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私の愛する使い魔さん  作者: 龍冶


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第8話

 

 ベルメリ、傍から見ればハイスクールをさぼっていながら、校門付近をうろつく、不審な女生徒といった所。

 夢中になっていて、失念しているが、職員室から校門は丸見えである。自衛的に職員一同の思い付きで、職員室から目視できない門にはカメラが設置されており、人の出入りは職員室の一角にある画面に逐一移されている。何度も言うが、ベルメリのいる門は目視できる。日々暇にしている校長先生は、不審な行動のベルメリをぽかんと見ていた。

「あの子はうちの生徒だが、授業も受けずに何をしている事やら」

 呟きながら観察している校長に、今はたまたま授業の無い体育教師が気付き、一緒に校門に居るベルメリを見ている。

「あれはベルメリ君だな。今日はお休みかと思っていたが、割と元気そうにしているじゃないか。午後から元気が出て来たのかな。最近は休まなくなったと思っていたし、成長するにつれて元気になっているけど、今日は大人しく家に居ればよかったのに」

「ほう、そうでしたか。そういう事なら、友達の誰かに用があるんだろうね」

 二人が見守っている内に、ココモ・オーカー君登場だ。

 ベルメリちゃん、ココモ君に必死な様子で話しているのが見て取れる。しかし、ココモ君は乗り気ではなさそう。そしてベルメリちゃんの得意技、大泣き状態に。技を知らない先生たち、慌てて体育教師走って二人の所へ。

「おいおい君達、何事なんだい」

「げっ」

 泣いている子にしては、違和感のある反応のベルメリちゃん。ココモ君は『嘘泣きだろうと思ったけど、やっぱりね』

 だが、ヤッヤモがポケットの中から、

『ココモ君、パパに頼んでよ。こちとら大事になって行く感じなんだよ』

『気持ちは分かるけど、オーカーさん、仕事と俺らガキの件は区別してるね。関係付けない主義だね』

 ココモ君とヤッヤモはコンタクトしていてもめだしたが、ベルメリちゃんは先生まで来られて、大いに焦っている。

「あ、あの、あたしちょっと外せない用事で、今日は一日お休みします。さぼりじゃなく、ホント大事な用があって、担任の先生は呼ばないでください。クラスメイトには勘付かれたくなくって、ちょっとこれから用事がどんどん押し気味なんですー」

 と言って頭を下げておくが、職員室から校長先生までやって来ているのが見えた。校長ともなれば、どんな時でも走ったりして慌てない。ベルメリは段々慌てる気分。

 そんな時、ヤッヤモがポケットの中から叫ぶ。ベルメリはめまいを覚えた。

「えーっ、もう死んだってー、じゃどうすんだよ」

 先生たちは三人目の声を探して、きょろきょろし出した。

 〈あたし-腹話術も出来ます-〉

 ヤッヤモがベルメリの声をマネて、誤魔化そうとする。そんなヤッヤモをため息をつきながら見ていたココモ君、気を取り直して、

「先生達、僕急用が出来て、ベルメリちゃんとセピア公国の新公爵に会いに行きます。今朝、警察の人が職員室に来て居たでしょ。例のヤコの件です。この国のトップに掛け合わないと、ヤコ、捕まりそうなんです。ヤコがニールに戻ったので、何だか国際警察に捜査をバトンタッチしそうなんですけど、お偉いさんに止めてもらわないと、不味いんで。親父の友人の公爵は先日亡くなったでしょ。新公爵に頼むのは、親父は僕にやれって言うもんで。失礼します」

 校長と体育の先生、

「へぇー、ココモ君って土ドラゴンの国のトップなんだねー。すでに」

 感心している先生達だが、ココモ君としては、相手をする時間もなく、ベルメリちゃんを掴んで瞬間移動した。驚くだろうと分かってはいたが、ココモの能力でサツの動向を測っても時間はかなり押し気味だ。

 公爵家のお庭らしき所に到着したココモ君とベルメリちゃん及びヤッヤモ。

 偶然なのか、ココモ君の技なのか、辺りには誰も居ず、ほっとするベルメリ。

 だが、警備員に勘付かれない内に新公爵を見つけなければならない。おたおたしているベルメリを連れて、ココモ君はどんどん館内に入って、進んでいる。

『すごーい、きっと難なくココモ君は見つけるわね』

『この前、親父と前の公爵の葬儀に行った』

『ふうん、でも先客がいるみたいだよ』

 ヤッヤモはベルメリの心の準備のため、状況を解説する。すぐに泣き出すと、交渉が進まない。

『せ、先客って、誰』

『見た所、ニールのキャイちゃんにそっくり』

 ヤッヤモの観察から、ココモ君推察する。

『それって、おそらくヤーモさんに場違いな懸想をしたあげく、振られたヴァンパイア王ヴァンちゃんの実の息子、実ので間違いないから。名は確か、リアン』

 ベルメリ、訳が分からなくなり、思わず声を出す。

「ヴァンパイアの実の息子だってー、訳わかんないんですけどー」

「しっ」

 ココモ君が慌てて、ベルメリの大声に注意するのだが手遅れの様で、素人が相手をすれば大怪我必至のガタイの良い警備の人達が必要以上に大勢、わらわらと出て来た。

 ベルメリちゃんは、泣いて誤魔化そうと大きく息をする。しかし泣き出す前に、ココモ君解説の、キャイちゃん似、ではなくキャイちゃんが似て生まれた本家的ヴァンパイア王の真の息子リアン及び新公爵と思しき(ベルメリ、会った事は無いがキラキラな服装でそう思った)二人が表れ、新公爵が、

「良いんだ、君たちは下がっておれ」

 警備の人達はそう言われて下がった為、ベルメリは泣く必要が無くなって、大きく息を吐き、柄にもなく咳払いしてしまった。

「えっへん」

 内心変だと思い焦るベルメリ。ココモ君がすかさず挨拶する。

「こんにちはカーピン新公爵、突然訪問してご無礼しました」

「いや、良いんだ。こいつと退屈していた所なんだ。何か退屈しない話題がありそうじゃないか。詳しい話はわたしの自室でしよう。リアンは帰るかな?」

「えー、カーピン16世。位をもらったら、随分な言い草だな」

「しかし、おそらく君とは無関係じゃないのか」

 ベルメリは思った事が口に出てしまった。

「んー、関係無いか有るのか、ちょっと微妙ねー」

「ほらほら、この子もこう言っている事だし、僕も混ぜてよー」

 何とか新公爵に話を付ける機会を得た、若いドラゴンと魔人の娘、及び娘のポケットの中の魔物。

 この面々からして、退屈しそうにない話題と思えた新公爵カーピン16世である。


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