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安眠マクラ
ライト博士は、絶対に安眠できるマクラを発明した。
これさえ完成すれば、この世にある全ての不眠症を治せてしまうというのだ。
だが、実験では成功したというのに、自分で試してみても安眠する事が何故かできなかった。もしかして自分の発明は失敗していたのか、そう思うと余計に眠れなくなっていった。ライト博士は、何日もベッドの上でゴロゴロと転がり続けてしまっていたのだった。
「……ねえ、貴方、もういい加減にして。横で動かれていたら、こっちも起きてしまうじゃない」
怒った奥さんは家から飛び出していった。
すると、今度はライト博士も直ぐ眠りにつけたのだった。