1話 平凡な朝
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周りを見てみる。
照りつく太陽に青い空、巨大な建物にその前にある広場。
広場の中央には大きな噴水・周りには木の長椅子が2つある。
噴水の近くには高さ170cmぐらいの銅像があるが、誰だかは全く分からない。
有名な学者や博士とかだろうか?
目の前にある建物はどうやら学校のようだし、もしかしたら校長先生かもしれない。
いや、今はそんなこと気にしてる場合じゃないんだ。
俺が今、本当に知りたいことは───
「ここはいったい何処なんだ?」
俺、上夜 仁は迷走中だった。
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時間軸は、出来事の一日前まで遡る。
今朝は携帯電話の着信音で起きた。
「……どちら様ですか?」
「立花です。立花 茜。寝ぼけてないで起きなさい。」
「……茜?こんな時間に一体どうした?」
立花 茜。
家が隣で昔からの知り合い、いわゆる幼馴染と言うものだ。
「こんな時間じゃないよ。今日から学校。休みはもう終わり!」
「……学校?」
寝ぼけた頭がだんだん覚めてきた。
今日は4月8日、高校生になった俺達が今年から通う聖凪高校の入学式の日だ。
そういえば中学のときにもこうして茜に起こしてもらってたんだが、冬休みの間は早く起きる必要がないのでこの習慣のことはすっかり忘れていた。
「えっと、今何時だ?」
「7時30分。まだ1時間ほど時間はあるけど学校見て周るって言ってたでしょ?」
確かにそんなことも言ってた気がする。
「あー、もう面倒くさいからいいや。んじゃ、おやすみ。」
「おやすみ、じゃないよ。後から文句言うのは仁くんでしょ!」
……否定できない。
「はぁ、分かったよ。それじゃあ用意するから待っててくれ。今どこだ?」
「家の前だけど。」
「え、もう前にいるのか?」
「うん。起きなかったらチャイムを押しまくろうかなって。」
おいこら、なに考えてんだ。
「あー、だったらポストの中の上側に合鍵があるから入ってていいぞ。」
「え、いいの?」
無用心と思うかもしれないが、未だ泥棒に入られたことが無い。
元から盗み目的でくる泥棒は合鍵など探す思考の余裕や時間は無いのだろう。
「そのまま待たせるってのもなんだしな。別に茜だしいいよ。」
「ありがとね。あ、あった。おじゃましまーす。」
下でドアの開く音がした。
ちなみに上夜家は一軒家であり、仁の部屋は二階である。
「ういーっす。それじゃ。」
と言って携帯の電源を切る。
目を覚ますためにぐぃっと背伸びをする。
当たり前だが、俺は明日の朝もこれからも、変わらない毎日を過ごすのだと思っていた。
そう、明日を迎えるまでは。
ここに人物の容姿などを書こうと思います。
──上夜 仁──
身長172cm
髪は黒色で前髪が少し長めです。
勉強はいまいちだが、自分が集中できることだと物事の吸収は早い。
運動神経は抜群。
母親は亡くなり、父親は仕事のせいで一ヶ月に数回帰ってくる程度。
聖凪高校1年生。
他にも設定はありますがまた後で。
───立花 茜(仮)───
身長163cm
髪は肩ぐらいまでの長さで少し黒っぽい茶色。髪留め有り。
仁の隣に住んでおり、幼馴染。
基本誰にでも優しいのだが、少々おせっかいな所もある。
聖凪高校1年生。(容姿は中学校の友達を。了承は得ました。)
茜は物語本編にあまり関係しない設定で、ありきたりってのを元に名前を決めたんですが、関係する方向でストーリーが決まったので名前を変更する予定です。
今は全く決まってないので、何かいい名前がある人はよろしくです!