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stage7 私の鏡夜なんだから!vol.1

鏡夜が新たにスケルトン種であるリナを仲間に加えて、改めて目的地の街へと歩き始めた頃の事。鏡夜達は小さな川を渡る橋にさしかかっていた。しかし、その川縁には面白い植物や動物が沢山居るとシグレが教えてくれたので少し休憩することにした。


「……マスター……」

リナが、鏡夜の傍で特に何かをするでもなくジッとしていると、リナが唐突に鏡夜を呼んだ。すぐ傍にいたのできちんと聞こえた鏡夜は少し驚いた。リナの手には、いつ捕まえたのか小型犬程の大きさもある巨大なバッタが捕まえられてジタバタと暴れていた。それを素直に褒めてあげた鏡夜は、リナの頭を撫でて褒めてあげた。すると、リナの表情が多少明るくなった気がした鏡夜だが、直ぐにいつもの無表情に戻ってしまった。そしてリナは、鏡夜の真似をするように手に持っているバッタを撫でてあげた。しかしそのバッタは非道なバッタなのか、すぐに嫌がって逃げてしまった。それを、リナは追いかけようとはしなかった。


「…………」

ただただバッタが飛んで行った方向を見つめていた鏡夜だが、向こうの方からピリカが呼んでいるのが聞こえて立ちあがった後に、まだそこら辺をキョロキョロしていたリナと少し別れてピリカの所へ向かった。直ぐにピリカの居る場所へと辿りつけた鏡夜は、ピリカの周りの異変に気が付いた。トラップではないにしても、これは何かがある。そう思わせるようなトラップが色々な個所に設置されている。どうやらそのトラップに四方八方囲まれていたらしく、ピリカは涙目で動けないでいた。すぐさまその場を動いてピリカを助けようと動いた鏡夜だが、早速トラップの一つが発動した。これはどうやら竹の槍が飛んでくる仕掛けの様だ。ただし、飛んできたのは爪楊枝の様なものだった。それを楽々と手で受け止めた鏡夜は、大きさからこのトラップを仕掛けたのがピクシー種であるとすぐに理解した。しかし、この雑さには違和感を覚えてしまった。


「お兄ちゃん!助けに来てくれた!」

嬉しそうに目を輝かせたピリカは、嬉しさのあまり鏡夜に向かって飛んできてしまった。そこでやはりトラップは発生してしまった。それは、ピリカが鏡夜に向かおうと飛んだ時に足にワイヤーを引っ掛けると言うものだった。すると、何処からともなく煙玉が投げ入れられた。幾つかが固まって飛んできたのだから、これも設置されたトラップの一つなのだろうと思った鏡夜は一つ一つを飛んできた方向とは違う方向へと弾き飛ばした。すると案外簡単な場所に隠れていたピクシー達が煙に耐えかねて出て来た。


「ケホッ!コホッ!・・はっ!もう、こうなりゃ強姦よぉ!みんなぁ!戦闘準備ィ!」

煙の中から出て来たのは、ピリカとそこまで年の変わらないピクシー種の少女だった。そして、彼女が怒りを露わにすると、仲間のピクシー種を呼んで来た。なにやら暴言の様な物も聞こえたが、鏡夜はさして気にする事も無かった。ピリカと同じように擽って解決させようと身構えた鏡夜。しかし、意外な事が起こった。鏡夜の背後からいきなり現れたピクシー達が鏡夜の足をすくった。そのお陰で予期せぬ体勢から転んだ鏡夜は、状況を理解するのに少しばかりの時間を要してしまった。その間に鏡夜を縄で縛ってしまったピクシー達は(見た目だけだとガリバー旅行記の小人の島である。ちょっと大きめだけど。)鏡夜の服の中に入ってきたり、鏡夜のズボンを脱がそうと努力したりしていた。その内に、ピクシー達がベルトの存在に気が付いてしまった。そこからは素早くベルトを引き抜くピクシーの姿が見る事が出来た。しかも、その中にピリカの姿まで見えたのには少し呆れてしまった。そうこうしている内に鏡夜はズボンを脱がされてパンツ一枚になってしまった。歓喜の声を上げたピクシー達は、そのまま鏡夜のパンツを脱がそうとした。しかし、その途中で矢の様なものが飛んできてピクシーを綺麗にすり抜けて鏡夜を縛っていたワイヤーを切り裂いた。それに気が付いていないピクシー達は、ダイブしようと身構えたりしていた。そこで鏡夜が腕を伸ばし、手近に居た一人のピクシーの太股をくすぐった。


「はうぅ・・はあぁっ!・・・も、もっとぉ・・」

鏡夜がくすぐったピクシーは、突然の快感からなのか背筋を伸ばして恍惚の表情を浮かべながら一瞬で鏡夜の手の上へ崩れ落ちた。息遣いも荒いピクシーは、快感に体を震わせながらも鏡夜の手にしがみついて迫って来た。それを見たピクシー達は、まとめて(約6名)鏡夜の手へ飛びこんで口々に先程と同じ事を求めて来た。


「お兄ちゃん!私も!私もぉ!」

ピクシーのまるで無理やりに色仕掛けでいこうとしている中途半端な艶やかさの声の中にピリカの声を認めた鏡夜は、ため息を吐きながら最初に飛び込んできたピクシーの太股に指を走らせた。すると一瞬で恍惚の表情を浮かべたピクシーは、そのまま鏡夜の手にしがみついた。どうやら往生際が悪いらしく、ピクシーは鏡夜の手を抱きしめて離そうとしなかった。しかし、鏡夜が指をピクリと動かすとピクシーは体を強張らせて嬌声を挙げて鏡夜の手を締め付けた。そして、体をブルブルと震わせながら力尽きたピクシーは気持ち良さそうに下へと降りた。その調子でピクシー達の相手をした鏡夜は、あっという間に全てのピクシーを満足させてしまった。そして満足気な表情のまま眠ってしまったピリカをバッグの部屋に入れた鏡夜はその場を去った。


「あっ!鏡夜!良い所に。ちょっとこっちに来てくれないか?」

ピクシー達の躾から解放され、ピリカをバッグに入れてそこら辺をウロウロしていた鏡夜だが急に近くからシグレに呼ばれた。なんだろうと思って近づいた鏡夜は驚いた。そこは川辺だったのだが、そこに居た少女に鏡夜は驚いたのだ。見た目は人間の少女と大差ない。しかし、彼女の背中には大きなランドセルの様な物が背負われていた。そして頭には純白に輝きそうなほど白いピカピカしたお皿が乗っていた。すると少女は、シグレと話していたのを止めて鏡夜を品定めするかのように見つめた。


「・・・うん。シグレちゃんの言う事に間違いは無いね。私はカナ。しがない妖怪河童さ。よろしくね。」

鏡夜を見つめていたカナは、鏡夜がシグレの言う通りの人物だった事に喜んでニコリと笑うと、鏡夜の手を握って自己紹介をしてくれた。どうやら鏡夜の一瞬の予想は当たっていた。見た目的には人となんら変わりないカナだが、やはり河童だった。そしてカナは、鏡夜の手を離すと何故かキュウリを手渡してくれた。どうやらこれはカナの好物らしく、シグレが認める鏡夜にこそ食べて欲しいのだそうだ。それを聞いた鏡夜は、それをお礼を言って食べて見た。すると食感や味などは普通のキュウリとなんら変わりない物だと分かった。


「うん。美味しいよ。」

鏡夜がキュウリを食べて率直な感想をカナに伝えると、カナはとても嬉しそうに笑うと「良かった!」と言って鏡夜達に手を振って水の中へと帰って行った。どうやら手持ちのキュウリが底を尽きたのと約束があったのだろうとシグレから聞いた鏡夜は、直ぐそこで水浴びをしていたライムも連れて橋へと向かった。そこでは既にリナが待機していて、鏡夜の姿を見つけると遊んでいた小動物に別れを告げて逃がしてやると鏡夜の元へとゆっくりと歩いて行った。そして、合流した鏡夜達は河を渡している橋を渡って行った。そのすぐ傍では、川から出て来たカナが、鏡夜をトロンとした目で見つめているの彼女以外は知る由も無かった。

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