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迷惑な隣人
ある所に迷惑な隣人が居た。
まだ、早朝間もない時間から大きな音で騒ぎだし、それが夜になるまで永遠と続くのである。一日も休む事はなく、まるで勤勉な公務員のように規則正しく悪さしていた。その上、家に待たせている子供は腹を空かせているのか、ピーピー喧しく鳴いている始末であった。
だが、そんな迷惑な隣人が居るというのに、住人が文句を言うことは一度もなかった。
ガラっ。
夫人は窓を開けた。
「ふふふ、今日も元気に、窓の上にある巣の中で鳴いているわね。暖かい所まで飛んでいけるぐらい成長するのが、今からとても楽しみだわ」