14話 見知らぬ場所
上空を見上げる。
昨日の雨空とは違う、照りつく太陽に青い空。
目の前には巨大な建物があり、その前には広場がある。
その広場の中央には大きな噴水があり、最も上の部分に誰かの像がある。
有名な学者や博士だろうか?
前に見える建物は学校のようだし、もしかしたら校長先生なのかもしれない。
そして俺はここを知らない。
「ここは、どこだ?」
闇の中に入ったとたんに気が遠くなり、気がついたらここに立っていた。
あれはワープ装置みたいな物なのか?
普通ならありえないのだが、触れただけで飛ばされたり、いきなり体が動かなくなったりなど、よく分からない経験があるので否定できない。
「そうだ、空だ。空、どこだ!?」
と叫んでも返事は返ってこない。
「近くにはいない、か。まぁ眠ってたから返事ができるとは思えないけどな……。ふむ、あのルチアって奴が周りにいないってことはそれぞれ別の場所に着いたってことか?」
もう一度周りを見回す。
少なくとも近所じゃねーな。
こんな広そうな所を十年以上住んでいて知らないわけがない。
「というか、勢いで来ちまったけどいなかったらいなかったで、すげーヤバい気が」
……………………………
「空!どこだ、どこだよおい!?」
敵に見つかることお構いなし無しに走って叫びまくる。
「空!空ー!そら~…」
……おらん!
簡単に見つかるとは思って無かったけど、実際にこうなると悲しくなってくる。
しかもこんだけ叫んで誰一人出てこない。
完全に無人だ。
下手したら餓死の危険もあるんじゃねーのか。
「ど、どこ――、ぜーはーぜーはー」
やべ、酸素酸素!俺にエネルギーを!
……ふぅ。
かれこれ三十分ぐらい走り回ったが見つからない。
時たま休んだもののずっと全力疾走だ。さすがに体力が尽きた。
つうかその上一人いないってどういうことだ?
「くそ、人がいたら聞き込みとかできるのに……」
家や店はあるのに、やっぱり人気は感じない。
あんな大剣持った奴がうろうろしてたら普通騒ぎがあるはずなんだが、人がいないとなると騒ぎ自体起こるはずがない。
「それに、この町も何か違和感があるんだよな」
人がいないというのもあるが、根本的に町の何かが俺がいた所と違う。
そして、これは見た目のことだが……全体的に色素が薄い。
建物も公園の木も道路も、普通より薄い感じがする。
「一言で表すと『無』だな」
町の雰囲気がない。
活気がないのは人がいないので当たり前だが、独特のなにかってものを感じない。
……それはそうと、何でもいいから手掛かりないかな。
そう思い、今度は歩きはじめる。
「うーむ、やっぱり無謀だったか?……いやいや!めげるな俺!頑張れ俺!」
自己暗示~…
むむむ……
そんなことをしていると、
―ドゴォン!―
大きな音が前方からした。
「はぁ!?何だ何だ、人なのか!?」
爆発みたいな音だったが、なにか原因がないと爆発なんて起こらないはずだ。
まぁ人だったとしても爆発愛好者とかならお断りだが。
いや、今はそれでもありがたいか。
とにかく行ってみよう。
「おーい!誰かいるのかー?」
2章来ましたが、当初の予定ではこのまま1章続行のつもりだったんですよねーw
まぁ、10越えだから次行こうかー!ってな感じで2章にしましたw(超適当)
章にタイトル付けようと思いますが、思い浮かばないので保留ですね。
タイトルの発想がほぼ無い俺、悲しい……!