2ちゃんねる
「って言う、政治のネタがあってさ。あの政治家も今は善人ぶってるけど、昔は色々と売国が酷かったんだぜー」
「ああ、ソレちょっと昔2ちゃんねるで話題になったよな」
「……え。お前、2ちゃんねる、なんて知ってるのか?」
「ああ。よく見てるよ」
「お前もかよ。おいおい、あんな誹謗中傷ばっかり集まっているようなモノを見るなんてどうかしてるぞ。自分からドブにはまりに行ってるようなものじゃないか。その頭、大丈夫か?」
「んー、そうかな。僕にはツールの一つって意識しかないけど」
「ツール?」
「そう。確かに悪意しかないコメントも多いけど、中には自分の発想だけじゃ思いつかないようなものもあるんだぜ。その中から、自分で正しいコメントを選択をすれば良いだけだろ」
「でも、2ちゃんねるだぜ。偏見しかないだろ。時間の無駄だよ」
「そうかもな。ただ、普通に話していても偏見が多い時だってあるし、何が自分にとって正しいのか判断する材料は必用だろ」
「んー、でも、自分じゃ冷静に見ているつもりでも、そのドブに心まで影響を受けるって事はあると思うぜ。昔から、朱に交われば赤くなる、って言うだろ。完璧に正しく生きられるヤツはいないよ」
「はは。それは、あるね。だからこそ、ツールの一つってだけさ。あまり見ないようにしているよ」
「あんまり染まらないように気をつけろよー。お前が2ちゃんねるを見ているなんて意外だった。って言っても、俺だって時間が空いたらつい見てしまうワケだが」
「ははは。分かる分かる」
「まあ、暇つぶしだよな」
「そうだねー。気がついたら朝になっていたり、必死になったりしてさ」
「あるある。所で、お前は2ちゃんねるの主に何を見ているんだ?」
「僕? 僕はザーって見ているよ」
「……ザー?」
「そう。大体、2時ぐらいから電源を付けて、画面の端から端まで眺めていることが多いかな。偶にフラッシュみたいな光りが走るんだけど、それがまた良い政治的な意見が多くてさ。凄い参考になるんだよねー」
「……画面の端から端?」
「うん。あんまりジーッと見つめすぎているのは、体に毒だと分かっているんだけどね」
「……な、なあ、なんか話しが食い違ってないか。お前はさっきから何の話しをしているんだよ?」
「え、2ちゃんねる、についてだろ。僕は夜中にやってる政治討論が好きでさ。つい、ずーっと見てしまうんだよね。ただ言い争ってるだけかもしれないけど。あれが始まると、もうテレビのリモコンを放せないというか。チャンネルに釘付けになってしまってさー」