表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAGIC・SOUL  作者: 水上 鍵
第二章 異なる世界と少女の救出
20/24

19話 陸 救出

――数分前――


「ということでほら、教えた通りに復唱してみて?」

「は、はぁ。……えっと。目を閉じて、自分が真っ白の部屋にいると考える。そして部屋の真ん中に球体のイメージ、色は自由になるべく濃く。中心めがけて飛び込み、爆発する」


感想、なんじゃこりゃ。

これで本当に魔術が使えるのか?

随分ずいぶんと簡単なんだが。

これやって何も起こりませんでしたー、じゃ痛い人すぎるぞ。

あ、そういえば白江さんどこ行ったんだろう。

由紀ちゃんが蜜柑を沢山持ってきて……まぁ今はいいか。


「それじゃあ今と同じで、今度は呟きながら想像してみて。より鮮明に正確に、真剣にね」

「わ、分かりました」


よく分からんが本気の目だな、ミーシャさん。

よーし。えっと、まずは……



―目を閉じる―


閉じた。


―自分は壁も床も真っ白の部屋にいると想像する―


俺は純白の部屋にいる。


―そして部屋の真ん中に球体をイメージ―


イメージは自由。

色は漆黒、サイズは身体を被える程度。

理由?漆黒って言葉、なんか良くね?……俺だけか。

そして何事も大きすぎず小さすぎずだろ?……この考えも俺だけか?


―そして、その中心めがけて飛び込み―


飛び込む。


―爆発―


黒い炎と黒い煙が純白の部屋に充満する。

それから、それから……


「声がする方向に飛びなさい」


……声?

耳を澄ます。


「―――ッ!」


助けてと、聞こえた。


「……じゃあ助ける!――ってあれ?」


何言ってんだ、俺?

妙な浮遊感を感じ目を開ける。

下を見てみると、飛んでいた。

跳ぶ、ではなく飛んでいる。

今、地面に足はなく、空中。

しかも高速で飛んでいるのに、何故か周りがいつもよりゆっくりと鮮明に見えている。

そして前方では、さっきの大魚が男の子――そう、陸くんを噛み砕こうと……

ってちょっと待て。


「させるかよ」


そのまま高速で突撃しながら一気に距離を詰め、〇距離になったところで蹴り上げる。

大魚の巨体は一瞬陥没し、水面からドボォンッと強制的に飛び出す。

そしてそのまま浮いた巨体を回し蹴りで向こうの壁まで蹴り飛ばす。

左方向からドシャッと鈍い音が響き、その間に陸を引き上げ岩の上に立つ。

そのかん、約0、6秒。

しかし仁の感覚的にはそれさえいつもよりも遅く見えていた。


「……さっきの、おにーちゃん?」


自分がいつの間にか抱えられていることに気づき、戸惑いながら陸が呼んでくる。

ふむ。ここはまぁ安心させる意味を込めて明るく返事をしようではないか。


「おう、大丈夫だったか?」


……普通だな。

陸を抱えて不安定な足場から、水際の由紀ちゃんの所まで飛躍ひやくして渡る。

って、うぉっと!?

……跳び過ぎた。

うーむ。結構脚力の調整が難しいぞ、これ。


「わー!おにーちゃんすっげぇー!」


高飛躍に対して陸が感歎の声を上げる。

……ミスっただけなんだがな。

そういえばさっきもすごかったな。

せいぜい陸を抱えてさっさと退散!、ぐらいまでしかできないと思ったんだがー。

うん、まさかの大魚退治だよ。

距離を詰めたと思ったら、まだ大魚の口と陸までの距離があまり変わってなかったから流れで攻撃しちまった。

うおっと、離れてから1分も経ってないが懐かしく感じる安定した地面の感触。

着陸完了!

お、白江さんがこっちにってきた。


「陸、怪我はしてないか!?」

「だいじょーぶ!おにーちゃんがたすけてくれたからね。」

「そうか……」


白江さんが心底安心したように呟く。

あ、こっち向いた。


「上夜くん、本当にありがとう。助かったよ。……それでいきなりだが、今のはやはり?」

「え、ああ。成功したみたいですよ、我空間パーソナルフィールド。……何故か分かりませんけど。」

「何故か、って何かしたんじゃないのか?」

「え、まぁ一応。ミーシャさんが教えてくれたコツってのを思い浮かべました。」

「思い浮かべた?……まさか!?」

「そのまさかよ、白江さん♪」


うぉ!?いきなり登場。

ビックリしたー。


「ミーシャ……」

「あら、いけなかったかしら?一番手っ取り早く簡単だと思ったんだけど。」

「そういう問題では無いだろう。だいたいあれは――」

「――魔力が暴走する危険がある?」

「……やはり知っていたのか。」

「それはもちろん。」

「ちょ、ちょっと待った!」


よく分からんが発動、ストップコォール!


「ん、なぁに?」

「なぁに、じゃなくてですね……。暴走ってどういうことですか?」

「あれ、言ってなかったっけ?」

まったく聞いてません!」


暴走の「ぼ」の字も聞いてないぞ。


「そう。だったら説明を始めるね」

「お、お願いします。」


……なんか説明ばっかりだな。

テスト期間で投稿遅れましたー

サブタイ変更!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ