっぱり、夢だったとか?

いやいや、そんなばかな……

じゃあ俺が持ってるパンフレットは何だ、ということだ。


「あ、私もう行かないと!力になってあげられなくてごめんなさい。」

「いえ、こちらこそ変なこと言ってすみません。それじゃ」

「うん。またね。」


またね、か。

ふむ……。やっぱり人違いだったのか?

兄の名前は知り合いの直貴(なおき)の呼び方をいじりましたw


茜の容姿と男子クラスメートの名前をちょいと変更!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ