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究極のイス

 

 長年連れ添った妻の様子が最近変わった。


 部屋に独りで閉じ篭もり、夜は湿った息を何度も吐く。


 たぶん痴呆だろう。


 そこで天才科学者のS博士は、ある発明を完成させた。


「それが、この究極のイスですか?」


 と若い助手のN。


「ああ。座るだけで脳細胞が元に戻る。ただ長時間だと、戻りすぎて胎児化してしまうが」


 するとS博士は、強引にN助手に着座させられた。


「な、何をする」


「貴方が痴呆になれば、私と奥さんが助かりましてね。2人が結ばれるためには、貴方がボケてくれた方が手っ取り早いんですよ」

 

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